最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 審判の請求を受けない事件について判決した場合に当たらないとされた事例
2 被告人らの自白のとおりに有罪とした原判決の事実認定に不合理な点があるとして破棄された事例
1 定年後在職制度が従業員組合の発行する「組合員必携」に長年にわたって定年に関しては宣言規定として55歳、実質58歳であるとの記載がなされてきたこと等から、それが事実たる慣習と認められた事例
2 就業規則の変更が合理的なものであるとはいえず、就業規則変更の効力は原告に対しては及ばないとされた事例
3 労組法17条の「1の工場事業場」とは、銀行のような業種にあっては企業全体を指すと解すべきであるとされた事例
1 労働者が、社宅財形融資制度を利用して、会社、他の銀行、労働金庫から住宅資金を借入れ、右融資が判示のような約旨のもとになされている場合、会社が、労働者の同意のもとに、退職金等から右各借入金残額を控除したことは、労働者の退職金債権等と会社の融資金返還請求権、他の銀行、労働金庫に対する返済を委託されたことによる費用前払請求権等とを相殺(合意相殺)したものであり、労働者の完全な自由意思による同意があること、その他判示の理由から、労基法24条1項に反しないとされた事例
2 右合意相殺にかかる労働者の意思表示につき右労働者の破産管財人のした破産法72条1号の否認権の行使が認められなかった事例
3 右破産管財人による退職金等の支払請求及び独立当事者参加した右労働者自身による退職金等の4分の3の部分の支払請求等がいずれも棄却された事例
資金仮払処分に基づき賃金の仮払を受けた者は、その後右仮処分が取り消された場合には、原状回復義務に基づき仮払金の返還義務を負うとされた事例
専従休職制度を認める労働協約が締結されていた会社において、会社から休職処分を発令され組合業務に専従していた組合員の専従休職者としての地位が、右労働協約の失効により消滅するとされた事例
フランチャイズ契約に基づくロイヤルティ等の請求に対し、契約期間中のフランチャイザーによる会員名簿の引き上げが不法行為を構成するとして相殺の抗弁が認められた事例
専用庭に設置する温室での園芸活動を目的とするマンションの売買において、契約後に南側隣接地に予想外の高い建物が建築され、日照が阻害されたことが、売買目的物のかくれた瑕疵に当たるとされた事例
数通の手形の支払資金が不足するとき、取引先からいわゆる指名決済として優先決済すべき手形が指示されても、銀行は、自から承諾した場合のほかは、その指示に拘束されず、諸般の事情を考慮して合理的な選択を任意になしうる
機動隊員がデモ行進に対する機動隊の規制行為の監視にあたっていた弁護士に暴行を加えたとして損害賠償の支払が命ぜられた事例
高校生が友人に所有の原付自転車を貸与し、友人がこれを運転中に起こした人身交通事故について、右高校生の運行供用者責任を認め、右高校生に対する国の代位請求を認めた事例
交通事故の被害者が自殺したことにつき、事故と死亡との間に相当因果関係を認めたが、被害者の自殺についての自由意思の関与の程度を斟酌し、過失相殺の法理を類推適用するとして、賠償額を5割減額した事例
1 不動産競売手続において、登記簿上不動産の所有者とされていない者が、真実の所有者であるとして、競売手続の終了後に、抵当権の実体上の無効を主張して買受人の所有権の取得を争った場合において、競売手続において自己が当事者として処遇されなかったことを理由として、民事執行法184条の効果を争うことは許されないとされた事例
2 民事執行法184条の規定は手続上の失権効に基づくものであり、担保権の不存在又は消滅についての買受人の善意・悪意により同条の効果が左右されるものではないとされた事例
被告人の暴行脅迫により惹起された相手方の侵害行為について、刑法36条1項における「不正」の要件を欠くとして、これに対する過剰防衛の主張を排斥した事例
母親が自己の幼児を殺害した事案につき、行為当時病勢期の内因性うつ病による心神喪失の状態にあったとして、無罪を言渡した事例
判示の事情に鑑み、原判決の量刑が重すぎるとして破棄したうえ、適正な量刑を図るためには第1審裁判所に係属中の別件の量刑を勘案せざるをえないところ、被告人が併合審判を強く望んでいること等の事情を考慮し、事件を第1審裁判所に差し戻した事例
1 一般旅券発給拒否処分に理由付記不備の違法がないとされた事例
2 一般旅券発給の申請人が旅券法13条1項5号に該当するとしてなされた一般旅券発給拒否処分がその前提となる事実に誤認があり違法であるとされた事例
3 一般旅券の発給拒否処分が違法であることにつき外務大臣に過失がないとされた事例
1 第2種市街地再開発事業の事業計画決定の行政処分性の有無(積極)
2 右同事業施行地区の隣地である事業予定地区内の土地、建物につき、所有権、賃借権等を有し営業をいとなむ者は、右事業計画決定取消訴訟につき原告適格を有するか(消極)
自己の株式を会社側に高額で買い取らせる目的でその手段として議決権を行使することが、議決権の濫用にあたり許されないとされた事例