最も長い歴史をもつ判例実務誌
建坪17坪7合5勺の住宅の賃借人が、その敷地内に賃貸人の承諾なくして建坪5坪の工場を建築し、プラスチックの板加工作業をすることは、賃借人の賃借物保管義務に違反する。
1 民訴法第750条第4項後段所定の仮差押動産の換価命令に対して不服のある当事者は、まず民訴法第544条第1項により異議の申立をすべきであって、それをせずに直ちに換価命令に対し抗告をすることはできない。 2 執行裁判所は民訴法第750条第4項所定の事由がないかぎり、執行吏の選んだ保管場所が雨漏りその他の理由で不適当であるというだけでは換価命令を発すべきではない。
1 金銭債権に対する強制執行において、第三債務者が債務額を供託した場合と配当要求の時期。 2 金銭債権に対する強制執行において第三債務者が債務額の一部を供託した場合と配当。
1 「社宅を与える」という用語の解釈。 2 会社が従業員を社宅に居住させるにあたり、修繕費は会社で負担し、賃料使用等は徴収せず、ただ建物の固定資産税及び敷地の地代を借主たる従業員の負担と定めた場合は、その使用関係は通常の賃貸借ではなく、その使用は会社の従業員たる身分を保有する期間に限られるものと解すべきである。
1 刑事訴訟法第201条第2項の準用する同法第73条第3項に「いわゆる急速を要するとき」にあたる一事例。 2 右法条による逮捕手続として被疑者に対し、単に罪名及び逮捕状が発せられている旨を告げたのみで被疑事実の要旨を告げずになされた逮捕と公務執行妨害罪の成否。
1 関税法第118条第2項の法意(同項の追徴は本質的に「不正の利益の存する場合に、不正の利益の限度内において為さるべきもの」との前提に立つ解釈は誤りであるとした事例) 2 右条項の追徴は犯罪貨物の売買者に格別に為されるものとした事例。
遠隔の地に居住する立候補者後援会の連絡委員に交通費として金員を交付することが公職選挙法違反となるか否かにつき、弁護士に法律上の意見を求めたところ、違反とならない旨の報告に接したので右趣旨の金員を交付した所為に対し、犯意の成立には違法の認識を必要しないとして犯意の阻却を認めなかった事例。
1 一楝の家屋の全部に関する明渡の債務名義と一部明渡執行の許否。 2 右債務名義による家屋の一部明渡完結と強制執行の取消。
進路前方の道路交叉点左端で幼児(当5年)を同伴したおとなが、車馬の通過を待避している姿勢でたたずんでいるのを発見した場合の自動車運転者の注意義務
1 刑訴法第91条にいわゆる「勾留による拘禁が不当に長くなったとき」の意義 2 右「勾留による拘禁が不当に長くなったとき」に当らない一事例
1 所得税法第3条の2は条理としてのいわゆる実質課税の原則に関する確認規定か 2 条理としてのいわゆる実質課税の原則による所得の判定と罪刑法定主義との関係 3 所得税法第69条第1項の罪は身分犯か 4 企業組合の法律的性格 5 所得税法第69条第1項の不正行為の一事例 6 所得税法第69条第1項の罪の成立と税務官吏の錯誤の要否
1 農林漁業金融公庫法による貸付金につき消費貸借契約の成立する時期 2 農林漁業金融公庫法により受託金融機関の所定口座に振り込まれた預金の欺罔行による払出と詐欺罪の成立
商法第14条の適用ありとせられた一事例 代表権ある取締役が自らの名を以ってせず、他の代表取締役名義で振り出した手形の効力。