最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Xは平成17年10月に有価証券の保有及び運用等を目的として設立され,インターネット・サービス事業を主たる事業としているA社がその発行済株式のすべてを保有している株式会社である。Yは放送法による一般放送事業等を目的とする株式会社である。A社は...
《解 説》
1 Yは,時計バンド等の製造販売を業とする株式会社であり,資本金10億7087万6000円,発行可能株式総数1200万株,発行済株式総数692万4000株であって,ジャスダックに上場している。
Yは,平成19年6月12日,取締役会において,普通株式350万株を1株につき182...
《解 説》
1 本件は,Xが,信用保証協会であるYに対し,Xが所有する建物(本件建物)にされている権利者をY,債務者をAとし,債権の範囲を保証委託取引とする根抵当権設定登記について,当該根抵当権(本件根抵当権)の被担保債権は存在しないと主張して,その抹消登記手続を求めた事案である。
これ...
《解 説》
1 本件は,妻と離婚訴訟中であった被告人が,妻の実母(義母)らを殺害する目的で,アセトン等から生成した,爆発性物質であるトリアセトントリパーオキサイド(TATP)相当量に,点火ヒーター,乾電池等を使用した起爆装置を接続して,これをファイルケースに収納し,更に同ケースを定形外郵便...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,一般旅客自動車運送事業等を営むタクシー会社である原告が,近畿運輸局長から,道路運送法40条に基づき,原告の事業用自動車14両につき4日間(平成17年8月15日から同月18日まで),1両につき9日間(同月10日から18日まで)の車両の使用停止処分(以下「...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,大阪市長が,都市計画法29条1項に基づき,訴外A株式会社に対してした開発許可処分及びその変更処分(以下「本件処分」という。)について,その開発区域(以下「本件開発区域」という。)の近隣で事業を営み,あるいは,本件開発区域に隣接する土地を共有する原告らが...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,建設業者Xが,普通地方公共団体である町(現在はY市)の新町長から公共事業について,入札参加の指名から排除されたことを理由に,Yに対し,国家賠償法1条1項にいう損害賠償を請求した事案である。
Y市では,旧町長時代に談合の疑惑が持ち上がり,選挙後の調査等...
《解 説》
1 事案の概要
(1) Y市では,その職員によって,4つの職員互助会(市長部局,教職員,地方公営企業〔交通,水道〕。特に断らない限り,まとめて「互助会」という。)が設立され,これらの互助会は,連合会を結成していた。
連合会及び教職員互助会は,平成5年及び平成8年に,組合員(...
《解 説》
1 群馬県勢多郡に属していた新里村(以下「村」という。)は,村内に昆虫観察館を中心とする「ぐんま昆虫の森」なる名称の施設を設置する事業(ぐんま昆虫の森整備事業,本件事業)に関し,群馬県(以下「県」という。)に対し,県が支出した用地取得費及び取得事務費に相当する額の金員を分割して...
《解 説》
Xはオペラ歌手として,平成11年以降,新国立劇場を経営するY財団法人との間で期間1年の契約メンバー出演基本契約を締結し,これに基づき,個別公演出演契約を締結していたが,Yから平成15年7月末日をもって契約関係を終了し,次シーズンの契約メンバー出演基本契約を締結しないと通知された...
《解 説》
1 本件は,被控訴人X(原審原告)が,執行力のある債務名義に基づいてAの控訴人Y(原審被告)に対する売買代金債権について差押命令を得た上,同命令に基づく取立てとして,Yに対して上記代金債権の残金1560万円の支払を求めた事案の控訴審であり,事実関係及び時的経過は,以下のとおりで...
《解 説》
本件は,テレビ局のニュース報道による名誉毀損及び肖像権侵害の成否が問われた事案であり,その経緯は,およそ次のとおりである。
Aは,心房中隔欠損症と肺動脈弁狭窄症を有しており,平成13年3月,B大学病院において心臓手術を受けたが,その際,Xは人工心肺装置の操作を担当した。Aは手...
《解 説》
1 本件は,Aが被告主催の南部アフリカ(南アフリカ共和国,ジンバブエ共和国,ボツワナ共和国)ツアーに参加してマラリアに罹患して死亡したところ,Aの相続人である原告らが,ツアーにおけるマラリアの危険性を告知する義務(情報提供義務)及びツアー後の注意喚起義務を怠ったと主張して,被告...
《解 説》
1 本件は,被告会社が建設を進めている産業廃棄物処理施設(管理型最終処分場。以下「本件処分場」という。)について,本件処分場の建設予定地の近隣に居住する原告らが,本件処分場から有害物質を含む浸出液が漏洩し,地下水に混入することにより,原告らが生活用水として飲用している井戸水が汚...
《解 説》
1 本件は,原告が,被告の設置・運営する大学付属病院(以下「被告病院」という。)において,左眼の黄斑部網膜上膜形成症に対する黄斑上膜手術(硝子体切除術・膜処理を含む)並びに白内障に対する超音波水晶体乳化吸引術及び人工レンズ挿入術を受けたところ,術前に1.2であった原告の左眼の視...
《解 説》
1 本件は,X(原告,控訴人)が,Y(被告,被控訴人)に対し,民法770条1項5号に基づき離婚を求めた事案である。
2 事案の概要は次のとおりである。
Xが妻であるYのXに対する言動及び9年以上に渡る別居の継続等を理由に,婚姻を継続しがたい重大な事由があるとして離婚を求めた...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,「多関節搬送装置,その制御方法及び半導体製造装置」について特許権を有する原告が,被告が製造販売する多関節搬送装置が上記特許発明の技術的範囲に属するとして,その製造等の差止め,損害賠償金の支払等を求めた事案である。
本件各特許発明に係る特許は,特許庁の...
《解 説》
1 本件は,Xが,①主位的に,自己が制作した人形作品(本件各人形)を被写体とする写真等が編集・掲載された書籍(本件写真集)の著作権はXに帰属し,Yに帰属しないにもかかわらず,Yが出版社からその著作権者として金銭を受け取った行為は,本件写真集の著作権侵害の不法行為を構成する,②予...
《解 説》
1 抵当権者が破産財団から放棄された破産会社の所有する不動産に係る当該抵当権(別除権)を放棄して一般の破産債権者として配当手続に加わるについては,破産会社の清算人に対して放棄の意思表示をすべきところ,本件は,抵当権者が破産会社の破産手続開始(但し,本件は旧法事案であるため,破産...
《解 説》
本件は,窃盗の一部について犯行を認めたが,強盗殺人及びその強盗行為によって得たキャッシュカードを使っての預金の窃盗及び窃盗未遂事件について全面的に争っている事件において,種々の状況証拠を総合し,被告人が強盗殺人をし,それで得たキャッシュカードを使って預金を引き出し,あるいは引き...