判例タイムズ

最も長い歴史をもつ判例実務誌

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判例タイムズ No.809


  • <民事判例実務研究>民事執行における保全処分の運用

    富川照雄   

    引用形式で表示 総ページ数:18 開始ページ位置:4
  • <民訴法論点ノート7>既判力の標準時

    中野貞一郎   

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:22
  • 「住民訴訟許容要件」概念の創設

    井上薫   

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:32
  • <刑事法ノート168>法人罰金重課に係る法改正とこれをめぐる問題点

    岩村修二   

    独占禁止法の改正を中心として

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:36
  • <銀行実務と民事裁判300>工場抵当法3条目録の効力

    吉田光碩   

    福岡高裁平成3年8月8日判決(本誌786号199頁)

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:43
  • <民法判例レビュー40>契約

    今期の主な裁判例

    売買の目的となった船舶の価値に関する錯誤につき、売主に重大な過失があるとされた事例(横浜地裁平成3年9月27日判決)

    円谷峻   

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:48
  • <民法判例レビュー40>担保

    今期の主な裁判例

    不動産の売主が、抵当権者に対し、未払いの売買代金清算金を基礎として留置権を主張することができないとされた事例(東京地裁平成4年9月3日執行処分)

    角紀代恵   

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:55
  • <民法判例レビュー40>不動産

    今期の主な裁判例

    賃貸人の地位の譲渡と賃借人の異議(東京地裁平成4年1月16日判決)

    内田勝一   

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:61
  • <民法判例レビュー40>民事責任

    今期の主な裁判例

    淡路剛久   

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:69
  • <民法判例レビュー40>家族

    今期の裁判例

    山口純夫   

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:73
  • <民法判例レビュー40>家族

    有責配偶者からの離婚請求と財産分与(大阪高裁平成4年5月26日判決)

    神谷遊   

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:76
  • <民法判例レビュー40>家族

    疑わしい遺言と遺産分割(大阪高裁平成3年11月14日決定)

    伊藤昌司   

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:80
  • 《解  説》
     一 本件の原告は、全税関(全国税関労働組合)の支部組合であるX組合とこれに所属する組合員X1ら一一〇名であり、対する被告は国Y(横浜税関)である。
     X組合は、当局がX組合の組合員に対し脱退工作をしたこと、第二組合を育成し、新入職員のX組合への加入を妨害したこと、庁舎管理規則を...

    引用形式で表示 総ページ数:32 開始ページ位置:84
  • 最高二小平5.1.25判決

    《解  説》
     一 判示事項に関係する事案の概略は以下のとおりである。
     1 破産者は、証券会社であるが、昭和五七年七月、破産宣告を受け、Xが破産管財人に選任された。Yは、京都駅前の公共地下道及び店舗等の建設とその管理運営を目的に国鉄等の出資で設立された会社であるが、昭和五五年四月一日、破産者...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:116
  • 《解  説》
     一 本件は、函館市長が同市内に存する旧谷地頭小学校校舎(以下「本件建造物」という。)の取壊しを計画し、同市議会がそのための予算を議決したことから、同市の住民らが、本件建造物には文化財的価値がありこれを保存して活用すべきであるとして、その取壊しを防止するため、同市長を債務者とし、...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:121
  • 《解  説》
     一 X(原告・控訴人)は、不動産の売買、仲介等を業とする会社であるが、昭和六二年に、不動産仲介業者から訴外Aが所有するとされた土地の紹介を受け、右土地をAから二億円で買受ける旨の売買契約を締結したうえ、代金二億円を支払い、AからXへの所有権移転登記を経由した。
     ところが、A名...

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:127
  • 《解  説》
     本件は、建物の強制競売事件において、執行官が、現況調査をした際、債務者の借地権が存在するとの陳述や敷地所有者と債務者が姉弟の関係にあること等を根拠に、敷地所有者に確認しないまま、既に借地権が終了していることに気づかずに、現況調査報告書を作成し、これにより評価書、物件明細書が作成...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:136
  • 《解  説》
     一 Xは、昭和五七年七月当時、宮城県立津谷高等学校の教諭として勤務していた者であるが、同月一五日に行われた校舎引越しの際、重い荷物を運搬する作業に従事したことにより脊髄障害者となったと主張して、公務災害の認定を申請したが、公務外として認定されたため、Yを相手方として公務外認定処...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:143
  • 《解  説》
     一 事案の概要は次のとおりである。
     1 X会社(証券会社)とその従業員らが加入しているZ組合(労働組合)は団体交渉を行い、その席上X会社役員らはZ組合の諸要求に対し概ねこれを認める内容の回答を書面でした。ところが、後日、Z組合がこの回答内容について労働協約書の作成を求めたとこ...

