判例タイムズ

最も長い歴史をもつ判例実務誌

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判例タイムズ No.953


  • <座談会>新民事訴訟法の下における弁護士の活動

    加藤新太郎    高橋宏志    山浦善樹    酒井正之    松森宏   

    弁護士の意識改革・業務改善のあり方を探る

    (司会)加藤新太郎

    引用形式で表示 総ページ数:33 開始ページ位置:4
  • 共有物分割訴訟と全面的価格賠償について

    奈良次郎   

    引用形式で表示 総ページ数:24 開始ページ位置:37
  • アメリカの懲罰的損害賠償判決は日本では執行できない

    藤田泰弘   

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:61
  • ゲオルグ・レナーツ   

    日本の手本となりうるか?

    引用形式で表示 総ページ数:16 開始ページ位置:68
  • <ブック・レビュ->最高裁判所事務総局民事局 監修 『新しい民事訴訟の実務一事例に即した解説を中心として-』

    春日偉知郎   

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:84
  • 最高一小平9.9.4判決

    《解  説》
     一 本件は、法律行為に係る公正証書作成の際の法律行為の内容の適法性に関する公証人の審査権、審査義務について、最高裁として初めての判断をしたものである。
     原告は、公正証書の内容の法令違背につき公証人に過失があるとして国家賠償を求める。本件公正証書は、K協同組合を債権者、A(原告...

    引用形式で表示 総ページ数:11 開始ページ位置:86
  • 最高三小平9.7.15判決

    《解  説》
     一 本件は、執行官の現況調査の過誤を理由とする国家賠償請求事件である。
      1 本件土地(面積約五万四〇〇〇㎡の山林)につき不動産競売手続が開始され、現況調査が命じられた。現況調査を担当したA執行官は、地元の町役場職員の指示説明に基づいて調査の対象となる土地を特定し、現況を調査...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:96
  • 最高三小平9.7.1判決

    《解  説》
     一 本件ゴルフ場は昭和四八年にA社により開設され、原告らはA社との会員契約(預託金五〇万円程度)に基づく個人正会員であった。昭和六二年九月にB社はA社から、平成四年三月に被告はB社から、それぞれ本件ゴルフ場の営業を譲り受け、会員に対する権利義務を承継した。B社及び被告は、A社時...

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:99
  • 最高一小平9.7.17判決

    《解  説》
     一 東京高判昭58・6・28本誌五〇二号一〇〇頁は、遺留分権利者が受遺者に履行済の遺贈の取戻しを請求したところ、受遺者が弁償すべき価額の確定をも求める趣旨で価額弁償の意思表示をしたという本件と同類型の訴訟について、本件原判決と同様の「受遺者は遺留分権利者に対して移転登記手続をせ...

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:108
  • 《解  説》
     一 外国人Xは、日本人と婚姻し、「日本人の配偶者等」の在留資格(本件在留資格)で本邦に在留していたが、平成六年七月から妻と別居状態となっている(本件訴訟の口頭弁論終結時においても、妻がXに対して提起した婚姻訴訟が係属している。)。Xは、平成七年三月、本件在留資格に係る在留期間の...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:110
  • 《解  説》
     Xは、昭和五三年四月、Y市教育委員会により同市立A養護学校教諭に補せられた者であるが、その後一四年経過した平成四年四月一日付けでYより市立B養護学校教諭に補する旨の転任処分を受けた。Xは、右処分はXの思想、信条の自由を害し、教育権を侵し、裁量権を濫用するものであり、手続的にもX...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:115
  • 《解  説》
     一 X(大正四年五月生)の長男A(昭和一一年八月生)は、偽造したXの印鑑を新たに印鑑登録し、その登録証明書を利用してXの土地を無断で売却しようと企て、平成二年一〇月、東松山市役所に赴き、まず、Xの代理人として、Xの住民票の住所を変更したうえ、Xの印鑑登録廃止申請書、印鑑登録証亡...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:121
  • 《解  説》
     一 本件訴訟に至る経緯は、次のとおりである。
     日本政府は、昭和天皇の御在位六〇年を記念して、記念貨幣を製造・発行したが、発行された記念貨幣には、一〇万円記念貨幣(天皇金貨)・一万円銀記念貨幣・五〇〇円白銅記念貨幣・五〇〇円白銅貨幣の四種類があり、このうち昭和六〇年銘の天皇金貨...

