最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 別件による逮捕・勾留中の被疑者に対する本件についての取調べが許されない場合
2 別件による逮捕・勾留中の被疑者に対する本件についての取調べが、実質的に令状主義を潜脱するものであるとして、別件および本件による逮捕・勾留中の自白調書の証拠能力が否定された事例 3 自白およびこれを裏付けるべき客観的証拠の証拠価値に疑問があり、かつ、アリバイも成立するとして、殺人につき無罪が言い渡された事例
1 昭和42年法律第74号による改正前の土地収用法72条所定の相当な補償額の算定に当たり、各鑑定内容を詳細に検討し、取引事例を比較する方法を基本とした鑑定によるのが相当であるとして、右補償額を算定した事例
2 建物等が存在する収用地所有権の損失補償額算定に当たり、建付減価をすべきでないとした事例
3 残地補償額の算定に当たり、本件事業の結果による残地価格の上昇を考慮することを否定した事例
4 木造建築の移転料算定の事例
5 土地収用法88条所定の「通常受ける損失」には単なる将来の期待利益は含まないとして、Xら主張の将来の営業に関する利益の補償が否定された事例
タクシー会社の労働争議において、建物占拠、自動車抑留を内容とするストライキが違法とされ、労働組合に対し損害賠償の支払いが命じられた事例
店舗の賃借人が賃借建物の側面に自動点滅式の看板を設置したことが「付属設備の新設」に当たるとして、特約による賃貸借契約の解除が認められた事例
エヴァンス症候群罹患児の麻疹による死亡事故につき、麻疹予防接種の不施行が相当であり、院内における感染の事実も認められない等として、賠償請求が棄却された事例
夜間搬入の泥酔者が、医師の指示による帰宅後症状が急変し、他病院での開頭手術の結果死亡するに至った場合に、右医師に転送義務違背の過失を認めながらも、右結果との間の相当因果関係がないとして、請求が棄却された事例
会社の使用人にすぎない者が会社のためにすることを示さずして契約をし、相手方が会社のために締結することを知らなかったとして、商法504条但書を適用し代理人に契約責任を肯定した事例
いわゆる投資ジャーナルグループの一員である証券金融会社の正規の選任手続によらない登記簿上の名目的代表取締役について、商法14条を類推適用して商法266条の3の責任を認めた事例
振出日より前の日を満期とする手形の満期日が改ざんされ、これに気づかず右手形金を支払った銀行の振出人に対する責任が認められた事例(過失相殺9割)
判決言渡期日の調書に記載がなく判決の言渡しがされなかった違法があるとして、第一審判決を取り消したうえ、控訴審で自判した事例
賃料供託ずみの賃貸借契約の合意解除を内容とする訴訟上の和解中に賃貸人が「その余の請求を放棄する」旨の条項があっても、賃借人が和解成立後に右供託金全額を取り戻したときは、賃貸人は右供託金取戻し分の賃料を請求することができるとされた事例
一審訴訟手続が公示送達によってなされたが、被告が控訴期間を遵守できなかったことに、同人に責に帰することのできない事由があったとされた事例
抗告理由書を提出しなかったことにより却下された執行抗告却下決定に対する再度の執行抗告は、民執法10条5項を適用する前提事実の認定を誤り、同条項を適用すべきでないのにこれを適用したことを事由とする場合に限り許されるとされた事例
増改築等が一切できない等により建物価額を相当程度低落させるときは民執法75条にいう「損傷」にあたるとして、売却許可決定を取り消した事例