    引用形式で表示 総ページ数:13 開始ページ位置:146
  • 《解  説》
     一 本件は労働組合がした組合員の除名処分について、大会決議を欠きその手続に重大な瑕疵があるとして、無効としたものである。
     二 本件事案の事実関係は、概略、以下のとおりである。
     相互交通株式会社(訴外会社)の労働者で組織された労働組合である被告は、平成三年二月二〇日、次のよう...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:158
  • 《解  説》
     本件の事案は、証券会社(被告)の担当者から外貨建てワラント債券の取引を勧誘された原告が、ワラント取引の仕組みや内容、その危険性について十分な説明も受けず、理解もしていなかったのに、右担当者が独断専行する形で原告のためにワラント債券の売買を行い、原告に相当な損害を与えたところ、原...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:165
  • 《解  説》
     一 本件は、五階建マンションの汚水管が、新築直後から詰まったり逆流したため、注文者たる原告が、工事請負人(元請人)を被告として、汚水管設備の瑕疵によって生じた是正工事費用等三二九万円余り(慰藉料を含む)の損害の賠償を求めた事案である。これに対し、被告は、注文者の「指図」に従って...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:167
  • 《解  説》
     本件は、建物所有者X(国鉄から資産を承継して債務償還のための資産処分等を行うことになった国鉄清算事業団)からこれを占有するY(理髪業者)に対する建物明渡請求事件(付帯請求は損害金請求)である。抗弁としては、賃貸借契約に基づく占有正権原の主張及び明渡請求が権利濫用である旨の主張が...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:171
  • 《解  説》
     本件事案は、原告が土地を賃貸していたところ賃借人が死亡して数人の相続人が賃借権を相続したが、賃料の延滞が続いたため、賃料不払いを理由に賃貸借契約を解除して、相続人である被告らに対し地上建物の収去及び土地の明渡しを求めたものである。本件においては、賃借物件を使用し実際に賃料を支払...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:175
  • 《解  説》
     本件の一審被告Yは、超軽量飛行機の操縦訓練等を目的とする飛行クラブの主宰者であり、一審原告Xは、右クラブ員で、Yの指導のもとに超軽量機の飛行訓練を受けていた初心者であるが、Xは超軽量機に乗りジャンプ訓練中墜落して腰髄損傷等の傷害を受け、排尿・排便障害等の後遺症が残った。
     Xは...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:178
  • 《解  説》
     本件は、豪雨のためマンションのベランダに溜まって溢れた雨水が室内に浸水し、階下の居室に多量に浸水した結果、居室・家財に損傷を受けたと主張するXらが、マンションの居室所有者Y1及びその使用者Y2(Y2は株式会社で、現在は解散しておりY3が清算人)・占有者Y3に対して、損害賠償請求...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:182
  • 《解  説》
     一 X1は、昭和六三年七月、妊娠の兆候があらわれたが、全身に発疹がでたことから風疹に罹患したことを危惧し、異常児出産の心配があったため、Y1の開設する総合病院に赴き、妊娠の有無、風疹罹患の有無の診断を求めたところ、右病院の医師は、検査をして妊娠しているとの診断をしたが、慎重な風...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:189
  • 《解  説》
     一 Xは、Yと夫婦であるが、両親との同居の件で不仲となり、平成元年三月、Yが長男A(昭和六一年二月生)を連れて実家に帰り、Aとの面接を拒否するため、Aとの面接交渉を求めて審判の申立てをしたものである。
     一審は、XがAの通う幼稚園又は学校の行事に参加するという形態によるAとの面...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:193
  • 《解  説》
     一 本件は、特定の就業場所への就労命令が不当労働行為であると主張して長期間にわたり就労を拒否した労働者の行為が、健康保険及び厚生年金保険の被保険者資格喪失事由である「其ノ業務ニ使用セラレサルニ至リタル日」及び「その事業に使用されなくなったとき」に当たるかどうかが争われた事案であ...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:195
  • 《解  説》
     一 昭和六三年八月に特許出願をしたXは、平成元年三月、A社に、右特許を受ける権利の持分二分の一を譲渡し、XとAは、同一の弁理士を代理人として連名で特許出願人名義変更届をY(特許庁長官)に提出した。
     Yは、平成二年二月、右名義変更届の不受理処分をした。その理由は、添付の譲渡証書...

