判例タイムズ

最も長い歴史をもつ判例実務誌

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判例タイムズ No.956


  • シンポジウム 新民事訴訟法の運用-集中証拠調べを中心として

    中本和洋    西口元    高橋宏志    園尾隆司    竹田真一郎    藤村啓    住吉博    坂元和夫    福原敦   

    引用形式で表示 総ページ数:54 開始ページ位置:4
  • 《解  説》
     一 昭和六〇年七月二六日、長野市郊外の地附山(標高七三三メートル)の南東斜面において大規模な地滑りが発生し、下部山腹にあった老人ホーム及び湯谷団地に流下した土砂により死者二六名、重軽傷者三名、全壊家屋五〇棟、半壊家屋五棟、一部損壊家屋九棟の被害が発生した。同団地内に土地、家屋、...

    引用形式で表示 総ページ数:85 開始ページ位置:58
  • 最高二小平9.10.17判決

    《解  説》
     一 本件は、日本人である夫Bと婚姻関係にあるが二年以上前から別居中の韓国人であるAの子として出生した甲が、出生の約三箇月後にBとの間の親子関係不存在確認の調停を申し立て、その約半年後で右親子関係の不存在を確認する審判が確定した一二日後に、日本人である実父Cが甲を認知し、Aが甲の...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:143
  • 最高三小平9.9.30判決

    《解  説》
     一 事案の概要
     本件は、徳島県板野郡吉野町の住民である原告らが、町議会議員等によるタイ及びシンガポールへの四泊五日の研修旅行の議員研修旅費及び交際費の支出につき、本件旅行は一般の観光ツアーにすぎず、行政視察ないし研修に当たらないので、公金支出は違法であるとして、旅費等を受け取...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:147
  • 最高一小平9.9.4判決

    《解  説》
     一 Y証券会社の当時のM支店長は、顧客であるXに株式買付けを勧誘するに当たり、「株価は必ず上がる、もし損失が出たら穴埋めをする」というように、いわゆる断定的判断の提供と損失保証を手段とする勧誘を行った。Xは、これを信じて株式の買付注文をしたが、その後株価が下落し、三〇〇〇万円を...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:149
  • 最高一小平9.4.24判決

    《解  説》
     一 本件は、被告証券会社Yの従業員が原告Xに年一五%(後に年九%に引下げ)の利回り保証の約束をして株式等の取引を勧誘し一連の取引をさせた結果、Xに八〇〇〇万円をはるかに超える損失が生じた事案である。Xの本件請求は、Yに対し、運用のために預託した金員の返還(第一次請求)や不法行為...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:155
  • 最高一小平9.4.10判決

    《解  説》
     一 本件は、未成熟子を連れて別居し単独で子の監護に当たっている妻から夫に対する離婚訴訟である。控訴審は、妻の離婚請求を認容し、子の親権者を妻と定めるなどしたほか、夫に対し、別居の翌月から子が成年に達する月までの期間における子の監護費用(養育費)の支払を命じた(毎月ごとの定期給付...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:158
  • 最高三小平9.9.9判決

    《解  説》
     一 本件は、主債務者が破産宣告を受けた後に破産債権を代位弁済した連帯保証人X(信用保証協会)が、主債務者の求償債務を連帯保証したYらに対し、その履行を求めた事案である。本件の争点は、原債権が破産債権として届け出られ、これを代位弁済したXが破産裁判所に届出名義の変更の申出をした場...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:160
  • 《解  説》
     一 本件は、わが国に在留する韓国・朝鮮人(永住者たる地位を有する者)である原告らが、被告国に対し、(一)地方公共団体の長及び議会の議員の選挙権・被選挙権(地方参政権)を有することの確認、(二)地方参政権の行使を可能にする立法措置を講じないことが違憲であることの確認、及び(三)地...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:163
  • 《解  説》
     一 原告は平成元年度の京都府知事交際費に関する公文書の公開を請求したところ、知事は資金前渡金受払表を支出相手方の記載部分を除いて公開した。原告は支出相手方部分を非公開とした処分の取消しを求めて訴えを提起した。一審京都地裁は、非公開の部分のうち、支出相手方が購入業者であるものの公...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:172
  • 《解  説》
     本件生徒は、中学一年生であったが、学校における定期健康診断で心電図検査を受け、要再検査と指示され、その後本件二次検診を受けたところウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群(WPW症候群)・経過観察と診断された。しかし、右診断結果は中学校から保護者には通知されなかったところ、本件生...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:177
  • 《解  説》
     一 事案の概要
     本件は、訴外呉服販売会社(以下「A社」という。)及びその関連会社から、A社を契約者、その取締役(以下「B」という。)を被保険者、A社及びその関連会社等を保険金受取人として締結した一連の生命保険契約のうち六件の生命保険契約(以下「本件各契約」という。)に基づく保...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:182
  • 《解  説》
     YはXから三階建て居宅兼店舗の一部を賃借していたが、平成七年一月に発生した阪神・淡路大震災により右建物が倒壊した。右建物の所在地は、同年三月、震災復興土地区画整理事業に関する都市計画事業の施工区域に指定された。Yは同年四月、Xに対し、罹災都市借地借家臨時処理法二条に基づき借地権...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:190
  • 福岡高宮崎支平9.3.12判決

    《解  説》
     一 Yは、平六年一月九日自動二輪車運転中、A運転の貨物自動車に追突・転倒して、右下肢脱臼開放骨折等の傷害を負い、Xの病院に四月一五日まで入院・治療した。Xは、YX間の診療契約は健康保険診療基準によらず自由診療にする旨の契約であったとして、診療費を請求した。Yは、その母Bが、Xに...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:193
  • 名古屋地平8.12.18判決

