最も長い歴史をもつ判例実務誌
債権の差押と反対債権による相殺に関する最高裁大法廷判決 1 国税徴収法による債権差押と第三債務者の相殺権 2 国税徴収法による債権差押と第三債務者の相殺予約による相殺
免許を受けるべきであるにかかわらずこれを受けていない自動車運送事業の経営により得べかりし営業利益の喪失を理由とする損害賠償請求を認容した事例
賃借人が個人企業を会社組織に改め賃貸人の承諾なくして当該会社に賃借家屋を使用させている場合に民法第612条による解除権が発生しないとされた事例
1 自作農創設特別措置法第3条に基づく農地買収処分による国の所有権取得と民法第177条の適用 2 自作農創設特別措置法第11条の法意
不動産を取得した者が、第三者の関与を得ず一存で右第三者名義に所有権取得登記をなした場合、この第三者との間に取引関係に立った者との関係で民法第94条第2項の類推適用を認めた事例
1 被疑者として勾留中の債務者に対し、住所にあて郵便でなした債務履行の催告の効力 2 前項の場合における催告期間の進行
1 スキー場のパトロールに従事する者が滑降中にジャンプしようとする場合の注意義務 2 スポーツやゲームに参加する者と通常予測しうるような危険を受認することの同意 3 いわゆる使用者責任につき、選任監督に相当な注意をしたとの抗弁が排斥された事例 4 未婚の勤労女性の得べかりし利益の算定基準
1 同一の犯罪貨物について関税法第112条第1項の媒介と運搬の両罪の成立が認められた事例 2 関税法第118条第2項による追徴をする場合に犯罪貨物を取得した第三者を訴訟手続に参加させないことは憲法第31条、第29条に違反するか
1 外国人と憲法第14条第1項の平等原則 2 旧日米安保条約第3条に基づく行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例法6条、11条、12条の合憲性
1 いわゆる闘争手段としてのビラ貼り行為が建造物損壊罪、器物損壊罪を構成しないものとされた事例 2 建造物損壊罪並びに暴力行為等処罰ニ関スル法律違反の罪(器物損壊を内容とする)として起訴された事実を軽犯罪法第1条第33号に該当する事実と認定する場合と公訴の時効
暴力団に関係をもつ複数人による殺人被疑事件につき、被疑者が殺人の共謀をしたことを疑うに足りる相当な理由が認められず、殺人幇助の事実は認められるが、罪証隠滅及び逃亡のおそれがない、として勾留請求を却下した原裁判を、殺人の共謀をしたことを疑うに足りる相当な理由はあるが、罪証隠滅及び逃亡のおそれはない、として結局肯定した事例
1 バドミントン用「可塑物製羽子の構造」にかんする特許発明の解釈 2 強制実施許諾の審決と差止請求 3 特許権侵害と故意、過失 4 実施料算定の基礎となるべき卸売価格
1 ボール紙を数枚重合して成るチューブ焼付修理器の実用新案の技術的範囲 2 代表取締役個人の違約と会社の加担 3 個人会社と代表者との損益の関係 4 実用新案権侵害と会社の資産 5 会社の利益の減少と配当の額
相続人のある者が、遺産分割前に勝手に相続財産を処分したときは、その財産に代り同人に対する代償請求権が相続財産に属し、分割の対象となる
処分禁止の仮処分後に係争不動産の所有権を取得した第三者が、右仮処分命令の登記が抹消された後になした事情変更による仮処分取消申立の適否
不動産所有権移転債務を負う者が、当該不動産を将来相続人たるべき者に譲渡しその旨の登記手続を了した後に死亡した場合、当該相続人は右債務の履行義務を負うか
公共用財産である区民会館内の会館利用に付随して設けられたサロンにおいて喫茶、和洋軽飲食を提供する業務委託を受けた場合、借家法の適用があるか
判決正本の送達の際に、弁護士不在のため事務員が受領し、送達報告書に自己の署名捺印をせず、当該弁護士の記名押印をした場合における控訴期間の進行
当事者の申し出た金額およびその受領拒否の意向にとらわれずに、判決確定後一定期間内の金銭支払を条件として土地賃貸借解約の正当事由を肯認した事例
仮執行宣言付判決に基いて債権差押並に取立命令が発せられた後、右判決に対する上訴提起を理由にその仮執行を停止する旨の裁判の正本が執行裁判所に提出されたため、同裁判所により債権者に対して発せられた差押債権の取立を禁止する処分が該債権差押並取立命令に基づく取立訴訟判決の執行力に影響を与えるか
地上建物焼失後の土地に対する土地所有権にもとづく明渡請求権を被保全権利とする立入禁止仮処分について、特別の事情を認め木造建物の建築を許容した事例
1 約束手形の支払場所が支払地内に存在しない場合の支払場所の記載の効力 2 右の場合その支払場所においてした呈示の効力
支払停止直前に小切手支払資金を確保できると軽信して多額の商品を買受けその代金支払のため小切手を振出した取締役と商法第266条の3の責任
1 部隊行進中の旧警察予備隊所属自動車運転者の交叉点通過の際払うべき注意義務 2 演習におもむくための予備隊所属の自動車の部隊行進と国家賠償法第1条にいう公権力の行使
1 解約手附を授受した場合の売買代金と税法上の収入すべき権利確定の時期 2 第三者所有不動産の売買代金と税法上の収入すべき権利確定の時期
1 政党党首に対する殺人未遂の正犯に対し懲役3年、幇助犯に対し懲役2年の刑を言い渡した事例 2 殺人未遂の共同正犯の起訴に対し幇助犯と認定した事例
実父と後妻との婚姻届出がなされれば、後妻と事件本人との間に継親子関係が法律上生ずることになるとしても、これと養親子関係とはその法律効果において差異があるから、右の事情は、事件本人が後妻に対しなした縁組届出委託意思を認める妨げとなるものではないとした事例
未成熟子の養育費は婚姻費用(民法760条)の中に含まれるが、現在及び将来にわたる婚姻費用の給付請求は、扶養審判的性格を有する夫婦間の協力扶助審判によってこれをなすことができると解するのが相当である
婚姻費用分担請求事件において、婚姻関係を一層破局に追い込むことのなきよう考慮して分担額を一定限度にとどめて支払を命じた事例
父母と同居、生計を共にしている四男を申立人、長女と三男を相手方としてなされた扶養事件において、三男から父母に対し各月額1、500円の扶養料支払を命じた事例
遺言書に単に離縁を求める旨の記載しかないが、同遺言書作成の経緯からして、推定相続人をして相続財産を相続させない意思を有するものと認められるから、右遺言に基づく相続人廃除申立は適法であるが、相手方には未だ民法第892条所定の廃除事由がないとして結局申立を却下した事例
中国人夫婦離婚判決の際子の監護者を定めなかった場合は、離婚後においても、子の利益のため必要があるときは、監護人の選定の申立ができるとした事例
1 再度にわたる試験観察の経過をみると、もはや在宅の方法では保護は不可能と断ぜざるを得ないとして、少年を中等少年院に送致した事例 2 検察官から送致がないようにみえる事実であっても、1件記録中の司法警察員の追送致書に該事実が記載され、かつ、これを認めるに足る資料も揃っている場合には、家庭裁判所は該事実を審判に付することができるとした事例
1 ポリプロピレンの重合に用いられる触媒原料の異同と触媒の同一性および均等性 2 触媒の異同と利用関係 3 利用関係にかんする疎明責任 4 通常実施権者と補助参加の利害関係