判例タイムズ

最も長い歴史をもつ判例実務誌

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判例タイムズ No.874


  • 座談会「韓国における民事訴訟の実際と課題」

    加藤新太郎    高橋宏志    吉川愼一    中東基    李均龍   

    引用形式で表示 総ページ数:28 開始ページ位置:4
  • <民事鑑定を考える10>起訴前鑑定の導入による和解の促進

    木川統一郎    生田美弥子   

    引用形式で表示 総ページ数:15 開始ページ位置:32
  • 継続的契約の無効と原状回復の範囲

    後藤徳司   

    保険契約における既払保険料を中心として

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:47
  • 仮谷さん誘拐に端を発した捜索・押収の合理性を熟考しよう

    渥美東洋   

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:51
  • <展望判例法 刑法21>猥褻物と猥褻情報

    塩見淳   

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:58
  • <特別刑法判例研究20>社会保険庁シール入札談合事件

    高橋則夫   

    東京高裁平成5年12月14日第三特別部判決(判タ840号81頁)

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:63
  • <商事法研究29>株主の会計帳簿閲覧請求権の意義とその限界

    西山芳喜   

    厳格説の立場から

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:68
  • <銀行実務と民事裁判342>不動産譲渡担保における最近の判例法理の問題点

    吉田光碩   

    最三小判平6・2・22(民集48巻2号414頁)を素材に

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:74
  • <ドイツの弁護士判例から2>ファックスで送信された告訴状が告訴期間内に提出されたものと認められなかった/認められた事例

    柏木邦良   

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:81
  • 《解  説》
     一 本件は、非嫡出子が住民票の続柄欄に「子」と記載され、嫡出子と差別されていることは憲法一三条、一四条、国際人権規約B規約二四条等に違反すると主張して、母X1及び認知した父X2が市長Y1に対し、住民票の続柄欄の記載処分の取消しと差別のない住民票の発行(無名抗告訴訟)とを求め、さ...

    引用形式で表示 総ページ数:12 開始ページ位置:82
  • 《解  説》
     一 本件は、外資系の航空会社である債務者の従業員らが、その日本支社の事業再編・縮小等の合理化により解雇されたことから、その解雇が無効であるとして、地位保全及び賃金の仮払いを求めた事案である。
     本件合理化の内容を一言で言うならば、エア・ホステスを含めて一四〇名の従業員がいた日本...

    引用形式で表示 総ページ数:26 開始ページ位置:94
  • 最高三小平7.2.21判決

    《解  説》
     一 富士宮市の住民であるXが、富士宮市が、富士根畑そう土地改良区(以下「Y1」という。)に対し、平成元年度土地改良事業にかかわる人件費補助として交付した金員の支出に関し、Y1の事務局長Aは、Y1の事業の執行に当たり、①職務専念義務を果たしていない、②Y1の目的に適合しない道路の...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:120
  • 最高一小平7.2.9判決

    《解  説》
     一 Yは、印刷業を営む合資会社であり、いわゆる同族会社である。Xは、Yの当初の無限責任社員Aの二女であり、昭和三三年一〇月から事務員としてYに勤務し、昭和五五年一一月から総務部長兼経理部長となり、昭和五六年三月ころからは「専務取締役」の名称を用いて事実上の社長として振る舞ってい...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:123
  • 最高二小平7.1.30判決

    《解  説》
     一 被告A運転の自動車と被告B運転の自動車が交差点内で衝突し、被告B車の助手席に同乗していた原告らの子が死亡したので、相続人である原告らが被告らに対して損害賠償を請求した事案である。被告Bの締結した自家用自動車保険契約中の搭乗者傷害保険に基づく死亡保険金一〇〇〇万円が保険会社か...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:126
  • 最高三小平7.1.24判決

    《解  説》
     一 特定の不動産を特定の相続人Xに「相続させる」趣旨の遺言があった場合には、原則として、右遺言は遺贈ではなく遺産分割方法の指定であり、右不動産は、被相続人の死亡の時に直ちに(遺産分割の協議・審判を経ることなしに)相続によりXに承継されるとするのが判例(最一小判平3・4・19民集...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:130
  • 最高二小平7.1.20判決

    《解  説》
     1 最一小判昭61・2・20民集四〇巻一号四三頁は、代位弁済者が代位取得した原債権と求償権とは、元本額、弁済期、利息・遅延損害金の有無・割合を異にすることにより総債権額が各別に変動し、債権としての性質に差異があることにより別個に消滅時効にかかるなど、別異の債権ではあるが、代位弁...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:132
  • 《解  説》
     一 原告らの請求は複数にわたるが、本件で紹介するのは、原告らがした分筆登記申請を却下した被告登記官の処分の取消しを求める部分である。
     本件は、原告らの先代がAに対して一筆の土地の一部について持分二分の一の所有権一部移転登記手続を命ずる確定判決を得たので、原告らにおいて右確定判...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:137
  • 《解  説》
     X1X2は、福岡県弁護士会所属の弁護士であるが、昭和六〇年一一月二四日午前四時一〇分頃、共産党の演説会のポスターを貼っていて屋外広告物条例、軽犯罪法違反の容疑で現行犯逮捕されたAに、当初は弁護人となろうとする者として、弁護人選任後は弁護人として、同日朝(X1は午前六時四〇分、X...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:141
  • 《解  説》
     本件は、福岡県弁護士会所属の弁護士Xが、殺人等被疑事件の被疑者Aの弁護人として、勾留中のAに接見しようとしたが、昭和六〇年七月二七日から同八月八日までの間に合計六回にわたり、担当検察官に接見日時等の指定の要件がないのに具体的指定書の持参を要求され、これに応じないことで接見を妨害...

