最も長い歴史をもつ判例実務誌
起訴休職中の国家公務員に対し起訴事実につき無罪判決が言い渡され控訴された場合に起訴休職処分を撤回しなかったことが国家賠償法1条1項にいう違法な行為には当たらないとされた事例
抵当権の設定された不動産についてされた譲渡担保契約等が詐害行為に該当する場合に抵当権設定登記が抹消されたときの原状回復の方法
原告が35年余にわたり訴訟進行の措置をとらなかったため信義則上もはや訴訟を追行する権能を失ったなどとして訴えを却下した高裁の判断が最高裁でも維持された事例
所得秘匿工作をしたうえ逋脱の意思で会社臨時特別税確定申告書を税務署長に提出しなかった場合における会社臨時特別税法22条1項にいう「偽りその他不正の行為」とその判示方法
自動車運転者に注意義務を課す根拠となる具体的事実が訴因変更手続を経て撤回された場合につき右事実を認定することに違法はないとされた事例
放火罪により起訴されたが無罪判決が確定した者からされた警察の捜査の違法、検察の起訴、控訴等の違法を理由とする国家賠償請求が認められなかった事例
土地区画整理事業の完成により、換地された土地につき、地方税法附則18条2項2号イ、17条1項3号の「地目の変換その他これに類する特別の事情」があったものと認められた事例
1 勤務会社と同一の教材の販売を業とする新会社の設立を企図し従業員の引抜などを図った教材販売会社の従業員及びこれと行動を共にした従業員に対する競業避止義務違反等を理由とする懲戒解雇につき、指導的立場の幹部従業員に対する懲戒解雇が有効と認められ、その余の従業員に対する懲戒解雇が権利濫用として無効とされた事例
2 懲戒解雇が無効とされた従業員からの解雇予告手当及び附加金の請求が認められた事例
3 競業避止義務違反等を理由とする会社から従業員に対する債務不履行ないし不法行為に基づく損害賠償請求が排斥された事
1 旧国鉄職員が国鉄総裁による兼職の承認を受けないまま市町村議会議員選挙に立候補して当選した場合、右職員は公職選挙法103条1項、旧日本国有鉄道法26条2項により、当選の告知を受けた日に国鉄職員としての地位を失うとした事例((1)、(2)事件)
2 旧国鉄職員が国鉄総裁による兼職の承認を受けないまま市町村議会議員選挙に立候補して当選した場合、右職員は旧日本国有鉄道法26条2項により、当選の告知を受けた日に国鉄職員としての地位を失うとした事例((3)事件)
マンションのルーフテラスにサンルームを設置したこと及び避難口付近に屋外空調機を設置したことが、いずれも規約に違反するとし、その撤去請求が認められた事例
1 建物賃貸借契約においてなされた原状回復の特約の趣旨
2 建物賃貸借契約において、有益費償還請求権及び造作買取請求権を予め放棄する特約の効力
仮処分異議訴訟及び本案訴訟で敗訴した仮処分申請人について、仮処分申請等に過失がないとされ不法行為責任が否定された事例
横断歩道上を横断中の小学生が自動車にはねられて死亡した場合において、右横断歩道に信号機が設置されていなかったことが、道路の設置・管理の瑕疵にあたるとされた事例
1 共同相続人が分割前の遺産について提起した共有物分割の訴えが不適法として却下された事例
2 遺産を通常の共有にするとの黙示の遺産分割協議が成立したとの主張が認められなかった事例
個人タクシーの運転手で構成される協同組合の組合員が、右組合を脱退したことにより右組合から、脱退した元組合員に対し、各自営業車の屋上に設置してある「個人タクシーの表示灯」法1条1項2号により、その使用の禁止と取り外しを求める請求が認められた事例
店舗に設置されている看板に、原告の書と類似する文字が記載されていても、その店舗の経営者が右看板の製作に関与していない場合には、右の書を複製したことにはならない、とされた事例
1 前訴の請求異議訴訟の口頭弁論終結時に相殺適状にあった場合でも、相殺を異議事由として再び請求異議訴訟を提起することは前訴の既判力に抵触しない
2 訴訟上の和解の成立によって確定した給付義務の不存在確認の訴えも訴えの利益がある
民事執行法における対象不動産の引渡命令は、共有持分自体の満足を図るための手段とはなりえず、共有持分の売却により、引渡命令申立権は発生しない
いわゆるエイズに自ら罹患し、家族にもこれを感染させたと思い込んで、一家心中を図り、子供2人を殺害、夫に傷害を負わせた被告人に対し、犯行当時疲憊性うつ病による訂正困難な妄想様観念に支配されていたとして、心神耗弱を認めた事例
鉈や鎌を自己が日常生活の場としている普通乗用自動車内に置いていた行為が銃砲刀剣類所持等取締法21条にいう刃物の「携帯」に当たるとされた事例
犯行日が昭和63年1月23日であることが明らかであるにもかかわらず、これを昭和62年1月23日と誤って認定判示したことが、判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認に当たらないとされた事例
通信社記者の夏期における連続24日の年次有給休暇の時季指定に対する後半12日の時季変更権行使を違法とし、その間の欠勤を理由とするけん責処分を無効とした事例