自動車運転者において、前方注視を怠らなかったならば、横断禁止区域で、激しい風雨の中を、走行する自動車の僅かな間隙をぬって横断せんとする被害者を、事故防止に充分な時間的余裕をもって早期発見しえたに違いないとの心証を形成することができないとして無罪を言渡した事例
1 国家公務員法109条12号(100条1項)にいう秘密の意義 2 右秘密の実体が刑罰の保護に値するか否かの証明方法
1 公職選挙法142条1項にいう選挙運動のために使用する文書の意義 2 公職選挙法142条1項にいう選挙運動のために使用する文書にあたるとされた事例 3 公職選挙法142条1項の選挙運動用文書頒布禁止の趣旨 4 選挙の公示または告示後におけるいわゆる候補者推薦依頼行為と選挙運動との関係
通名として永年使用して来たことを理由に改名を許可する場合には、通名と戸籍名とのそごによる社会生活上の著しい支障がなくなれば充分であり、申立人が旧字体への改名申立を固執しても、字画のごときいわれなき迷信に加担してまで改名を許さなければならない理由はない
1 株式会社フシマンバルブという商号はフシマン株式会社という商号に類似する 2 旧会社倒産後分離した一部工場を中心に縁故者が設立した会社の商号であっても、当印の商号を変更して旧会社の商号に近似させた場合には、不正競争防止法にいう先使用権は認められない
タクシーの運転手に対し、暴行・脅迫を加えて所持金を奪取した事案につき、その暴行・脅迫の程度は、相手方の反抗をかなり困難にさせるものであったと認められるが、さらに進んでその反抗を抑圧するに足りるものであったとは認めがたいとして、傷害罪と恐喝罪の併合罪を認定した事例
1 人訴法1条1項は称氏者の住所が通常夫婦の共同生活体の本拠であるとの立場を前提としたものと解されるから、称氏者のない場合でも夫婦共同生活体の本拠が存すると認められるときは、その地をもって土地管轄決定の基準とすべきである 2 カナダ、ブリテッシュ・コロンビア州で行なわれている国際私法の原則によれば、離婚の準拠法は夫の住所の存する法廷地法とされているところ、夫婦の共同生活地は日本にあるが、永住する確定的意思を有するか否か明らかでない等判示認定事実のもとでは、夫の本国法上の選択住所は日本にないとして、反致を認めず夫の本国法により離婚判決した事例 3 離婚の際の子の親権監護者指定に関する法律関係は、離婚を契機として生じた新たな親子間の法律関係と解しうるから、法例20条により父の本国法を適用すべきである
精神分裂病で通院している者を相手方とする親権者変更申立事件につき相手方に特別代理人を選任したうえその旨の審判をした事例