最も長い歴史をもつ判例実務誌
いわゆる広告付ポール式地名標識につきなされた道路占用許可申請に対して道路管理者がした不許可処分に裁量権の濫用、逸脱がないとされた事例
公金支出後1年を経過して特別委員会による調査が開始され、調査結果報告後6月を経過してなされた住民監査請求について地方自治法242条2項ただし書の「正当な理由」がないとされた事例
1 市の社会教育事業の指導員として選任委嘱された者は、市に使用される労働者であり、市は、指導員が所属する労働組合との団体交渉に応じる義務があるとされた事例
2 市が右社会事業を廃止したときは、右指導員は雇用期間の満了により身分を喪失し、指導員の解雇、配転問題は団体交渉事項でないとされた事例
高血圧症の基礎疾病を有する出稼ぎ労働者が、ガス管敷設工事に従事中、脳出血を発症し死亡した場合において、業務起因性が肯定された事例
マンション1階の店舗及び車庫部分の上方にある外壁部分(パラペット部分)が共有部分に当たるとされ、区分所有権者の共有持分権から生ずる物権的請求権に基づき、そこに設置された看板の撤去が認められた事例
ゴルフクラブ入会に際して預託した預託金の返還債務とゴルフクラブ会員の会員証書の返還債務とは、同時履行の関係に立つものではないとされた事例
1 特定の当事者名で行われていた宅地開発分譲事業につき、匿名組合との主張を排して民法上の組合(内的組合)の成立が認められた事例
2 組合の解散後の組合財産は、清算手続を経てその帰属が決まるべきもので、清算前にその分割を請求したり、分割の結果としての権利関係を主張することはできないとされた事例
生命侵害による近親者の慰藉料請求権は、具体的金額が当事者間において客観的に確定しない間は、一身専属性を有し、破産財団に属しないとされた事例
不動産競売事件において買い受けた土地の実測面積が登記簿上の地積よりも小さかったことを理由とする国家賠償請求が認められなかった事例
1 臍帯真結節による死産につき、入院中の陣痛のある産婦に夜間の診察を怠った医師に過失責任を認めた事例
2 診察懈怠と胎児死亡との間にかなりの蓋然性ありとして因果関係を認めて損害賠償責任を認容した上、他の可能性も否定できないとしてこれを被害者側素因の寄与の法理によって慰藉料算定に反映させた事例
既往症である頚椎変形により、本来なら傷害を負わない程度の軽度の交通事故で傷害を負い、生来的な性格に基づく心因的反応と相まって治療が長期化したことにつき、事故と傷害との間に因果関係を認めたが、加害者の寄与度を4割とし、賠償額を6割減額した事例
1 元監査役からの閉鎖登記簿の抹消登記手続を求める訴えと訴えの利益(積極)
2 元監査役からの辞任登記抹消請求について辞任の日が実体と異なるにすぎないため更正登記の対象となりうるにすぎないことを理由に棄却した事例
3 役員選任の株主総会決議取消しの訴えの係属中に当該役員が退任した場合と訴えの利益(消極)
4 名誉毀損を理由とする損害賠償請求を棄却した事例
1 株主名簿閉鎖期間中に行われた株主名簿書換が効力を有するとされた事例
2 日刊新聞法にいういわゆる無関係株主の株式を出欠株式数及び議決権行使株式数から除外したことは株主総会決議の瑕疵とはならない
3 日刊新聞法1条にいう「株式会社の事業に関係のある者」の意義
1 商標権を侵害するおそれがあるとされた事例
2 「VOGUE SPORTIVO」「SUNSEA VOGUE」「CASA VOGUE」の各標章が登録商標「VOGUE」と類似するとされた事例
3 商標権に基づく標章使用差止仮処分において、自ら登録商標を使用していない商標権者に保全の必要性が認められた事例
郵便貯金の定額証書、委任状及び印鑑を所持している者に対する郵便貯金の払戻につき、郵便局員に過失があったとして、郵便貯金法26条の適用が否定された事例
日照阻害等を理由として第2種住居専用地域、第2種高度地区においてほぼ同時に建築中の3階建共同住宅2棟の各3階一部分の建築が禁止された事例
女性下着販売業の従業員として稼働させるという目的のために、婦女の全裸写真を強制的に撮影しようとした行為について、被告人が男性として性的に刺激興奮させる性的意味をも有する行為であることを認識して行為に出たときは強制わいせつ罪が成立するとした事例
ココム規制に違反してソ連へプロペラ加工用大型工作機械の部分を輸出しコンピュータ・プログラム用の修正ソフトを提供したことが、外国為替及び外国貿易管理法(昭和62年法律第89号による改正前のもの)73条1項、70条29号、20号、48条1項、25条2号等に違反するとされた事例
野球入場券を定価で転売した場合であっても、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例2条2項のダフヤ行為にあたるとした事例
1 公職選挙法所定の法定外文書について不在中の被頒布者の親、祖母らが刑訴法221条にいう保管者に当たるとされた事例
2 公職選挙法142条(法定外文書頒布罪)の合憲性