    引用形式で表示 総ページ数:13 開始ページ位置:127
  • 《解  説》
     一 XはAとの間で、①②③の土地及びこれらに付随する道路についての売買契約を締結したが、Aは売主としての移転登記義務の履行を怠ったため、Xは違約損害金請求権に基づきA所有の④の土地につき仮差押えの執行をした上、本案訴訟を提起して勝訴判決を得た(Aからの控訴が棄却されて確定)。と...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:139
  • 《解  説》
     一 本裁判例は、X(消費生活協同組合、いわゆる生協)の酒類販売業免許申請に対し、Y(税務署長)がした拒否処分の取消請求に関するものである。酒税法(以下「法」という。)九条一項は酒類の販売業について免許制を採用しており、同法一〇条は免許の要件を定めているところ、同条一一号(酒類の...

    引用形式で表示 総ページ数:14 開始ページ位置:146
  • 《解  説》
     一 XらはA(平成二年二月一日死亡)とその内縁の妻との間の子である。Xらは、Aの本妻Bが、Aの相続財産ではなくB固有の財産であるなどとして所有権確認等の訴えを提起していた係争物件(以下「本件物件」という。)を、Aの相続財産に含まれるものとして計上し、相続税の申告をした。そして、...

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:159
  • 《解  説》
     一 Aは飲食店で行われた、会社の管理者としての経営知識の修得等を目的とする管理者会と呼ばれる会合に出席した後、自転車で帰宅する途中、転倒して死亡した。本件は、Aの妻であるXが、Aの死亡事故は労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という。)上の通勤災害に該当するとして、Y(労働...

    引用形式で表示 総ページ数:12 開始ページ位置:169
  • 《解  説》
     本件は、勤務場所の変更を命じる配転命令に従わず、それを理由に懲戒解雇された従業員が、配転命令及び懲戒解雇の無効を主張して、旧勤務場所に勤務する労働契約上の地位の確認とバックペイの支払を請求したものである。すなわち、原告(独身女性)は、被告から平成五年二月八日に同年三月一五日付け...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:180
  • 《解  説》
     一 本件の事案は複雑であり詳細は判文に譲るが、概略は次のとおりである。Z(Yに補助参加)は、Xが所有する本件土地の付近一帯の地上げをしており、その一環として、Xに対して複数の土地の買取りを申し入れ、以後X代表者の従兄弟であるAがXの窓口となった。Aは、一帯が公図混乱地域であった...

    引用形式で表示 総ページ数:13 開始ページ位置:186
  • 《解  説》
     一 Xら(父子)は、その所有の本件土地の一部をA社に売買することになり、平成四年一二月二八日Xら宅でその旨の売買契約を締結したが、その際に、立ち会ったY社従業員Bらにいわれるままに、本件根抵当権設定契約証書、担保提供承諾書、登記委任状に署名押印した(ただし、押印はBにおいてした...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:198
  • 《解  説》
     一 Xは弁護士であるが、Yから、Yの祖母が死亡したことによる遺産分割事件につき他の共同相続人との交渉等にあたることの依頼を受け、これを受任した。その際、XはYとの間で、着手金を免除する代わりに成功報酬はYが得た経済的利益(不動産の場合は実勢価格による。)の六パーセントとすること...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:204
  • 《解  説》
     一 事案の概要
     被告は、所有する建物にプールその他のスポーツ施設及びその関連施設を設置、所有し(以下右建物を含めて「本件施設」という。)、スポーツクラブを開設してその運営・管理を行っていた(以下「本件スポーツクラブ」という。)。原告は、右スポーツクラブに個人正会員として入会し...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:208
  • 《解  説》
     一 本件は、ワラントを購入した顧客Xが、証券会社Yの社員Aにより違法な勧誘行為等(断定的判断の提供、虚偽または誤解を生ずる表示、仕切り拒否など)があったと主張して、Yに対し、損害賠償を求めたところ、Yは、X主張の違法行為を否認し、また、Xの職業、証券投資歴などを根拠に勧誘行為と...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:215
  • 《解  説》
     一 人気漫画家であるXは、Y1の発行する月刊誌に掲載された「Xのチーフアシスタント(『らんま1/2』の作画、ペン入れをほとんど担当、Xの影武者ともいわれている)」との記事は、読者にXの名で発表されている漫画が、真実はXではなく、アシスタントの作によるものであるとの印象を与えるも...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:222
  • 岐阜地御嵩支平9.3.17判決

