最も長い歴史をもつ判例実務誌
不動産の引渡命令の発付を受けた買受人が当該不動産を第三者に譲渡した場合と引渡命令の相手方が右買受人に対して提起する引渡命令に対する請求異議の訴えにおける異議の事由
着古した男性用下着に乱雑に記載してされた当選の効力に関する異議申出が公職選挙法206条1項にいう「文書による異議申出」の要件を欠く不適法なものとされた事例
スーパーマーケット方式による小売業者に対する比準同業者2例に基づく比率法による推計課税につき地域性・業種等を考慮して合理性ありとされた事例
法人が他からの借入金で土地を取得して転売利益をえてこれにつき納税申告をする場合、当該借入金に対する支払利子の全額を右譲渡益から経費として控除しうるか(消極)
1 措置要求の審査手続に代理人の関与を認めるか否かは人事委員会の自由裁量に任されている
2 給特条例(昭和46年愛知県条例55号)所定の要件を充たさない時間外勤務命令は違法である
3 教職員の自由意思を極めて強く拘束するような形態でなされ、しかもそのような勤務が常態化しているなど、かかる時間外勤務等の実情を放置することが右条例7条が時間外勤務等を命じうる場合を限定列挙して制限を加えた趣旨にもとるような事情の認められる場合には、教職員が当該労働に対する対価として本来取得すべき給与請求権まで排除されない
1 単一組合の支部名義でされていた預金債権の債権者が、組合支部ではなく単一組合そのものであるとされた事例
2 組合分裂を否定した事例
農業協同組合が農業協同組合法10条6項の制限を超えて保証する行為は無効であるが、組合が無効を主張することが信義則に照らして許されないとした事例
1 小切手の預入れと預金契約の成立時期
2 信用金庫支店長代理の預金受入れの権限の有無(積極)
3 預入れ小切手の横領と預金契約の成否(積極)
協議離婚に伴う財産分与として不動産を譲渡した分与者において譲渡所得税が課せられることを知らなかったため課税に対する配慮をせずに財産分与契約をしても動機の錯誤があるにすぎず、要素の錯誤は認められないとした事例
1 不動産登記簿が抜き取り改ざんされ、詐欺犯罪に用いられた場合に、登記簿の保管につき登記官に過失があるものとして、国に対する国家賠償法1条の賠償責任が認められた事例
2 右の場合に、詐欺犯罪の被害者にも過失があったものとして、国の賠償債務につき過失相殺をした事例
新生児核黄疸による重症脳性麻痺につき、出産を担当した産婦人科医師に結果と因果関係を有する注意義務違反がないとされた事例
腰椎椎間板ヘルニアに対する腰椎椎弓切除手術に際し、市立病院の執刀医らが過失により馬尾神経を損傷したため、患者に尿閉、肛門周辺知覚麻痺等の症状が生じたとして市の賠償責任が肯定された事例
植物人間となった交通事故の被害者(男・27歳)の余命年数について、控訴審の弁論終結時より向後約10年として損害賠償を算定した事例
交通事故により右足を骨折した被害者が骨髄炎に罹患し、神経症に陥って自殺した場合、事故との因果関係を認めたが、過失相殺の法理の類推適用により、加害者の賠償額を7割減額した事例
心神喪失の常況にあるがまだ禁治産宣告を受けていない場合にも民訴法56条の準用により特別代理人の選任を求めることができる
1 譲渡制限株式の譲渡承認等の請求は、譲受人からもなしうるとされた事例
2 譲受人からの譲渡制限株式の譲渡承認等の請求は、会社がこれを受理した後には撤回できないとされた事例
1 譲渡担保設定者に被保険利益ありとして火災保険金の請求が認められた事例
2 譲渡担保設定者と権利者の双方が火災保険契約を締結していた場合の損害保険金額算出の方法
1 1審が認容した主位的請求につき控訴審がその一部を棄却し予備的請求を認容するに当り、予備的請求の遅延損害金率が主位的請求のそれを上回る場合においても、金額的に控訴人に不利益に変更することは許されないとした事例
2 債権者代位権に基づく取立訴訟において、「第三債務者は債権者に対し被保全債権(具体的な金額)の限度において自己の債務を支払え」との趣旨を主文に掲げた事例
1 破産宣告・同時廃止の確定から免責確定までの間に破産宣告前の債権について個別的強制執行ができる
2 右の強制執行により権利を実行した場合と不当利得の成否(積極)
土地、建物に共同抵当権が設定された後右建物が滅失・再築され、新建物に別の抵当権が設定された土地と新建物が一括売却に付された場合、土地には法定地上権の負担が、新建物には法定地上権の利益が付着したものとして評価し売却代金額を割付、作成した配当表に違法はないとされた事例
1 外国人登録証明書の切替交付申請や引替交付申請の際に一律に指紋押なつをさせていたことを内容とする昭和62年法律第102号による改正前の指紋押なつ制度は、憲法13条等に違反しない
2 既に外国人登録法の規定により指紋押なつをしたことがある外国人は原則として外国人登録証明書の切替交付申請や引替交付申請の際に再度指紋押なつをする必要がないとする昭和62年法律第102号による法改正が原判決後にされたことを考慮し、切替交付申請と引替交付申請の際に指紋押なつの拒否をした被告人を罰金3万円の実刑に処した原判決を破棄し、被告人に罰金3万円の執行猶予を言い渡した事例
共犯者の供述中には、一部に客観的事実に反し信用できない部分が含まれているが、被告人との共謀の点を含む主要で根幹的な供述部分については、客観的な状況証拠によっても、その真実性が担保されており、十分信用に値するとされた事例