最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 事案の概要
本件は,尼崎市(以下「市」という。)の住民であるXらが,市が発注したごみ焼却施設の建設工事の指名競争入札において,Y1~Y5(以下「被告5社」という。)がY1を受注予定者とする談合をし,Y6もそれに協力した結果,Y1を構成員とする共同企業体(以下「本件共同企業...
《解 説》
1 貸金業者であるXは,平成11年6月11日,Y1に対し,480万円を,同年7月から平成16年6月まで毎月5日限り,元金8万円ずつを経過利息と共に支払うとの約定で貸し付け(以下「本件貸付け」という。),Y2は,本件貸付けに係るY1の債務について連帯保証した。本件貸付けに当たって...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,原告らが,①a被告靖國神社及び被告国に対し,被告靖國神社による原告らの近親者である本件戦没者の合祀行為等により,原告らの人格権が侵害され精神的苦痛を受けたとして,また,①b被告国による被告靖國神社に対する情報提供行為が被告靖國神社の合祀という違法行為の...
《解 説》
1 本件は,相手方が,学校設置条例により設置する特別支援学校(以下「本件学校」という。)を平成21年3月31日限り廃止することなどを内容とする上記学校設置条例を改正する条例(以下「本件条例」という。)を制定したため,本件学校の児童生徒及びその保護者らが,相手方が本件条例を制定し...
《解 説》
1 本件は,処分行政庁が,原告が経営するゴルフ場(本件ゴルフ場)におけるゴルフ場利用税の税率算定の基礎となる等級を6級から3級に変更する処分をしたこと(本件処分)について,その取消しを求めた抗告訴訟である。
ゴルフ場の利用については,道府県の普通税の一つとして,ゴルフ場利用者...
《解 説》
1 大東市は,平成19年3月31日付けで退職する非常勤職員に対し,総務部長Aの専決による支出負担行為,人事課長Bの専決による支出命令に基づき,退職慰労金238万1650円を支払い,また,同年7月31日付けで退職する非常勤職員に対し,人事課長Cの専決による支出負担行為及び支出命令...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,人権文化センターの事務室部分を団体の支部事務所として使用していた原告らが,処分行政庁に対して,地方自治法238条の4第7項の行政財産の目的外使用許可の申請をしたところ,処分行政庁から不許可処分を受けたことから,同処分は,原告らの団体の目的や活動実績を適...
《解 説》
1 本件は,選定当事者兼選定者X1が,Aの定額郵便貯金(以下「本件貯金」という。)を相続したとして,Yに対し,X1及び選定者X2それぞれのために郵便貯金元利合計額の支払を求めた事案である。
2 本件の概要は次のとおりである。
Aは,昭和52年1月13日及び同年2月22日に,...
《解 説》
Xは,平成17年10月,住宅地域内の土地建物を購入し,建物を取り壊して,平成18年2月,アパートを建設した。
当該土地に隣接する公道上には,周辺住民が利用する一般廃棄物の集積場が遅くとも昭和46年から存在し,Yらを含む少なくとも約40世帯の住民がこれを利用している。
Xは,...
《解 説》
本件は,「酒の楽市」の屋号で酒類ディスカウント店を展開しているY1(株式会社前田)の民事再生手続に関し,再生手続開始前に登記していなかった根抵当権者X(商工中金)が,再生手続開始後に根抵当権設定登記手続を請求した事案である。Xは,再生債務者Y1に対し,根抵当権設定契約または根抵...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,Y1会社が設置する廃プラスチックのリサイクル等施設(以下「廃プラリサイクル施設」という。)及び地方自治法上の一部事務組合であるY2組合が設置する容リ法に規定する廃プラ等の選別・圧縮・梱包施設(以下「圧縮梱包等施設」という。)付近に居住等する原告らが,両...
《解 説》
1 本件は,Xが普通乗用自動車を道路の左側に寄せて停車していたところ,その後方を軽四輪自動車で走行していたYが自車をX運転車両に追突させ,Xに頚椎捻挫等の傷害を負わせたとして,XがYに対して,民法709条,自動車損害賠償保障法3条に基づいて損害賠償を求めた事案である(なお,Xは...
《解 説》
1 本件は,Yクリニックで近視矯正のためにレーシック手術を受けた後,遠視化(術後遠視)が生じたXが,医師らに説明義務違反があるなどとして,Yクリニックを開設する医療法人Yに対し,債務不履行又は不法行為(使用者責任)に基づき損害賠償を請求した事案である。
レーシック手術とは,角...
《解 説》
1 X(1審原告,被控訴人,附帯控訴人)は,Y(1審被告,控訴人,附帯被控訴人)に対し,廃材用切断装置であるイ号ないしハ号物件又は同装置用刃であるニ号物件のYによる製造販売等の行為が,Xの有する本件特許権1,2又は本件意匠権を侵害するなどと主張して,それらの製造販売行為等の差止...
《解 説》
1 本件は,元海上自衛隊員Aの自殺事件につき,その両親であるX1及びX2がAの先輩であった海上自衛隊員Y1に対して損害賠償を,また,国Y2に対して国家賠償を求める本案訴訟において,XらがY2に対して文書提出命令を申し立てた事案であるが,原審は,Xらの本件申立てに係る文書の一部に...
《解 説》
本裁判例は,アメリカ合衆国に在住して,銃器の愛好家向けに,銃器関連品を日本に輸入販売する事業を営んでいた日本人男性の被告人が,その営業の一環として行った輸入行為が,銃砲刀剣類所持等取締法(以下「銃刀法」という。)31条の11第1項2号のけん銃部品輸入罪(同法3条の5違反の罪)等...