判例タイムズ

最も長い歴史をもつ判例実務誌

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判例タイムズ No.832


  • 思い出すままに(第二部) 続・裁判官の戦後史 33

    倉田卓次   

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:4
  • <刑事証拠法に関する裁判例の研究10>呼気・血液の採取とその検知・鑑定結果の証拠能力

    森岡安廣   

    ①福井地裁昭和56年6月10日判決(刑月13巻6=7号461頁ほか)

    ②高松高裁昭和61年6月18日判決(刑月18巻5=6号709頁ほか)

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:7
  • EC刑法の新しい展開

  • <民事訴訟法改正研究8>当事者適格の拡大

    河野正憲   

    引用形式で表示 総ページ数:16 開始ページ位置:24
  • 別居中の夫婦間で子の引渡しを求める人身保護請求の客観訴訟的再構成

    井上薫   

    最三小判平成5年10月19日(判タ本号83頁)の評釈を兼ねて

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:40
  • <銀行実務と民事裁判318>銀行の融資に対して保証する旨の取締役会議事録写しの放出が保証契約を締結したものとされた事例

    西尾信一   

    東京地判平5・2・16(金法1373号45頁)

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:50
  • <特別刑法判例研究12>いわゆるホテトルの宣伝用小冊子を作成した印刷業者に売春周旋罪の幇助が成立するとされた事例-東京高裁平成2年12月10日判決(判タ752号246頁)

    佐々木史朗    北川佳世子   

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:52
  • 福岡高那覇支平5.7.15判決

    《解  説》
     一 本件の主要な争点は当選無効請求の当否であり、告示取消請求に係る訴えの関係は付随的なものであるので、以下当選無効請求を中心に解説する。
     第一六回参議院議員通常選挙(平成四年七月二六日執行)の沖縄県選挙区選出議員選挙(本件選挙)にはXと補助参加人Aとが立候補し、沖縄県選挙管理...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:57
  • 福岡地小倉支平5.9.28判決

    《解  説》
     一 本件は、電話加入契約者以外の者が、加入契約者に無断で加入電話を使って有料情報サービス(いわゆる「ダイヤルQ2」と通称されているもの。その際に用いる電話番号が〇九九〇から始まるため、一般にダイヤルQ2と呼ばれている。もっとも、ダイヤルQ2の用語は、かかる有料情報サービスをいう...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:65
  • 最高三小平5.9.21判決

    《解  説》
     一 道路側帯から約八〇センチメートルはみ出して駐車中の大型貨物自動車の後部に被害者運転の原動機付自転車が追突し、被害者(当時六四歳)は即死した。Xらは右自動車の保有者と運転者、Yらは被害者の遺族(妻子)。Xらは、本件損害はYらが自動車損害賠償損害保険から受領した一四七五万七四四...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:70
  • 最高三小平5.4.6判決

    《解  説》
     一 A(当時満六二歳)は夜間、飲酒の上、道路中央付近を自転車を押しながら歩いていたところ、対面進行してきた加害車に衝突され、死亡した。ひき逃げ事故であったため、Aの相続人(Aの妹)であるXらが、自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」という。)七二条に基づき、Y(国)に対し保障金を...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:73
  • 最高三小平5.10.19判決

    《解  説》
     一 本件は、相続人の一人が他の相続人に対し、①カーボン複写による記載は「自書」とはいえないこと、②民法九七五条によって禁止された共同遺言に当たることなどを無効事由として主張して、遺言無効確認を求めた事件についての最高裁の判決である。
     問題となった遺言書は、カーボン複写の方法で...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:78
  • 最高三小平5.7.20判決

    《解  説》
     一 Yは昭和五九年七月二〇日ころ、満期を同年九月二〇日と記載し、振出日欄及び受取人欄を白地として本件各手形(約束手形二通、額面合計五〇六万円)を振り出したが、XとYは右満期日のころ、本件各手形の満期の記載を抹消して満期を白地の手形とすることに合意した。Xは、平成元年六月初めころ...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:81
  • 最高三小平5.10.19判決

    《解  説》
     一 別居中の妻が夫及びその両親に対し、夫婦間の子二名(三歳及び四歳)の引渡しを請求した人身保護請求事件。
     原審は、次のとおり判断して請求を認容した。すなわち、被拘束者らのように三、四歳の幼児は、母親がその監護・養育をする適格性、育児能力等に著しく欠けるなど特段の事情がない限り...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:83
  • 《解  説》
     土地区画整理法九八条二項は、仮換地を指定する場合に、同法に定める換地計画の決定の基準を考慮しなければならないと定め、右基準の一つとして、同法八九条一項は、換地計画において換地を定める場合においては、換地及び従前地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなけ...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:91
  • 《解  説》
     一 本件は、偽造された土地登記簿を信頼したためいわゆる地面師から金員を騙取された会社が、国に対し、登記簿の偽造は登記官の登記簿閲覧監視義務違反によるとして国家賠償法に基づく損害賠償を求めた事案であり、本判決は登記官の過失を認めたうえ、被害者の過失を九割と判断して過失相殺をし、請...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:97
  • 名古屋地平4.10.9判決

