最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 本件は、昭和四〇年代半ばに頻発した爆弾事件のうち、未遂に終わったものの、警察要人を狙った初めてのテロ事件として社会的に注目された警視総監公舎爆破未遂事件(総監公舎事件)について、無罪判決を受けた被告人らが、警察官の捜査や検察官の捜査指揮等が違法であると主張して、国、東京都等...
《解 説》
一 本件は、短期滞在(観光目的)の在留資格で入国しながら製本会社Y1で就労し、在留期間経過後も残留して同社で就労中に、右手人さし指を製本機に挾まれその末節部分を切断するという事故に遭ったパキスタン人Xが、Y1に対し安全配慮義務違反を理由に、また、現場で作業命令をする立場にあった...
《解 説》
一 Y信用組合は、Aとの間で、平成三年六月一四日、信用組合取引契約を締結したが、Aは、平成四年三月二五日、自己を引受人とし、Y信用組合B支店を支払場所とする金額三六五六万五〇〇〇円の為替手形を資金不足を理由に不渡りにした。Y信用組合は、Aが右為替手形を不渡りにしたことを知って、...
《解 説》
本件は、平成元年六月一一日行われた「安保も天皇制もいらない六月共同行動」に参加したXら七名が警視庁機動隊員による検問等を違法としてY都に対し、国賠法一条一項に基づき損害賠償等を求めた事案である。Xらの主張によれば、X1ないしX3は、右共同行動の主催者で、本件検問に対応したため集...
《解 説》
Xの夫Aは昭和四二年以来バス会社に勤務し、観光バスのいわゆるスペア運転手(代替要員)として観光客を乗せたバスを長距離運転していた者である。Xは、昭和六三年二月二〇日バスを運転中に左手のしびれを発症し、高血圧性脳出血(右視床部出血)と診断され、左半身麻痺の後遺症を残したため、Y労...
《解 説》
一 本件は流産の事案で、三年前に頚管開大による切迫早産で入院の経験があるX(他に、その夫も原告となっている。)は、昭和六三年秋以降、第二子出産のため、Y1病院を受診し、一〇月、一一月と診察を受けていたが、妊娠二一週に当たる一二月一四日に頚管開大、胎胞突出と診断され、経過観察中の...
《解 説》
1 亡Aは、昭和六二年八月当時、五七歳で全盲状態であったが、その目の手術に先立ち、血液中のアルブミン値改善の目的で被告Yが運営する東京大学医学部附属病院に入院していたところ、肺に気胸及び細菌性肺炎を発症し、一時はかなり良くなったものの、一二月に至って「敗血症性ショックによる循環...
《解 説》
一 訴外A(昭和九年生)は、昭和六二年四月から、有限会社の代表者として、不動産に関するコンサルタント業務に携っていた者であるが、平成五年五月二一日、業務のため米国ロサンゼルスに赴き、ビバリーヒルズ市内のホテルに滞在・宿泊していたところ、同月二三日深夜、客室のバルコニーからその真...
《解 説》
一 本件は、幼少時から病弱で、重篤なジル・ド・ラ・トレット症候群(以下、トレット症候群という)に罹患したため、学習障害が生じ、性格(情緒)面が著しく未発達の状態で、家庭内暴力や自傷行為を繰り返してきた二一歳の被告人が、それまで被告人の面倒を見てきた母親が入院して母親と隔絶され、...