最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 出版者が詩集の出版を企画立案して、素材となる詩等の収集に協力し、その詩等の著作者が、右詩等を含めて詩等を取捨選択し、配列を決定して詩集を制作した場合、その詩集の編集著作権は、詩の著作者に属する 2 編集著作権者は、その著作物について無権限で著作年月日登録をした者に対し、抹消登録手続を求めうる
1 日本国駐在のソ連総領事が在日ソ連人に対して行った禁治産宣告について、同領事の右宣告の権限を否定して当該宣告を無効とした事例 2 在日ソ連人による遺言の成立及び効力に関して、不統一法国法であるソヴィエト法の各法域の中からロシア連邦共和国民法を本国法として指定した上で、反致の成立を認めて住所地法である日本法を準拠法として適用した事例 3 公正証書遺言につき口授、証人の立会い、代署、押印等の各方式が適法に履践されており有効であるとされた事例
地方自治法242条の2第1項4号に基づく代位請求訴訟において適法な監査請求手続を経た他の住民が自己の監査請求に係る同条2項所定の期間内にした補助参加の効力
1 戦没者遺族会は、憲法89条前段の「宗教上の組織若しくは団体」、20条1項後段の「宗教団体」に当たるか(消極) 2 戦没者遺族会に対する補助金の交付及び市福祉事務所の職員が、戦没者遺族会の書記としてその事務を補助したことが、憲法20条3項に違反しないとされた事例 3 戦没者遺族会に対する補助金の交付及び市福祉事務所の職員が、戦没者遺族会の書記としてその事務を補助したことが地方自治法232条の2の公益上の必要性に基づくとされた事例
国定公園の特別地域に指定された山林内での砕石用原石の採取について自然公園法17条3項所定の許可が得られなかったことによる損失の補償を要しないとされた事例
深夜労働に従事しないタクシー運転手(昼勤者)に対し、現実に深夜労働したタクシー運転手に支払われる深夜手当と同一の率で計算した手当が「深夜手当」ないし「昼勤手当」の名目で支給されていた場合においても、右深夜労働に従事したタクシー運転手に支払われた深夜手当が、法定の深夜割増賃金であるとされた事例
1 労働基準法39条の年休手当の定めは、賃金の全額を保障したものではないとした事例 2 年休手当額を健康保険法3条所定の標準報酬日額とする旨の定めが、労働基準法39条6項に従ったものにすぎず、年休制度の趣旨を没却し、公序良俗に違反するものとはいえないとした事例
無権代理行為によってなされた生命保険契約を追認することが、該追認者が別件争訟で右保険契約は保険金騙取を目的とした不法なものであると主張したことを理由に、権利の濫用であるとされた事例
単独親権者(母)が死亡して、他の親(父)からの親権者変更の申立てが認容されたとき、子を実質的に養育している者(母方の親族)からする即時抗告権の有無
会社締結の生命保険契約において、保険金受取人を会社から取締役に変更する行為については、有限会社法30条の規定を適用する余地はないとされた事例
1 管轄違を本位的とし、著しき損害等を予備的とする移送の申立てとその効果 2 右の場合予備的申立てにより移送決定がなされた場合に相手方からする即時抗告の当否と抗告審の審判の範囲 3 民事訴訟法31条にいう著しき損害に当たらないとされた事例
青信号に従って進行する自動車運転者にとって横断歩行者が赤信号に従って横断をさし控えるものと信頼することが許されるとされた事例
14歳から2歳までの実子4人をマンションに置き去りにし、うち1人を栄養失調症にさせた母親について、保護者遺棄、同致傷罪の成立が認められた事例
交通事故に基づく受傷は、それだけでは致死の結果に至らない程度のものであったが、被害者にたまたま本態性高血圧症の持病があったため、これとあいまって死亡した場合につき、因果関係が存在するとされた事例
1 市の公金の支出が終わった日から1年2か月余を経過して住民監査請求がされたことについて地方自治法242条2項但書にいう「正当な理由」があるとはいえないとされた事例 2 職員厚生費等の名目で職員に個別支給された金員がいわゆる「やみ給与」として違法とされた事例 3 職員厚生費等の名目で職員に個別支給された金員の支出命令を、市長が自らしたものではなく、助役において専決処理(補助執行)した場合であっても、市長が助役と共同して違法な支出命令をなし、或いは違法な支出命令をしないように指揮監督すべき財務会計上の義務に違反したものとして損害賠償責任が認められた事例