判例タイムズ

最も長い歴史をもつ判例実務誌

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判例タイムズ No.829


  • 法律上の地位の前提たる宗教上の地位と裁判所の審判権

    片井輝夫   

    日蓮正宗関連事件判決を巡って

    引用形式で表示 総ページ数:22 開始ページ位置:4
  • <民事訴訟法改正研究7>証拠収集手続(上)

    春日偉知郎   

    係争事実をめぐる情報の開示と証拠の収集

    引用形式で表示 総ページ数:13 開始ページ位置:26
  • 国際的二重起訴に関する解釈論的考察

    酒井一   

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:39
  • <銀行実務と民事裁判316>非嫡出子相続差別違憲抗告事件

    菅野佳夫   

    東京高決平5・6・23(判タ823号122頁)

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:48
  • 《解  説》
     Xら二名は、信濃川旧河川敷内に農地を所有し、あるいは旧所有者として払い下げを受ける権利を有していたが(うち一名は先代当時)、昭和三九年ころ、これをY社に農地法五条の許可又は払い下げを条件として、所有地については一平方メートル当たり一五一円で売り渡した。その後、築堤工事が着工され...

    引用形式で表示 総ページ数:16 開始ページ位置:52
  • 《解  説》
     一 本件は、東京電力株式会社(以下「被告会社」という。)群馬支店管内の従業員一六名(以下「原告ら」という。)が、被告会社から、日本共産党員又はその支持者であることを理由に、人事考課において実際の職務遂行能力及び業績に比して低い査定を受けたため、低賃金に据え置かれたと主張して、不...

    引用形式で表示 総ページ数:73 開始ページ位置:68
  • 最高三小平5.9.21判決

    《解  説》
     一 被上告人(Y)は、兵庫県龍野市ほか四町で設立された一部事務組合(地自二八四条)の管理者であるが、上告人(X)は、昭和六一年四月八日、Yに対し、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)七条一項の一般廃棄物処理業の許可及び浄化槽法三五条一項の浄化槽清掃業...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:141
  • 最高一小平5.7.19判決

    《解  説》
     一 事案の概要、原審の判断
     1 上告人(X)は、平成四年四月一九日執行の長崎県杵島郡有明町の町議会議員一般選挙(以下「本件選挙」という。)に立候補して当選人となったが、右当選の効力に関し、次点者である本件補助参加人南里司(一票差で落選)から町選挙管理委員会に異議の申立てがされ...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:143
  • 最高三小平5.7.20判決

    《解  説》
     一 Xは、福岡県立太宰府自然公園内にある八木山川の渓谷「千石峡」において、観光客を対象に旅館、飲食店、物品販売等の営業を行う者である。Y(福岡県)は、千石峡の上流約二キロメートルの地点に多目的ダムを設置し、これを運営してダムからの放水等を行っている。また、右自然公園内には千石峡...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:148
  • 《解  説》
     一 K県はK港建設事業を行っているが、工事の一部着工とその継続に関し、昭和五四年当時の県知事がK港建設により影響を受ける九漁協に念書を差し入れてその同意を得た。右念書中には、K港建設に伴う水産振興について県は万全の措置を講ずるとの記載があり、これを受けてK港周辺海域漁業振興基金...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:157
  • 大阪地堺支平5.5.26判決

    《解  説》
     一 Xの母親甲は、公証人役場において、証人二名の立会いのもと、その所有する土地建物を長男Xに相続させる旨の公正証書遺言をしたが、右証人二名のうち一名が甲の二男で推定相続人である乙であった。甲の死後、甲の相続人のうちX及び乙を除く三名は、遺言無効確認の訴えを提起するとともに甲の遺...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:163
  • 《解  説》
     一 本件訴訟は、原告が、被告(証券会社)の社員(外務員)に預託した株券を不法に領得、処分されたとして、主位的に、預託契約の終了に基づき株券の引渡しを、予備的に、不法行為に基づき損害賠償の支払を求めたものである。
     二 本件は、株券が多数にわたり、また、それらを預託した事情も、株...