    《解  説》
     一 長久手町長は、X所有の本件土地について、平成三年度の固定資産税登録価格を決定したところ、Xは、右登録価格に不服であるとして、Yに審査の申出をした。しかし、Yがこれを棄却する旨の決定をしたため、Xは、本件土地の前記価格は過大に評価された違法があるとして、右決定の取消を求めたの...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:103
  • 《解  説》
     一 本件の事実関係は必ずしも明らかでないが、概ね次のとおりのようである。
     訴外Aは宿泊を伴う出張中、夕食後から就寝前の間に、宿泊先の旅館の階段から転落して右耳上部側頭部の頭蓋骨骨折等の傷害を負い、これが原因となって約一か月後に死亡した。Aは夕食時に同僚とともに飲酒をしていたが...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:110
  • 《解  説》
     一 原告は、出向先である子会社における上司の指示命令違反、上司に対する侮辱的言動などを理由に、出向先の子会社から出勤停止処分、出向元の親会社から、出向解除命令並びに降格及び役付罷免処分を受けた。そこで、原告は、親会社を任意退職後、親会社及び子会社に対し、本件懲戒処分の無効確認及...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:112
  • 《解  説》
     一 Y(被告)は、もとYが所有していた土地について、第三者を相手方として、土地所有権移転登記の抹消登記手続訴訟(以下「別件訴訟」という。)を提起したが、第一審では敗訴した。Yは、右第一審判決の前から、不動産販売業を営む会社の代表者X1(原告)及び不動産仲介業者X2(原告)と知り...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:121
  • 《解  説》
     一 韓国人であるY(本訴被告、反訴原告)は、平成二年一〇月三日から、X(本訴原告、反訴被告)の経営する東京都新宿区にあるクラブ(以下「本件クラブ」という。)にホステスとして勤務したが、その際、Yは、(1)本件クラブ勤務中に毎月三〇万円ずつ分割返済する、(2)XとYの雇用契約が解...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:124
  • 《解  説》
     一 本件は、建物賃貸借において、X(賃貸人)からY(賃借人)に対して、賃料・共益費の増額確認を求めたものである。
     本件物件は、東京都中央区銀座五丁目所在の八階建て店舗ビルのうち、一階から四階まで、床面積合計一五四六平方メートルというものであって、都心の一等地における大規模店舗...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:127
  • 《解  説》
     一 Aは、Yの経営するゴルフ倶楽部の会員権を所有していたが、これを他に売却することになり、買主に会員証、印鑑証明書、名義書換申請委任状等必要書類一式を交付していたところ、同会員権が右書類一式と共に転々と譲渡され、最終的には参加人(S)が所有するに至った。Xは、Aの債権者であり、...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:130
  • 《解  説》
     一 XはYに対し土地を売却したが、Yは約定の期日が経過しても売買代金を支払わないとして、合意に基づき売買代金額の二〇パーセントの違約金を請求したのに対し、Yは第一に売買契約は成立していないこと、第二に本件合意は売買価額による国土利用計画法(以下「国土法」という。)上の不勧告通知...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:137
  • 《解  説》
     本件は、信用金庫と預金等の継続的な取引を行っていた原告ら(家族経営の書店のようである)が、信用金庫の担当職員に数々の不正行為等があったとして、信用金庫に対し、預金等の払戻しや不法行為に基づく損害賠償を求めたものである。
     本判決は、原告らが被告の不正行為等として主張した事実の殆...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:140
  • 《解  説》
     一 大阪に本店を置き海上運送事業・港湾運送事業等を営むX会社は、関東進出を意図して、港湾運送事業法に基づく一般港湾運送事業免許を有するA社の買収(資本参加)をすることにし、その株式をY1及びY3会社から買った(Y2は、その売買に関与)。ところが、A社は、会社更生手続開始の申立て...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:146
  • 《解  説》
     一 Xは、第三者の建造物侵入未遂事件について捜索差押許可状に基づき自宅の捜索差押処分がされたことに関して、Y(国)に対し捜索差押許可状を発付した裁判官の行為について、Yら(東京都及び行為者である警察官三名)に対し捜索差押許可状の請求、捜索差押に至る過程でのXに対する取調べ、尾行...

    引用形式で表示 総ページ数:11 開始ページ位置:153
  • 仙台家気仙沼支平5.10.14審判

    《解  説》
     本件は、夫の父母と同居していた妻が、夫の父及び夫の死亡後、亡夫の母や親族との折り合いが悪くなり、神経性胃炎に罹患して入院したが、退院後も帰宅せず、現に子供(中学生)を監護している亡夫の母に対し、子供の引渡しを求めて家事調停を申立てたという事案において、家庭裁判所調査官による調査...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:163
  • 《解  説》
     Xら夫婦の娘Aは、交通事故で死亡した場合に遺族に一〇〇万円の見舞金を給付するとの内容のYの主催する交通災害共済に加入した。その後Aは、Bの運転する自転車の荷台に同乗していたところをCの運転する乗用車に追突され、転倒して死亡した。XらがYに対し見舞金の支払いを求めたところ、Yは、...