    引用形式で表示 総ページ数:15 開始ページ位置:147
  • 大阪地堺支平6.7.13判決

    《解  説》
     一 X(当時一八歳)は、道路交通法違反(共同危険行為等の禁止違反)の被疑事実で逮捕され、取調べを受けていたところ、取調べに当たった大阪府警察本部所属の警察官であるY1から腹部を手拳で四、五回殴打され、そのはずみで取調室内の壁で額を強打し、その結果、腹部打撲傷、左右前額部の表皮剥...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:161
  • 名古屋地平5.11.11判決

    《解  説》
     一 Xは、名古屋市内の青果会社に勤務していたが、昭和六二年一一月、自ら振り出した融通手形が不渡りとなったため、債権者の追及を逃がれるため行方を晦ましていたが、その間債権者の申立てにより名古屋地裁においてXの所有不動産に対し競売手続が実施されたところ、五一七万余円の剰余金が生じた...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:167
  • 《解  説》
     一 京都府青少年の育成に関する条例(昭和五六年京都府条例第二号)は、青少年に対する有害図書類の販売禁止について、関係業者の自主規制に委ねていたが、平成三年一二月二〇日に可決された右条例の一部を改正する条例により、図書取扱業者が指定された有害図書類を青少年に販売した場合には、二〇...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:176
  • 《解  説》
     一 XはF市学校給食公社の調理員として学校給食の調理業務(調理材料の運搬、大型の器材による調理、配缶、洗浄、食缶・食器の格納等)に従事してきたが、入社後五年目ころから腰痛を自覚するようになり、七年目にして腰痛が持続的なものになり、ついに激痛のため就労できなくなって、腰痛症と診断...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:180
  • 《解  説》
     一 本件事案の概要は次のとおりである。
     1 債権者(以下「Xという。)は、昭和五六年以降、債務者(以下「Yという。)の旭川支社において、交通事故原因の調査業務等に従事していたところ、同支社内の人間関係を契機とした神経症に罹患し、平成四年三月以降、休職して治療を受けることになっ...

    引用形式で表示 総ページ数:12 開始ページ位置:187
  • 《解  説》
     Xの先代Aは、昭和四八年四月七日、Yに対し、本件土地を臨時の宿舎等の仮設建物、材料置場等として使用する目的で期間一年の約定で賃貸したが、その際、権利金、敷金等は授受されなかった。右契約はその後も更新され、その間、Yは、五回にわたり建築物の建増しを行ったが、YはA又はXに了解を求...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:199
  • 《解  説》
     一 Xは、Yが建築したマンションの居室を購入した区分所有者で設立した管理組合であるが、Yが右マンションの駐車場と管理事務所の隣の居室について専有部分に属するとして保存登記を経由したことに関し、右駐車場と居室は、構造上及び利用上の独立を有する専有部分とは認められないと主張し、Yに...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:202
  • 《解  説》
     本件は、マンションの売買について、瑕疵担保責任に基づく解除が問題になった事案であり、本誌八二八号二五二頁に掲載された東京地裁判決の控訴審判決である。
     事案の詳細は、同判決及びそのコメントに詳しいが、要約すれば、被控訴人は、控訴人から新築後三年足らずの鉄骨造りの共同住宅(マンシ...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:204
  • 《解  説》
     土地三筆をAから賃借し、同地上に建物を所有していた有限会社Yは、その全持分及び営業一切が旧代表者Bから新代表者Cに譲渡された後、右土地所有権の譲渡を受けたXらから建物収去土地明渡しの訴えを提起された。Xらは、右持分譲渡により土地賃借権の無断譲渡があったと主張し、仮にそうでないと...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:210
  • 《解  説》
     一 本件はクレープ販売のフランチャイズ契約をめぐる甲乙丙の三事件からなる紛争であり、事案は複雑であるが、便宜上簡略に説明すると、甲事件はフランチャイザーである原告XがフランチャイジーのY1及び連帯保証人のY2に対して未払賃料、原状回復費用等の残金一二四万円余の支払いを求めるもの...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:212
  • 《解  説》
     一 近時、不法投棄された産業廃棄物の処理問題が大きく論じられている。本件は、投棄自体は承諾を得て民有地上にされたものでそれ自体は不法ではなかったが、投棄した場所が片側崖地状の山の上で、投棄方法が杜撰であったため、大量の産業廃棄物が谷側の隣地に滑り落ち、隣地所有者に損害を与えた。...

