最も長い歴史をもつ判例実務誌
医師に対する業務停止6か月の処分につき診療所を再開することが困難になるとして全期間について執行(効力)停止が認められた事例
参議院地方区選出議員の定数配分規定(公選法別表第2)による定数配分は憲法の要求に反する状態になっているが、同制度の特殊性等をしんしゃくすると、是正のために若干の期間を認めることが相当なので、現時点で違法とすることは時期尚早であるとされた事例
自衛官は任用期間の満了と同時にその地位を失うものであり、かつ、継続任用は任免権者の裁量に委ねられているから、継続任用拒否処分に対し取消訴訟を提起することが許されないとされた事例
1 相手方会社に勤務中、クロム酸塩等の粉じん・ミスト・蒸気等を吸引し、あるいは、これに接触してきたため、肺癌等により死亡した者の遺族らが、相手方会社に対し民法709条に基づいて損害賠償を求める訴訟の救助申立につき、無資力を判定するに当り、原則として同居の家族が4人までの申立人につき年収300万円をもって、また、独身の申立人につき年収150万円をもって一般的基準とすることをもって相当と認めた事例 2 訴訟上の救助の要件である資力の判定につき家族の収入を合算することの可否(積極)
1 売買契約の買主及び目的物件を契約書に記載されたものとは別異に解すべきであるとした事例 2 不動産が二重譲渡された場合において、二重譲受人がその情を知っているだけでなく、いずれも株式会社である二重譲受人と譲渡人とがそれぞれの支配者である自然人を介してほとんど同一人格に近いと認められるときは、二重譲渡人は第1の譲受人の相続人の登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者にあたらないとされた事例
航空機修理請負契約に基づく整備飛行試験中における航空機の墜落事故につき請負会社の被用者である操縦士に重大な過失があるとして請負会社に対する債務不履行による損害賠償および違約金請求が認められた事例
先順位抵当権の設定登記後に設定された短期賃貸借の期間が、右短期賃貸借の設定後に設定された後順位抵当権の実行による差押の効力発生後に満了した場合には、先順位抵当権の関係で、右短期賃貸借は更新されず、期間満了により終了する
元本を金100万円とする消費貸借について、貸主が1ヶ月分の利息として金4万円を天引し、金96万円を借主に交付した場合における利息制限法所定の制限利率は、年1割8分ではなく年1割5分である
17才の息子が約1.5トンの船の操縦を過って、同乗中の女性を転落死させた事故について、2人を自宅に滞在させ本件船に乗せたまま現場を去った祖父と祖父に息子の監督をまかせきりにしておいた父母に監督義務のけ怠があったとして民法709条の責任を認めた事例
腎剔出手術後の出血性ショックを手術侵襲による ショックと速断し、その鑑別措置等を講じなかったため、患者を死亡するに至らしめた医師の過失が肯定された事例
1 商法204条ノ2第1項所定の譲渡承認および譲渡相手方指定請求を譲受人が自己の名においてなすことの適否(積極) 2 仮処分命令により選任された代表取締役あるいは取締役の職務代行者が本案事件の判決確定により退任した場合における商法258条1項、261条3項の適用の有無(消極) 3 有効な取締役会決議によらずかつ代表権消滅後の代表取締役職務代行者によりなされた商法204条ノ2第2項に基づく譲渡相手方指定通知の瑕疵が治癒され遡及して有効となったと認められた事例 4 商法204条ノ2第2項に基づく譲渡相手方指定通知の追認行為が代表取締役以外の取締役によりなされてもなお有効とされた事例 5 商法204条ノ3第2項所定の純資産額の算定にあたり税法上損金算入が認められる「証券取引責任準備金」「売買損失準備金」を積極財産から控除すべき消極財産に含めることの可否(積極) 6 商法204条ノ3第1項に基づいてされた現実の供託額が同条第2項所定の供託額に不足してもなお有効とされた事例
1 うつ病による自殺について保険者の免責を認めなかった事例 2 右の場合、うつ病の既往症について告知義務を認め、被保険者に重過失による告知義務違反を認めた事例
信用金庫取引約定4条4項により信用金庫が占有する手形をとめ置き、取立弁済に充当できる旨の特約は、割引依頼人が破産宣告を受けたときには破産管財人に対抗することができるか(消極)
併合審理された甲乙両罪のうち乙罪は第一審で無罪となり、甲罪は控訴審で無罪となった場合、乙罪に関する刑事補償につき控訴審裁判所も管轄裁判所であるとされた事例
市議会議長が市議会が議決機関であることに関連して事実上所管し、それ自体公務としての性格を有するいわゆる事実上の議決の議事に関して賄賂を収受すれば、収賄罪が成立する
被告人の惹起した交通事故により脳挫傷等の傷害を受けた被害者が、長期間の入院加療中に全身衰弱をきたし、ために肺結核症を再燃させて死亡した場合において、被告人の過失行為と被害者の死亡との間に刑法上の因果関係を認めた事例
業務上過失致死事件において、結果発生に至る因果の過程に第三者の行為が介在したか否かの事実について、訴因と認定事実との間で実質的に差異を生じるときは、訴因変更手続が必要である
刑訴法328条の弾劾証拠には、いったん弾劾証拠により減殺された供述証拠の証明力を回復するための、いわゆる回復証拠も含まれるか(積極)
ピアノ塾教師が、出火の際、レッスン場にいた児童3名の避難誘導を直ちにしなかった重過失により右3名を死亡させ、禁錮刑の実刑に処せられた事例