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:167
  • 《解  説》
     一 本件は、原告が、標準明朝体等の書体の文字を一定区画内に記載した原告作成の文字設計図について著作権を有するとして、また被告が右設計図によりワープロ用の文字を複製し、第三者に譲渡しているとして、右著作権に基づいて、被告に対し、原告設計図の複製行為の禁止を求め、これに対して、被告...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:168
  • 《解  説》
     一 本件の経緯の概略は次のとおりである。Xは国学院大学の元教授であり、Y1とY2は京都大学名誉教授であって、いずれも東洋史ないし中国史の研究者であり、Y2はY1の恩師に当たる。日本学士院が、昭和六三年三月、Y1の五〇年来の研究成果である「中国塩政史の研究」(本書)に対して恩賜賞...

    引用形式で表示 総ページ数:28 開始ページ位置:172
  • 《解  説》
     本件は、画家の遺族の一人であるXが、合掌造りの建物をあしらった図柄の土産物用暖簾を製造していたY1、これを土産物業者に卸売していたY2を被告とし、右暖簾の図柄が亡父の描いた素描画を無断で複製したものであるとして、亡父から相続した素描画の著作権の侵害に基づく暖簾の製造販売等の差止...

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:199
  • 《解  説》
     一 本件は、創作料理を看板料理とする料理飲食店を経営し、右営業の営業表示として看板・印刷物等に「アイデア料理井出」の標章(原告営業表示)を使用しているX(原告)が大衆酒場営業の営業表示として看板・印刷物等に「あいであ料理の店 うまいもんや 童子」の標章(被告営業表示)を使用して...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:208
  • 盛岡家大船渡出平5.10.21審判

    《解  説》
     本件は、夫婦双方からそれぞれ離婚、子の親権者の指定及び慰謝料の支払を求めた夫婦関係調整調停事件において、夫婦を離婚し、子の親権者を父と定め、妻に対し慰謝料の支払を命ずる旨の家事審判法二四条一項の審判(参考審判)がなされたところ、この審判に対し、夫から異議申立てがなされたという事...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:212
  • 《解  説》
     一 事案の概要は次のとおりである。
     (1) 相手方銀行は、昭和五七年三月二〇日、申立外徳之島興産(株)との間の銀行取引約定書に基づき、徳之島興産に二〇〇〇万円を貸付けた。相手方は、抗告人は上記貸付について連帯保証したと主張して、平成四年二月二五日大阪地方裁判所に、抗告人に対す...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:215
  • 《解  説》
     本件は、被告人が、(1)被害者の一人であるA男の経営する会社でタクシーの運転手をしていた際、被告人の生活の貧苦を嘲笑するかのようなA男の態度等に強い不満を抱いていたところ、右会社を退職後、妻と離婚するなどして家庭が崩壊する中で失意の日々を過すうち、惨めな暮らしの原因はA男に会社...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:224
  • 《解  説》
     一 本件は、当初自己資金で株式運用をしていた被告人が、やがて口コミなどにより、他人の出資金を預かって、これを元手に運用をするようになり、投機的要素の強い仕手株にも手を染めるなどして多額かつ危険な取引を続けていくうち、いわゆるバブル経済の崩壊の影響もあって大損を出すところとなり、...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:226
  • 《解  説》
     一 本判決は、かねて被告人になついていた被害者(勉ちゃん、当時小学一年生)を誘拐して殺害したとして起訴された被告人に対して無罪を言い渡した第一審判決を事実誤認を理由に破棄し、自判して被告人を無期懲役に処した控訴審判決である(第一審判決は判時一二九四号一四六頁に登載されている)。...

    引用形式で表示 総ページ数:47 開始ページ位置:229
  • 最高一小平5.9.9判決

    《解  説》
     一 問題点
     本判決は、交通事故により受傷した被害者が事故から三年六月を経過した後に自殺した場合に、交通事故と被害者の自殺との間に相当因果関係があるか否かが問題になったものである。
     二 事案の概要
     事実関係は、本判決理由の二に詳細に記載されているところであるが、これを要約す...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:276
  • 《解  説》
     一 本件の概要
     本件は、Xら(五〇九名)がY(日本中央競馬会)の設置しようとするいわゆる場外馬券売り場の設置差止(主位的)、当該売り場での馬券発売及び払戻金の交付禁止(予備的)の仮処分を求めたケースである。高松場外馬券売り場設置差止仮処分申請事件と呼んでよいであろう。
     Xら...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:281