最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 独占禁止法25条1項に定める違反行為によって損害を被ったことと民法上の不法行為に基づく損害賠償請求 2 消費者が独占禁止法3条にいう「不当な制限」に当たる価格協定による損害の賠償を民法上の不法行為に基づき請求する訴訟において価格協定の実施直前の小売価格をもっていわゆる想定購入価格と推認することができるための要件
1 在留期間を1年間とする在留期間更新許可処分の取消しを求める法律上の利益はないとされた事例 2 在留期間を3年とする在留期間更新許可処分を求める訴えは不適法であり許されないとされた事例 3 取消訴訟が不適法とされた場合においても併合提起された関連請求に係る訴えは不適法とはいえないとされた事例 4 外国人登録法の指紋押捺規定の合憲性
1 ポパイの漫画の主人公であるポパイのキャラクターは、ポパイの漫画とは別個な著作物を構成するものと認めることはできない 2 ポパイを表したことが明らかな図柄について、ポパイの漫画のどの画面のポパイの絵であるかを特定するまでもなく、ポパイの漫画の複製に当たると認めることができるとした事例 3 ポパイの漫画の主人公の「ポパイ」又は「POPEYE」の名称は、単にそれだけでは思想又は感情を創作的に表現したもの、すなわち、著作物ということはできない 4 「POPEYE」の文字を丸みのある字体にし、かつ、その文字に白抜きのハイライトを付したロゴタイプは、純粋美術ではなく、「POPEYE」の文字が意味するところを伝達するための手段としての実用的なものと認められるから、著作物と認めることはできない 5 ポパイのキャラクターが、不正競争防止法1条1項1号にいう周知商品表示と認められた事例 6 商標権の禁止権は、その商標登録出願前に創作された著作物の利用に対しては、及ばない 7 著作権が生じた後に商標登録出願された商標権に基づく登録商標の使用は、不正競争防止法6条にいう「商標権ニ依リ権利ノ行使ト認メラルル行為」に当たらない
1 仮処分申請事件において興信所作成の報告書を疎明資料として裁判所に提出することが名誉毀損を構成するとして、その代理人である弁護士に不法行為責任が認められた事例 2 仮処分申請事件に疎明資料として裁判所に提出された興信所作成の報告書によって名誉を毀損された仮処分の相手方から申請人及び報告書を作成した興信所に対する不法行為に基づく損害賠償請求が認められなかった事例
1 一部の忠魂碑が神社神道の宗教的施設であるとされ、市長の日本郷友連盟県支部に対する維持管理費補助金の支出が憲法20条3項に違反するとして市長に対する住民の損害賠償代位請求が認められた事例 2 遺族会、日本郷友連盟県支部等が宗教上の組織若しくは団体に当たらないとされた事例 3 忠魂碑の維持管理費補助金の支出に公益上の必要性がないとはいえないとされた事例
時期を逸しながら人工妊娠中絶の施術を求める女性にこれを断念させて出産させた新生児を内容虚偽の出生証明書を発行してその養育を希望する者にあっせんするいわゆる実子あっせんを行い、医師法違反等により罰金刑に処せられたことを理由としてされた医師に対する6か月の医業停止処分が、裁量権の範囲を逸脱しこれを濫用したものとはいえないとされた事例
1 宅地開発指導要綱に基づく協定により、市のマンション建築業者に対する義務教育施設等整備費等の開発負担金の請求が認容された事例 2 右指導要綱に基づく開発負担金の支払要求が地方財政法4条の5(割合的寄付金の禁止)違反には当たらないとされた事例
併存する他組合のストによって、スト不参加者が就労できなかったことにつき、使用者に「責に帰すべき事由」は認められないとして、民法536条2項に基づく不就労期間中の賃金支払請求が棄却された事例
1 アパートの住居者からなる団体を法人格なき社団と認めた事例 2 法人格なき社団の資産たる不動産の登記につき、代表者名義へ所有権移転登記を認めた事例
児童の健康増進施設の運営を目的とする社会福祉法人と民間業者との間の遊具の設置及び運営を内容とする期間の定めある準委任契約における「正当の理由があるときは更新拒絶ができる」旨の条項について、その経緯等から必要性があれば更新拒絶ができる趣旨であるとされた事例
1 日本法人の子会社である香港法人に対する損害賠償請求の訴えについてわが国の国際裁判管轄権が認められた事例 2 香港において預金により利殖することを委託する旨の契約に基づく金員の返還請求に債務者が応じないことは、預金証書が検察庁の強い要請により任意提出されていたとしても、その責に帰すべからざる事由があったとはいえないとされた事例
1 ワンマンバスが停留所の標柱から約1メートル離れた場所に停車したため、バスからの降車した乗客が、バスと停留所の標柱との間を走行してきた自転車に衝突された事故について、バス運転手の過失が肯定された事例 2 11歳11か月の小学校6年生が自転車運転中に起こした人身事故について両親に責任無能力者の監督者義務としての責任が肯定された事例
扶養権利者と扶養義務者との間に成立した扶養の程度又は方法についての協議成立を原因とする扶養料請求(扶養料支払義務確認を含む)が認容された事例
1 新様式による判決例((1)ないし(5)事件) 2 係属中の刑事事件に関する週刊誌上の論述が公正な論評に当たらず、被告人に対する不法行為となるとされた事例((2)事件)
1 期間入札において法人である買受申出人の代表者の資格証明書が提出されない場合と売却不許可事由 2 売却決定期日後における資格証明書の追完の可否(消極)
1 強制採尿が、その必要性の判断を誤って行われた点で違法であるとされた事例(ただし、尿鑑定書の証拠能力は肯定) 2 違法な捜査によって、被告人が、本来法の予定する以上の苦痛を受けた事実を、広義の「犯行後の状況」の1つとして量刑に反映させるべきであるとした事例
1 ラジオ番組によって流行した遊び「究極の選択」が、右ラジオ番組を放送したラジオ放送会社の周知営業表示ないしは周知商品表示とは認められなかった事例 2 右「究極の選択」をその題号及び内容とする書籍が、右ラジオ放送会社の子会社らによって出版され、ベストセラーになった場合について、右書籍の題号「究極の選択」が右子会社らの周知商品表示とは認められなかった事例