    《解  説》
     一 Xは、平成元年一一月に観光ビザで来日した日系ブラジル人であり、その後、在留期間の延長許可や在留資格の変更などして岐阜県内の会社で勤務していた者であるが、平成五年一〇月一三日、自動二輪車を運転して会社に出勤する途中、岐阜県可児市内の交差点において、Yの運転する普通自動車と衝突...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:224
  • 《解  説》
     一 訴外Aは、平成四年一月一〇日、胃癌のためYの開設する「中国労災病院」に入院し、同年二月六日、同病院において胃亜全摘術を受けたが、その後、縫合不全、腹腔内膿瘍、MRSA感染を起こし、これを治癒する間に穿孔が生じ、それが原因となって腹腔内出血が発生し、同年六月一三日、頻回の出血...

    引用形式で表示 総ページ数:13 開始ページ位置:229
  • 《解  説》
     一 X1とX2の子A(平成二年一月生)は、平成四年五月三日、室内で遊戯中に椅子から落ち、前頭部を打ちつけ、二日後に発熱、嘔吐などの異常症状がみられたため、同月五日、松戸市立病院に赴き、小児科のB医師の診察を受けたが、熱性けいれんと診断され、解熱剤等の投与を受けて帰宅した。
     し...

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:241
  • 《解  説》
     一 X1は、昭和五八年八月一三日、国立別府病院において、腹式帝王切開により第一子を分娩したが、分娩前に子宮が破裂したため、右第一子は出産前に死亡してしまった。
     そこで、X1とその夫X2は、担当医師には、分娩誘導の適応の有無を考慮しないで、漫然と、陣痛促進剤を投与し、かつ、過強...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:250
  • 《解  説》
     一 本件本案訴訟は、いわゆる大和銀行株主代表訴訟(第一次訴訟)で、大和銀行ニューヨーク支店の行員らが、過去一一年間、無断取引を繰り返し、会社に約一一億米ドルの損害を発生させ、しかも、その損失を隠すため帳簿類の偽造、虚偽記載など行ったことで、大和銀行は、刑事訴追を受け、司法取引に...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:255
  • 《解  説》
     一 本件は、原告がした特許権の存続期間延長登録出願を、被告が不受理処分にしたため、原告が、右不受理処分の取消しを求めた事案である。
     すなわち、特許権者である原告は外国法人であり、原告の子会社の日本法人が、実施権の設定を受け、平成二年六月二九日、本件特許発明の実施品である医薬品...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:263
  • 《解  説》
     一 本件は、平成六年法律第一一六号(以下「改正法」という。)による法改正の結果存続期間が延長された特許権の特許権者である原告が、特許権の存続期間が延長された期間中に、右特許権の技術的範囲に含まれる製剤を製造、販売している被告らに対し、その製造頒布の差止を求めた事案である。被告ら...

    引用形式で表示 総ページ数:14 開始ページ位置:267
  • 《解  説》
     一 被告は大手の消費者金融業者であり、原告らはその利用者であった者である。
     二 原告らは、それぞれ、昭和六三年から平成元年にかけて被告との間で、限度額を定めた包括的融資契約を締結し、その後、借入及び返済を繰り返してきた。
     右借入及び返済は、被告の店頭において行われたものもあ...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:280
  • 《解  説》
     建物の区分所有等に関する法律(以下「法」という。)は、区分所有者の権利義務として、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない旨を定め(六条一項)、これを、区分所有者以外の専有部分の占有者にも準用している(同条三項)。区...

    引用形式で表示 総ページ数:12 開始ページ位置:287
  • 東京地八王子支平9.3.14判決

    《解  説》
     Xら三一二七名は米軍の使用する横田基地周辺の住民であるが、基地飛行場から離発着する航空機からの騒音の発生がXらの人格権等を害すると主張し、米国(Y)を相手に毎日午後九時から午前七時までの間の航空機の離発着の差止め、起訴時までの損害賠償及び起訴の翌日から六〇ホンを越える航空機騒音...

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:298
  • 《解  説》
     債権者が、債務者の預金債権を差し押さえる場合には、実務上取扱店舗を特定して差押命令を発している(東京地裁民事執行実務研究会・債権執行の実務一六七頁、東京地裁債権執行等手続研究会・債権執行の諸問題五七頁参照)が、債務者が同一金融機関の複数の支店ないし本店に預金債権を有している疑い...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:299