    引用形式で表示 総ページ数:23 開始ページ位置:171
  • 《解  説》
     一 本件は、一見の客から株券売却取次ぎを受託した被告(証券会社)に対し、右株券は自分の所有物であったが盗難されたものであるとする原告が、真の所有者が誰かを注意せずに右受託をしたのは不法行為にあたるとして、株券喪失等の損害について賠償を求めた事案である。
     二 一般に、真の所有者...

    引用形式で表示 総ページ数:13 開始ページ位置:193
  • 《解  説》
     本件は、雑草が生い茂って見通しの悪い一車線道路のカーブ付近において、単車を運転していた原告と、自動車を運転していた被告とが正面衝突した交通事故による損害賠償請求事件である。本件の争点は、損害額及び過失相殺であるが、事故当時大学生であった原告に後遺障害が残存したため、特にその逸失...

    引用形式で表示 総ページ数:11 開始ページ位置:205
  • 《解  説》
     一 出願商標の具体的登録要件としての審査段階で、避けて通れない先願引用商標との類否判断に当たっては、商標の外観、観念、称呼の三要素にわたって順次対比、検討してゆくのが、従来からの手法とされ、ことに称呼は、市場での多人数の立会い、隔地間の電話などを含め、迅速な取引の実情から最も重...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:215
  • 《解  説》
     本判決は、例年秋の正倉院展などで、その精緻な織と、今になほ新鮮なデザインによって、来観の人々に讃歎の眼をひらかせる古代裂等の復元に関する織物に関して、不正競争防止法上の商品主体混同行為、意匠権侵害、商標権侵害が問われた事案であって、古美術の復元にかかわる技術ないしデザインを知的...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:219
  • 《解  説》
     一 Yは遺産である不動産をYの単独名義にするべく行政書士Xに依頼した。行政書士Xは、Y以外の相続人から遺産の持分を買い集めたとして、Yに対し報酬を請求したというのが本訴である。
     二 本判決は、相続財産、相続人の調査、相続分なきことの証明書や遺産分割協議書等の書類の作成、右各書...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:227
  • 《解  説》
     Xは、Y1、Y2両社から継続的にジーンズ製品の供給を受けていた者であるが、平成四年六月一七日以降、両社から製品の供給を受けられなくなったので、両社に対し、右契約上の権利を有する地位を仮に定め、かつ、注文済の製品の仮引渡しと、出荷停止の仮差止めを求める旨の仮処分申請をした。
     本...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:232
  • 《解  説》
     一 事案の概要等
     本件当時、北海道では、それまでの北海道発展計画を見直した新長期総合計画の作成が検討されていたが、本件は、北海道の幹部職員甲が、右計画の一環である昭和六〇、六一年度の戦略プロジェクトに関する調査業務の発注に絡んで、コンサルタント業者に対して、受注額の一部を割り...

    引用形式で表示 総ページ数:22 開始ページ位置:239
  • 《解  説》
     一 本件は、自動車教習所従業員で組織する労働組合の組合員である被告人が、対立関係にある別の労働組合の組合員等の非行事実を、ポスターに記載して一般教習生待合室前の黒板に掲示し、あるいは、ビラに記載して一般教習生の教習台帳に挿入するなどの方法で頒布し、名誉を毀損したという事案である...

    引用形式で表示 総ページ数:11 開始ページ位置:260
  • 《解  説》
     本件は、公判においても争いのないまま自然確定した事例であり、事実認定や法律適用についても特段の判示はないが、政治に関わる者が、判決も言うように「法の運用の盲点」を突いて、所得税の不正還付を受けるとともに、政治資金収支報告書に虚偽の記入をするなどした事案についての初の判決例である...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:270
  • 《解  説》
     本件は、著名な元プロ野球投手でプロ野球解説者の被告人による覚せい剤使用・所持の事件について懲役二年四か月の実刑が言い渡された事例であり、被告人が、自宅で覚せい剤を左腕に注射して使用(判示第一事実)するとともに覚せい剤約五二グラム及び覚せい剤水溶液少量を自己使用目的で所持(判示第...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:275
  • 《解  説》
     本件被告人は、夏の早朝、大阪市内のマンション二階の一人暮らしの女性(当時一九歳)の居室に不法侵入して、同女を強姦したとして起訴された。本件では、被害の事実自体は明白であり、争点は被告人と犯人との同一性である。この点に関しては、客観的証拠は皆無であり、被害者の犯人識別供述と被告人...

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:277