    引用形式で表示 総ページ数:12 開始ページ位置:220
  • 《解  説》
     一 本件は、Y1から本件貸室を賃借していたXが、右貸室の賃貸借契約を解除されたうえ、Y1の代理人弁護士であるY2が、解体業者であるAに依頼して、右貸室内に置いてあったX所有の全ての家財を搬出・廃棄させた(本件廃棄処分)として、Yらに対し、右家財の時価相当損害金等の賠償を請求した...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:231
  • 《解  説》
     一 Y1Y2 は和洋菓子の製造販売及びそのフランチャイズチェーンを事業とする会社であり、Y3はそのフランチャイズ店として設立された有限会社でY1X1が出資し、X1が取締役として経営に当たり、その妻X2は従業員として稼働してきた。ところが、X1とYらとの間にトラブル(X1が売上除...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:238
  • 《解  説》
     XはAに二〇〇〇万円を貸し付け、A所有名義の不動産について譲渡担保を原因とする所有権移転登記を経た。しかし、その約二か月前にAは母Bに無断で右不動産について売買を原因とする所有権移転登記を得ており、後にBからAとXに対して各所有権移転登記の抹消登記手続が請求され、XはBから和解...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:245
  • 《解  説》
     一 本件は、抗てんかん剤アレビアチンの長期大量投与と小脳萎縮及びこれによる行動障害との間の因果関係が争われた事例である。
     Xは、小児期からてんかんの発作を起こし、間欠的に治療を受けていたものであるが、昭和五七年六月から約三年半、被告病院に通院、後に入院して、Y1、Y2医師の主...

    引用形式で表示 総ページ数:17 開始ページ位置:248
  • 《解  説》
     本件は、XがY証券会社を介して購入した受益証券を、Y証券会社との間に保護預り契約を締結して預託したが、Xがその際他人名義を使用したため、Y証券会社がその名義人からの預託受益証券の返還請求に応じたことから生じた紛争で、Y証券会社はXからの右証券の返還請求を拒絶できるか否かが、争わ...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:264
  • 《解  説》
     一 本件は、Xらが、Y(特許庁長官)に対し、特許出願についての手続補正書の不受理処分の無効確認と、右不受理処分を前提としてなされた出願無効処分の取消しを求めた事案である。
     本件の出願当初の願書ではX2の代表者がAと記載され、委任状一部追完とされていたため、YからX2の委任状の...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:268
  • 《解  説》
     一 Xは、折りたたみ形式のコンテナを製造、販売している。Xの主張するその形態的特徴は、次の三点である。a長側板は、長手方向にわたり中央部で内側に折れ曲がり、あおり板は、フレームを支軸として内側に回動するようにした折りたたみ形式である。b底板の外面には、フレームの内周面の寸法に合...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:273
  • 《解  説》
     一 XとY1は、昭和六三年二月婚姻し、その間にA(昭和六三年七月生)とB(平成元年七月生)を儲け、神戸市内の県営住宅に住んでいたが、平成四年八月、Y1は、A、Bを連れて右住居を出てY1の両親Y2、Y3の住居に身を寄せたため、その後XとY1は別居状態にあり、Y2、Y3とともにA、...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:281
  • 名古屋地平5.3.11決定

    《解  説》
     一 Xは、木造二階建の建物を所有し、それに居住する者である。Yは右建物の南側に隣接する所有土地上にZに依頼して鉄筋コンクリート造三階建(地下一階)共同住宅(以下「本件建物」という)を建築する計画をしていたところ、Xは、本件建物が完成するとXが全面的に享受していた日照が冬至日にお...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:283
  • 《解  説》
     一 本件の事案は、被告人が、新幹線の電話コーナーに設置されたテレホンカード自動販売機の前蓋をドライバーでこじ開けた後、同機現金収納箇所内の現金を全て窃取し、一旦前蓋を閉めた上、同機から窃取した千円札を同機の「一〇〇〇円札入り口」から順次挿入してテレホンカードを取り出し、その後再...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:286
  • 《解  説》
     一 事案の概要
     本件は、社会保険庁が発注した支払通知書等貼付用シールの指名競争入札に絡んで不正談合行為が行われたとして、指名業者等各社の営業担当従業員らが、個人としての刑事責任を問われた事案である。当初一〇名が共同被告人として起訴されたが、本判決は、このうち、事実関係を争った...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:291
  • 《解  説》
     一 本件は、いわゆる在日韓国人である原告が代表者を務める会社とゴルフ場を経営する被告との間のゴルフクラブ法人会員契約に関し、前訴の裁判上の和解で、原告がプレーイング・メンバーであることを確認したが、その後、原告を登録者に変更するように申請したところ、被告は、原告が日本国籍を有し...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:298