最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
本件は、原告が大阪市立十三中学校三年(二学期)に在学中、休憩時間内に、校内で、同学年の被告Aからいわれのない暴行を受け、外傷性脾臓破裂等の傷害を負わされた事件の損害賠償請求事件である。原告は、被告Aに対しては不法行為、被告大阪市に対しては国家賠償法一条(校長以下、十三中学校教師...
《解 説》
Xら一七名のうち一六名は、平成四年九月から同五年二月にかけて不動産業者Y1(Y2銀行が販売代理)により宮城県多賀城市内の九階建マンション(エクレールⅠ)の専有部分を購入した者である。Y1はその後の平成六年二月、エクレールⅠの南側隣接地の所有権を取得し、建築業者Y3に発注して、同...
《解 説》
一 本件は、昭和六二年に近鉄東大阪線の生駒トンネル内で発生した火災事故により、トンネル内を通過していた電車の乗客らが有毒ガス等を吸引して死傷した事案について、右の火災が発生した地点に敷設されたケーブルの接続工事を請け負った工事業者が業務上失火、業務上過失致死傷により起訴されたも...
《解 説》
Xは京都市(Y市長)の市民であるが、京都市公文書の公開に関する条例に基づき、二回にわたり、市広報室とマスコミとの協議懇談に要した費用とその内容が分かる文書(平成二、三年度)及び市とマスコミとの協議懇談に要した費用とその内容が分かる文書(平成三年一二月二二日以降)の公開を求めたと...
《解 説》
一 本件事案の概要
本件は、種痘の後遺障害と予防接種実施規則四条(昭和四五年厚生省令第四四号による改正前の昭和三三年厚生省令第二七号)の禁忌者推定に関する最二小判平3・4・19民集四五巻四号三六七頁、本誌七五八号一一八頁による破棄・差戻後の控訴審判決であり、いわゆる小樽種痘禍...
《解 説》
一 XはA及びBを相手方として、簡易裁判所に民事調停の申立てをし、「AはXに対し、Aの預金払戻請求権を譲渡すること」等を内容とする調停が成立した。ところが、Xが右預金払戻請求権を行使したところ、その一部が当該金融機関の相殺権の行使により払い戻されなかった。そこで、Xは、調停無効...
《解 説》
XらはY市の住民であるが、二度にわたりAらに対し、Y市の公金による接待や私的飲食を違法であると主張して住民訴訟を提起したところ、被告の一人であるAはいずれも自己に対する請求を認諾した。Xらは、右認諾は地方自治法二四二条の二第七項にいう「勝訴」に当たると主張し、同条項に基づき、Y...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和五七年六月から運輸会社の従業員として、京都・東京間の長距離運転に従事していたものであり、昭和五八年四月一〇日京都を出発し東京に向けて走行し、トラック内で仮眠した後、荷送先で荷卸作業に従事していたところ、くも膜下出血を発症して倒れ、同月一四日死亡するに至った。
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《解 説》
一 Xは、昭和五〇年六月から、Y会社の観光バスの運転手として稼働していたものであるが、昭和六一年八月、同社のバスガイドと二度の情交関係を持ったとの理由で普通解雇された。
しかし、Xは、バスガイドとの情交関係を否認して解雇の効力を争うとともに、会社側の解雇は不法行為であると主張...
《解 説》
Y漁業協同組合は、M県から昭和五六年三月、宮崎港整備事業に伴う損失補償(新港補償金)として三億五五〇〇万円の支払を受け、次いで同五七年六月、空港整備事業に伴う損失補償(空港補償金)として一億二五〇〇万円の支払を受けた。いずれの場合でも、Yにおいては、配分委員が選任され、配分委員...
《解 説》
一 Xは、明治二〇年に創業の大手繊維・化粧品等の製造販売会社であり、訴外Aは、Xの代表取締役会長であり、かつ、日本航空の会長であったが、Y1は、その発行する「週刊新潮」(昭和六一年六月一九日号)に、「『日航』A会長が、『威を借りる虎』の名」と題する特集記事を掲載し、それまでのX...
《解 説》
一 本件は、障害年金の受給者であった者が、医師の過失に基づく医療事故により死亡したため、遺族らが医師の使用者である組合に対して損害賠償を請求した事案である(医師に過失があった点については、当事者間に争いがない。)。
二 年金受給者が他人の不法行為により死亡した場合には、受給者...