    引用形式で表示 総ページ数:11 開始ページ位置:199
  • 《解  説》
     Xは、米国の医療業界に関する外国人の講演会を開催し、自らその通訳をした。医療関係の業界誌を発行するYは、右講演会を取材して、その発行する雑誌にXのした通訳内容のほぼ全部を記事として掲載した。XがYを相手どって、通訳内容の複製権の侵害を理由に損害賠償を求めたのが本訴である。
     本...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:207
  • 福岡高那覇支平4.10.22判決

    《解  説》
     X1、X2、X3、Y及びSは共同相続関係にある。第一審で、X1、X2、及びX3はYに対して遺産分割無効確認、持分更正登記手続等及び建物収去の各請求を併合して提訴した。第一審裁判所はそのうち遺産分割無効確認請求を全員の関係で認容し、持分更正登記手続等請求につきX1の関係で認容した...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:209
  • 《解  説》
     本件の事案は、交通事故で死亡した者の相続人である原告らが、加害車両の運転手と所有者を被告として損害賠償を請求したところ、保険会社が被告らの補助参加人として訴訟に参加した、というものである。原審は原告らの請求を一部認め、被告ら及び補助参加人の双方が別々に控訴したが、各控訴の提起は...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:212
  • 《解  説》
     一1 本件は、加害者である原告(控訴人)X1・その自動車の運行供用者である原告(控訴人)X2から被害者である被告(被控訴人)Y宛てに対する交通事故に基づく損害賠償債務の不存在確認訴訟である。Xらの主張によると、X1運転の普通乗用車が平成三年九月一六日の深夜東京都内明治通りの歩行...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:215
  • 《解  説》
     一 Xは、平成二年五月、破産宣言を受けたA会社の破産管財人であるが、A会社の第一回目の手形不渡り後に提起して得たA会社に対する貸金請求認容判決に基づいてYが平成元年六月にした債権差押及び転付命令の申立て及びこれに基づく転付命令等は、破産法七五条、七二条二号所定の行為に該当すると...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:220
  • 東京地八王子支平4.4.30決定

    《解  説》
     本決定は、警察官である被疑者が、職務の執行に際してAにけん銃を発射し、その胸に弾丸を命中させて死亡させ、次いでBにけん銃を発射し、左大腿部に命中させて入院加療約三か月半を要する傷害を負わせたという事案について、Aの両親らとBがなした付審判請求に対するものである。すなわち、請求人...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:226
  • 《解  説》
     一 本判決は、覚せい剤自己使用事件につき、尿鑑定書に関する検察官の証拠申請を、尿の採取過程に重大な違法があることを理由に却下した上、その余の証拠の中には、自白調書の補強証拠たり得るものがないとして、無罪を言い渡したものである。
     二 本件においては、尿鑑定書の却下の理由が重要で...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:230
  • 《解  説》
     本件事案の概要は、本件判決の事案の概要欄冒頭に記載された事案の要旨のとおりで、特に付加すべき点はなく、父が知れないこと明らかな日本で出生した子について、出産後母が行方不明となり、その身元が必ずしもはっきりしない場合、その子は、国籍法二条三号により、日本国民となるか否かの一点のみ...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:238
  • 《解  説》
     一 本件は、タクシー業界も自由競争の働く場であり、タクシー運賃もすべてのタクシー業者が同じ基準で統一されなければならないものではないとの判示部分が、行政庁が指導方針としている同一地域同一運賃の原則を批判したものとして、大きく取り上げられ、新聞紙上等に報道されたものである。
     大...

    引用形式で表示 総ページ数:11 開始ページ位置:244