最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 はじめに(第11回迅速化検証結果の公表に当たって)
2 裁判手続のデジタル化の今とこれから
3 地方裁判所における民事第一審訴訟事件の概況及び実情
4 地方裁判所における刑事通常第一審事件の概況及び実情
5 家庭裁判所における家事事件及び人事訴訟事件の概況及び実情等
[目次]
はじめに
第1 取締役会の決議の不存在・無効の確認の訴えの許容性
第2 原告適格
第3 被告適格(1)
第4 被告適格(2)
第5 会社の代表者
第6 訴えの利益(1)
第7 訴えの利益(2)
第8 訴えの利益(3)
第9 出訴期間
第10 管轄
第11 請求の趣旨
第12 訴額
第13 訴訟手続(処分権主義・弁論主義との関係)
第14 判決の効力
第15 無効事由(1)概要
第16 無効事由(2)招集手続の瑕疵
第17 無効事由(3)決議の手続の瑕疵
第18 無効事由(4)決議の内容の瑕疵
第19 不存在事由
子ども・子育て支援法29条5項から7項までに定める制度の下において,同条1項に規定する特定地域型保育事業者が市町村に対して有する地域型保育給付費に相当する額の金員の支払を求める債権は,同法17条にいう「子どものための教育・保育給付を受ける権利」に当たるか
情報開示請求の部分開示決定に対する審査請求を受け,実施機関が職権で新たな開示決定をしたことにより,請求者が審査請求の目的を実質的に達したと解したとしても,裁決がないことについて不作為の違法確認を求める訴えの利益は消滅しないとした事例
1 同性間の婚姻を認めていない民法及び戸籍法の規定と憲法13条,14条1項,24条1項,24条2項
2 国会が同性婚を法制化しない立法不作為は,国家賠償法1条1項の適用上違法であるとはいえないとした事例
1 同性間の婚姻を認めていない民法及び戸籍法の諸規定は,憲法14条1項,24条2項に違反するとした事例
2 同性間の婚姻を認めていない民法及び戸籍法の諸規定を改廃しないことが,国家賠償法1条1項の適用上,違法であると認めることはできないとした事例
先天性の聴覚障害を有する児童が交通事故死した事案において,聴覚の状態像,聴覚障害者をめぐる社会情勢や職場環境の変化を踏まえ,全労働者平均賃金を減額するべき程度に労働能力に制限があるとはいえないとして,これを減額せずに死亡逸失利益を認定した事例
1 現行の法令が同性間の婚姻を認めていないことが憲法14条,24条に違反するか(積極)
2 国会が同性間の婚姻を可能とする立法措置をとらないという立法不作為が国家賠償法1条1項の適用上違法と評価されるか(消極)
夫が,亡妻の生前に,妻が管理していた妻名義の預金を引き出したことについて,当該預金の出捐者は専ら夫であり,口座名義及び管理状況のみをもって当該預金が妻に帰属していたものと認めることは困難であるとして,妻の子が相続したと主張する妻の夫に対する不当利得返還請求権を認めなかった事例
1 外国の方式に従って日本人間で婚姻した場合について,報告的届出にも戸籍法74条1号の適用があるとした事例
2 外国の方式に従って日本人間で婚姻した場合で,その婚姻届に「夫婦が称する氏」の記載を欠く不備があるときについて,その不備の補正をさせることなく届出を不受理とし,当該婚姻を戸籍に記載する扱いをしなかったことが不当でないとした事例
縁組意思を欠く養子縁組の届出は,民法799条が準用する同法739条1項の規定に違反する届出といえるから,その届出を不受理とした市長の処分に違法はないとした事例
1 医師法12条に基づく医師国家試験予備試験の受験資格の認定処分に係る職権取消しの差止めの訴えについて,当該職権取消しがされることにより「重大な損害を生ずるおそれ」(行政事件訴訟法37条の4第1項)があるとされた事例
2 医師法12条に基づく医師国家試験予備試験の受験資格の認定処分に係る職権取消しの差止めの訴えについて,当該認定処分に被告が主張する瑕疵があるとは認められず,厚生労働大臣が当該職権取消しをすべきでないことが当該職権取消しの根拠となる法令の規定から明らかであるとされた事例
犯罪利用預金口座等として取引停止措置が講じられた預金口座に対してされた,仮執行宣言付支払督促に基づく強制執行について,当該支払督促に表示された請求権の存在は認められないとして,当該預金口座の名義人の債権者である原告が当該名義人に代位してした請求異議の訴えを認容した事例
小学校内で発生した傷害事故について,小学校の実施した調査がいじめ防止対策推進法28条1項所定の調査に該当しないと判断された事例
1 検察官が,被疑者が黙秘の意思を表明した後も取調べを継続したこと自体をもって,被疑者の黙秘権を侵害するものとして国家賠償法上違法であると認めることはできないとされた事例
2 検察官の取調べの際の言動が社会通念上相当と認められる範囲を超えて被疑者の人格権を侵害するものであり,国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例
会社法297条4項に基づき株主総会の招集を許可された株主が,当該会社の株主名簿管理人に対し,同株主名簿管理人が保管する株主名簿データの引渡しを求めることができるとされた事例