最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 米国ネヴァダ州ラスヴェガス市において、同州の管理下においてホテル及びカジノを所有経営する原告は、日本人客を渡航費用、ホテル代など一切を無料にして招待し、「つけ」で賭博をさせ、負けて未清算のまま帰国した日本人客の賭金債務の回収をAらに日本国内で円貨により行わせ、回収金を弁護士...
《解 説》
一 事案の概要
Xら(宮城県牡鹿郡女川町及び同県石巻市在住の合計一四名)は、女川町に原子力発電所を設置・運転(一号機は昭和五九年六月から営業運転中、二号機は本決定時点で建設中)するY(東北電力株式会社)を被告として、一号機の運転及び二号機の建設工事の差止めを求める訴えを仙台地...
《解 説》
一 現行の相続税法では、各相続人に課される相続税の額は、相続の対象となる総財産を相続人の全員が民法の定める法定相続分及び代襲相続分に応じてそれぞれ取得したものとして計算した相続税の総額(一六条)を、各相続人が現実に取得した財産の価格に応じて各相続人に割り振るという方法(一七条)...
《解 説》
一 本件は、町長のした町職員に対する給与の調整措置が違法であるとして町長個人を被告として提起された地方自治法二四二条の二第一項四号に基づく損害賠償請求住民訴訟の上告審判決である。事案の概要は、次のとおりである。
A町の町長Yは、条例等に定められた基準による初任給の決定が行われ...
《解 説》
一 本判決は、具体的な額が定められた取締役の報酬を、株主総会決議によって一方的に変更することの可否が争点となった取締役報酬請求事件について、具体的に定まった取締役報酬を一方的に無報酬に変更することができないことを判示した最高裁の判決である。
原告は、被告株式会社の取締役であり...
《解 説》
一 Xは、昭和六三年六月一六日、自動二輪車を運転して、奈良市内を走行中、同市自毫寺町交差点において、西から東進してきて右交差点に進入したY1運転の普通乗用車と衝突し、左脛骨骨折等の傷害を負ったため、同日から平成元年八月まで入通院加療を余儀なくされた。
そこで、Xは、加害者Y1...
《解 説》
一 X(昭和一四年六月生)は、昭和四三年五月、Y1と結婚して二子をもうけ、洋書、武道具等の輸入販売業を営んでいた者であるが、昭和五七年四月ころから、奇異な行動をとるようになったことから、Y2の経営する病院で精神分裂症と診断され、同年五月五日、妻Y1の同意により、同病院に入院させ...
《解 説》
一 Xは、昭和四八年四月生れの女性であるところ、昭和四九年六月、中部労災病院で「脊柱側彎症」と診断されたため経過観察を続けてきたが、Yの設置する名大病院整形外科で診察を受けたところ、同病院のA医師から早期に手術する必要があるといわれたため、昭和五九年九月、手術を受けるため、同病...
《解 説》
一 本件は、四億円の生命保険金をかけられた被害者が、事故を装って釣船から突き落とされて殺害された、いわゆる上磯沖保険金殺人事件で、主犯とされた被告人に対する殺人、詐欺被告事件について、無罪を言い渡した一審判決である。
本件公訴事実の要旨は、被告人は、①共犯者A、B、C、Dと共...
《解 説》
一 本件は、弁護士Xの被疑者甲、乙との接見を妨害した検察官Aに過失があったとする国Yに対する国家賠償請求事件の控訴審判決であるところ、第一審札幌地判昭63・6・23本誌六六九号八七頁は、慰謝料一〇〇万円の請求に対し六〇万円を認容し、本控訴審判決も同額の損害を認定してYの控訴及び...