1 いわゆる一般的指定の取消をもとめうるか 2 一般的指定の適否 1(1) 一般的指定は弁護人の秘密交通権を実質的に制限するものであり、指定書の謄本が弁護人にも交付されるから刑訴法39条3項による指定と解すべきである (2) 秘密交通権は憲法34条により保障せられたもので特段の事情のない限り制限できないものであるのに一般的指定により事実上秘密交通権が制限せられるから違法な措置である 2(1) 一般的指定は被疑者に謄本が交付され、しかも具体的指定がない限り接見を拒否する取扱であるから刑訴39条3項の処分と解すべきである (2) 検察官の面接指定は具体的になすべきであり、一般的に予め接見を禁止する措置をとることは刑訴法39条3項の権限を逸脱するもので違法である
1 特許侵害訴訟において、侵害者の挙げた利益額および技術援助料相当の実施料額合計金2億3千余万円が損害額としてその支払が命じられた事例 2 「高速にて回転する材料加速車と衝突板とをもって堅い物質を粉砕するための加速式粉砕機」に関する特許発明における「衝突板の先端部」の位置形状「ほぼ半径方向」「鰐口状の開口運動」という表現の技術的意味内容について判示した事例 3 日独間の工業所有権協定の発効前に登録された特許権について既得権ありとする主張が否定された事例 4 特許訴訟において、優先権主張の効力を争うことは許されないとした事例 5 日独間の協定による先使用の主張が否定された事例 6 出願公告前の特許を受ける権利に基づく損害賠償請求の主張が否定された事例 7 技術援助契約に基づく損害賠償請求の主張が否定された事例 8 特許侵害品の製造に用いられる部品についての損害賠償請求の主張が否定された事例 9 特許権侵害に基づく謝罪広告を求める主張が否定された事例
被告人が車道上に自動車を停車し、運転席右側の扉を開けて降車したところ、後方より原動機付自転車を運転進行してきた被害者が右扉に接触転倒した交通事故につき、被告人の過失責任を否定した事例
1 乙から所有権移転仮登記を受けた丙の関与なしに、甲から乙への所有権移転登記が抹消された場合の抹消回復登記請求権の成否 2 1の場合、丁が甲から所有権移転請求権保全仮登記を受けたとき、1の抹消回復登記につき、丙の丁に対する承諾請求権の成否
陸運局長が、自動車運送事業者に道路運送法第36条第1項の違反ありとしてなした同法第43条による免許取消処分を取消した事例
借地賃貸借契約解除のためにした「昭和22年2月から同33年10月までの公定地代とこれに対する年5分の割合による遅延損害金を支払え」という内容の催告は適法か
1 賃貸人の期間満了時における更新拒絶の正当事由が認め難いとして増改築許可申立を認容した事例 2 右許可に伴う付随処分として、地代増額と借地権価格の2%強にあたる金銭の支払を命じた事例
財産分与の制度は、離婚に際して夫婦の実質的な共有財産の清算処理をなすことが中核であるところ、本件においては、離婚に至った原因を当事者の一方に帰することができず、かつ、婚姻の継続期間も僅か1年半にすぎず、また、分与の対象となるべき財産はないとして財産分与の請求を却下した事例
物心両面みちたり幸福な家庭生活を営んでいる事件本人の現在の生活環境を今にわかに一変することが事件本人にとって幸福であるとは到底即断できないとして、母からなされた親権者変更の申立を却下した事例
1 認知を請求する権利は何びとにおいてもこれを放棄することができない 2 子の認知請求権を放棄することの代償として多額の金品の交付を受けたことなど判示事情のもとにおいても、認知請求権の放棄を許さない性質よりして、母を代理人とする子の認知請求権の行使が権利の濫用となるものではない 3 長期間にわたって夫婦の同棲が失われ、たんに戸箱の上にだけ婚姻の形骸が残っているような場合の、民法772条の推定を受ける子の父子関係を決する方法については、母の夫から嫡出否認の訴がなされないままでも実の父に対する認知請求が許されるものと解する
2名の者が交代しながら運転していて事故に遭遇し、たまたま同乗していた者が被害をうけたが、被害者の運転手にも過失がある場合、右過失を同乗者の損害について過失相殺の基礎となしうるか
雑誌掲載記事の登場人物が実在の者を指したものと認められ、同人については右記事の内容が事実無根があることから、その名誉を著しく毀損するものとして、同人に対する謝罪広告及び慰藉料の請求が認容された事例