最も長い歴史をもつ判例実務誌
控訴期間の不遵守が控訴代理人の責に帰すべからざる事由によるかどうかにつき職権調査を尽くさなかったことが違法とされた事例
港湾施設の建設工事中である埋立地内の道路を夜間走行していた自動車が岸壁から海中に転落して運転者が死亡した場合において右埋立地の管理に瑕疵があるとされた事例
1 地方税法122条4項に「その行為者を罰する外」とある法意
2 料理飲食等消費税の特別徴収義務者である法人の代表者がその法人の業務に関し地方税法122条1項の違反行為をしたときの罰条
1 検察官の訴追裁量権の逸脱が公訴の提起を無効ならしめる場合がありうるが、それはたとえば公訴の提起自体が職務犯罪を構成するよう極限的な場合に限られる
2 検察官の訴追裁量権の逸脱を理由として公訴の提起を無効とした原判断が誤りであるとされた事例
3 原判決に判決に影響を及ぼす法令の解釈適用の誤りがあるが、いまだ刑訴法411条を適用すべきものとは認められないとされた事例
1 新幹線走行によって発生する騒音、振動の一定量を超える沿線居住地への侵入禁止を求めるいわゆる不作為請求の適法性(肯定)
2 右差止請求権の法的根拠(人格権を肯定、環境権を否定)
3 前記差止請求における加害行為の違法性の判断と利益衡量(公共性を考慮し受忍限度内として違法性を否定)
4 前記騒音、振動の発生と国賠法2条1項の適用(肯定)
5 前記騒音、振動と沿線住民の身体的被害との因果関係(否定)
6 損害賠償請求における受忍限度の判断に当り公共性を考慮するか否か(否定)
7 いわゆる後住者に対する危険への接近論の適用(否定)
8 過去の慰藉料の騒音、振動との相関による算定基準
9 過去の慰藉料請求の適法性(否定)
1 いわゆる環境権は私人に対する差止講求の根拠となるか(消極)
2 環境影響評価の欠如のみをもって差止請求権が発生するか(消極)
3 火力発電所の建設差止を求める原告は諸々の外形的事実等から受忍限度を超える程度の被害発生をもたらすおそれがあると推認し得る事実の存在を立証するをもって足りる
4 火力発電所及びこれに伴うパイプラインの建設により環境基準を超える大気汚染、温排水被害、農業被害の発生のおそれが否定された事例
5 市と電力会社との間で締結された公害防止協定につき、住民の債権者代位権又は第三者のためにする契約に基づく差止請求が否定された事例
1 鉄道営業法35条に基づくビラ配付の規制は、憲法21条に違反しない
2 少人数による道路上のビラ配付が道交法77条1項4号、大阪府道路交通規則15条9号の規制対象とならないとされた事例
タクシーの運転手が歩行者横断禁止の規制がなされている片側4車線の道路の第2車線を進行中第3車線から第2車線にかけ出してきた被害者に自車を衝突させた事故につき、前方注視義務違反の過失はないとして無罪を言い渡した事例
犯行当時幻覚・妄想があり、アルコール症を基盤とする覚せい剤中毒による異常な精神状態にあった疑いがあるが、心神耗弱の状況に止るものと認められた事例
交差点の対面信号が赤から青に変るであろうという見込みのもとに高速で交差点に接近し、これを通過しようとした運転者に過失があるとされた事例
集団の移動を規制した行為が警察官職務執行法2条1項の職務質問を行うための前段階として許容される範囲内の権限行使であるとされた事例
1 公判調書が無効である場合に他の資料によって当該公判期日における訴訟手続の適法性を証明することの可否
2 政治家についてのいわゆる後援会活動に関する現金の授受につき買収罪等の成立を認めた事例
1 建物建設請負工事の収益計上時期につき権利確定主義を根拠に判断した事例
2 逋脱所得算定に際し損金勘定科目の一部減額と訴因変更の要否