最も長い歴史をもつ判例実務誌
被告を誤って提起された行政処分取消しの訴につき、原告に重大な過失があったとすることはできないとして、控訴審において被告の変更を許した事例
租税特別措置法31条の2の「優良住宅地の特例」を受けるために必要な手続を確定申告に際しとらなかった納税者が、更正の請求の方法で同特例の適用による税額の減額を求めることができるか(消極)
1 信義則を理由とする法定期限後にされた更正の請求に従った更正をすべき旨の主張が排斥された事例
2 相続税の修正申告無効の主張が排斥された事例
1 更生会社の実質上の親会社の立場にある会社が、不当労働行為制度上の使用者に当たるとされた事例
2 団交応諾を求める仮処分申請が、組合が会社に対し団交を請求し得る地位にあることを仮に定める限度で認容された事例
1 土地の分譲に際し、分譲地の取得者相互間で、交錯的に通行地役権が設定されたと認めた事例
2 通行の用に供されていることを知りながらこれを取得した者は、通行地役権につき登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者に当らないとされた事例
路上でゴルフの素振りを行った際誤って通行人を打撃して同人を死亡させた会社員の損害賠償責任を認め、会社員の使用者及びゴルフクラブの保管者の責任をいずれも否定した事例
昭和51年12月出生児の未熟児網膜症につき、担当眼科医の過失が肯定され、それ以前の出生児12名の未熟児網膜症につき、担当医の過失が否定された事例
新生児が退院後核黄疸症状を呈し、脳性マヒの後遺症を残したことについて、生後5日目に退院させた産婦人科医の債務不履行責任が認められた事例
1 認知者の死亡後における検察官を被告とする認知無効の訴えの許否(積極)
2 認知無効の訴えの提起につき権利失効の原則の適用がなく、訴権の濫用にもあたらないとされた事例
1 妻からの離婚請求に付帯する財産分与請求において、妻が別居時に持ち出した夫婦名義の預・貯金を考慮した事例
2 離婚の本訴に付帯する財産分与請求が、別居時に持ち出した夫婦名義の預・貯金を考慮したうえで認容される場合には、右預・貯金相当額の損害賠償を求める予備的反訴は排斥を免れないとした事例
商法204条ノ2第2項により譲渡の相手方と指定された者が同法204条ノ3第1項により株式売渡請求権を行使した場合とその撤回の許否(消極)
既に廃止した営業に関する権利の譲渡契約が商法245条1項1号の営業の重要な一部の譲渡に当たらないとしながらも、右契約中の競業禁止契約について、商法245条1項1号の類推適用により株主総会の特別決議が必要とされた事例
台湾旅行中の旅行者の拇指切断事故が、保険金目あての自損行為であるとして、海外旅行傷害保険金の請求が認められなかった事例
被告らが製造、販売、使用しているテーブルフィーダーは、原告の実用新案権に抵触しないとして、侵害差止請求を棄却した事例
かわらの意匠につき、公知意匠を参酌して、無模様である点を要部と把握し、模様のある被告製品の意匠は、原告の意匠権の類似範囲に属さないとした事例
手形金債務不存在確認請求の訴えと右手形金請求の訴えとは既判力の範囲を同じくする同一の事件であるが、右手形金請求の訴えが手形訴訟で提起された場合には民訴法231条の重複起訴の禁止に抵触しないとされた事例
国税徴収法22条5項の交付要求は、配当要求の終期に拘束され、配当要求の終期に後れた交付要求によっては配当を受けることができない
既に逮捕勾留されている本犯者の訴追及び処罰を免れさせる目的で、身代わり犯人を警察に出頭させた場合に、その結果本犯者が釈放されなくとも、犯人隠避教唆罪が成立するとした事例
住居侵入未遂の事実の摘示が、窃盗未遂の事実を判示したものと解されるおそれがあり、原判決には理由不備の違法があるとされた事例
1 警察犬による臭気選別結果の証明力を否定した事例
2 偽計による自白の任意性を否定した事例
3 遺留靴内の足型及び血液型並びに素足痕の足型が被告人のものと異なるとして、犯人と被告人の同一性を否定した事例
被告人の捜査官に対する自白調書の任意性に疑いがあるとして、右自白調書の証拠能力が否定され、証拠の排除決定がなされた事例
1 厚生省援護局の身上調査票の記載の誤りを理由とする慰藉料請求等が認められなかった事例
2 他人の保有する個人情報に誤りがある場合と名誉ないし人格権に基づく訂正請求の可否(積極)