    《解  説》
     A社(後に破産宣告があり、破産管財人にXが就任した)は平成七年一月三〇日Y銀行に普通預金口座を開設し、翌三一日午後二時四五分Z銀行の普通預金口座からY銀行の右普通預金口座に一五三五万円を振り込んだ。しかし、Z銀行は、A社の支払手形決済のために右振込を取り消し、取消しについてA社...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:200
  • 《解  説》
     Xは、指定場所一時停止違反により警察官から交通反則告知を受け、反則金相当額七〇〇〇円を仮納付した。県警本部長は道交法一二九条二項の公示通告を行い、これにより右仮納付は同条三項に基づき反則金の納付とみなされた。Xは、その後、違反場所にあった一時停止の標識が道路標識、区画線及び道路...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:204
  • 《解  説》
     一 Xは、北海道苫小牧市内において、冷蔵庫の販売・修理業をし、創価学会の地区部長の地位にあるものであるが、「週刊新潮」平成六年九月一日号において、Xが自動車運転中に日蓮正宗の僧侶を衝突死させた旨の記事を掲載し、右雑誌の広告を全国紙等に掲載したことにより、一般読者に対し、創価学会...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:208
  • 《解  説》
     Xは、Yから店舗を賃借し(公正証書が存在する)、高級下着、高級雑貨等の販売店を経営していたところ、Yが、右賃貸借契約は終了したと主張して、平成元年八月、右公正証書に基づき、「昭和六二年六月七日から平成元年八月六日まで一か月五〇万円の割合による損害金の内金五〇万円」を請求債権とし...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:216
  • 《解  説》
     一 Xらは、昭和六一年五月から、三重県上野市の「上野ニュータウン」内に居住する夫婦であるが、個人または会社名義で建物の解体工事等を業とするYらが、昭和六二年ころから、右ニュータウンから約四七〇メートル離れた所有地に建物解体の際に排出された建設廃棄物を搬入して、産業廃棄物の野焼き...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:221
  • 《解  説》
     一 本件は、死亡した乳児の両親X1、X2が、被告市Y1及び市立病院の産婦人科医Y2に対し、出産後、乳児が死亡したのは、Y2の過失が原因であるとして賠償を求めた事案である。
     X1は、第三八週目の定期検診を受けた際、Y2から直ぐに入院するよう指示され、午後三時ころ入院した。Y2は...

    引用形式で表示 総ページ数:11 開始ページ位置:229
  • 《解  説》
     一 ダウン症は、何らかの原因により二一番染色体の過剰(トリソミー)を起こした生殖細胞が受精に関与したために生じた先天性異常であり、筋緊張の低下、奇形、知能発達の遅れ等を特徴とする。
     二 近年、胎児異常の原因についての知識と診断技術が進歩し、ダウン症候群をもつ胎児に対しても、羊...

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:239
  • 《解  説》
     X男とY女は、昭和四八年五月に婚姻した夫婦であり、平成二年一二月以降、Yが子を連れて家を出て以来、別居していたものである。
     XはYに対し、悪意の遺棄を理由に離婚、慰謝料及び財産分与を求めて出訴したところ、YもXに対し、婚姻関係の破綻を理由に離婚、慰謝料及び財産分与を求めて反訴...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:248
  • 《解  説》
     一 平成六年四月一八日の早朝、X会社の経営にかかる店舗で火災が発生し、、右店舗とその店舗内の什器備品等が焼失したので、X会社は、店舗総合保険契約等を締結していたY(保険会社)に対し、保険金を請求した。
     これに対し、Yは、右火災は、X会社の代表者の故意又は過失により発生したもの...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:252
  • 《解  説》
     一 Xは、上段に「BIO」、下段に「ビオ」を配した登録商標(指定商品・香料及び他類に属しない化粧品)及び「BIO」なる登録商標(指定商品・化粧品及び香料類(ただし董料を除く))の商標権者であるところ、Yは、「ナルド ビオクリーム」、「NARD BIO CREAM」等の別紙標章目...

    引用形式で表示 総ページ数:12 開始ページ位置:256
  • 《解  説》
     一 Xは、写真植字機及びそれに使用する書体等の制作、販売等を目的とする会社であるが、昭和五〇年、タイプフェイスデザイナーのAに委託して「ゴナU」と呼ばれるゴシック書体を制作させ、写真植字機用文字盤(アナログフォント)として販売し、昭和六一年にはフロッピーディスク(デジタルフォン...

    引用形式で表示 総ページ数:20 開始ページ位置:267
  • 《解  説》
     一 事案の概要
      (一) 原告と被告は婚姻していたが、昭和六二年四月三〇日、アメリカ合衆国コネティカット州の裁判所の判決(以下、「コネティカット判決」という。)により離婚した。コネティカット判決には、原告の被告に対する扶助料の支払義務について、被告が生存し、かつ、再婚するまで...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:286
  • 《解  説》
     Xは、平成六年一二月二六日、Y(株式会社)が債務超過の状態にあるとして破産申し立てをした。第一審は、同八年三月二六日、Yが債務超過の状態にないことを理由にXの破産申立てを却下する決定を下した。Xが右決定に即時抗告を申し立てたところ、抗告審は同年七月一九日、第一審の決定を不当であ...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:291
  • 《解  説》
     一 事案の概要
     原告は、大阪地方裁判所において破産宣告を受けたO(以下「破産者」という。)の破産管財人である。破産者は、昭和四〇年ころから大阪市中央区千日前において料亭「××」等を経営していたものである。
     破産者は、昭和六二年ころから、金融機関からの借入金によって巨額の株式...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:295