《解 説》
一 Xは、平成六年四月、高卒の新入社員として運送会社(従業員約四〇名)に就職したところ、同社の社長Yと二人になったとき、Yから「Xちゃんは処女か」と尋ねられたり、Xの母校の生徒の素行などが話題にされたりするようになり、同年七月にYと食事した際、「わし、Xちゃんが欲しいねん」「ホ...
《解 説》
一 Xらは、平成五年一一月二三日夕刻、長女A、長男Bと四人で、テレビを購入するため、Y1電機会社の「鶴岡店」に赴き、同店内で、テレビの品定めをしていたところ、Bが、店内の机にぶら下がったためか、右机が横転してその下敷きとなり、急性心不全のため死亡するに至った。
そこで、Xらは...
《解 説》
一 X1ないしX7は、妊娠の有無あるいは不正出血などについての診断、診察を受けるため、Yの経営する産婦人科病院に行ったところ、Yは、腹膜炎、卵管炎あるいは子宮筋腫等の診断をなし、診断内容に応じて、子宮、卵巣、卵管、虫垂等の摘出手術や入院治療等を施した。
しかし、Xらは、Yは、...
《解 説》
一 X1は、昭和五九年一〇月、Yの経営する産婦人科医院で男児X2を出産したが、元気がなく、母乳を全然飲まず、体重も減少傾向にあった。
しかし、医師から、「泣いているので大丈夫です」などと言われたので、X1は、X2とともに退院したが、退院後も母乳を飲む量は少なく、便も尿も出なく...
《解 説》
一 訴外Aは、平成三年一一月当時、宮崎県立妻高等学校の三学年に在籍していたものであり、同月二五日、保健体育の自習授業として行われたソフトボールの試合において投手をしていたところ、打者の打った打球が左腹部に当たって意識不明の状態になり、同年一二月九日、虚血性全脳障害により死亡した...
《解 説》
一 訴外Aは、平成二年八月当時、Y1の設置する「桐陽高校」二年に在学して、ラグビー部に所属していたものであり、同月中旬、長野県菅平高原で行われた合宿訓練に参加し、他の高校と練習試合を行ったが、いずれの試合にも負けたため、同部の監督Y2の命令により猛練習を行っていたところ、呼吸困...
《解 説》
X(昭和五年四月生)は、母Aと亡Bの間に生まれた子であると主張し、Y検察官に対し認知を求める訴えを提起した。
第一審判決は、AとBの各父親が従兄弟同士であること及び両人が昭和四年ころ居住していた地区のみをもってしては、AとBの結婚ないし同居の事実を認めるに足りないこと、X、A...
《解 説》
Xは、昭和四一年一一月以降、Y1社の取締役であり、同六二年五月から同六三年六月までの間代表取締役社長の地位にあった。Xが代表取締役社長を退任した際、Y1の株主総会においてはXに退任慰労金を支給し、その金額の決定は取締役会に一任するとの決議がされたが、取締役であったY2ないしY6...
《解 説》
一 A個人タクシー協同組合の組合員Xらは、A組合理事のYらがB有限会社からA組合に交付されるべき金員を不法に領得したなどと主張して、中小企業等協同組合法四二条・商法二六七条一項に基づき、A組合に対する損害賠償を求めて、本件代表訴訟を提起した。なお、Xらは、Yらが、A組合監事X1...
《解 説》
Xは免許証記載の有効期間を約一八日間経過したのを失念し、自動車を運転して追突事故を起こし、自己所有の自動車の修理代金として三八九万円余を要した。Xは、Y保険会社との間で自家用自動車総合保険契約を締結していたので、右修理代金相当の保険金をYに請求したところ、Yは、約款上、「法令に...
《解 説》
一 Xは、昭和六三年三月より、京都市伏見区内において、「アーバンイン伏見」という営業表示でホテル営業を行っている者であるが、平成六年より、京都市伏見区内において、「アーバンホテル京都」なる営業表示でホテル営業を開始したYに対し、「アーバンイン伏見」と「アーバンホテル京都」という...
《解 説》
Xは、公立小学校に勤務する教諭で、Yからその給与債権の差押えを受けた。ところで、Xは、公立学校共済組合から同組合貸付規定に基づき金員の貸付を受けており、その償還のため毎月の給与及び期末勤勉手当から相当額の償還金を控除されて給与等を受領していた。Xは、過去にも数回給与債権の差押え...
《解 説》
児童福祉法六〇条は、一、二項において、同法三四条一項各号に定める児童の福祉を害する行為に対する処罰を定めるとともに、三項において、児童を使用する者は児童の年令を知らないことを理由として処罰を免れることはできないが過失のないときはこの限りでないと規定している。
ところで、本件は...