最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 労働者災害補償保険法57条2項所定の「この法律施行前に発生した事故」の意義
2 同法施行前にベンジジンの製造業務に従事したことによって同法施行後に発症した疾病等について、同法の適用がないとしてなした不支給処分が違法であるとして取り消された事例
恩給法(昭和21年法律31号による改正前のもの)は加算年の端月数に係る在職年の計算に当たり、端月数の切上げを許さない趣旨である
租税特別措置法(昭和57年法律第8号改正前のもの)31条の3第1項所定の特定市街化区域農地等とは現に耕作されているか、現に耕作されていない状態にあっても耕作するつもりになれば、いつでも簡単に耕作しうる田若しくは畑であることを要し、判示のような状況にある土地は農地とはいえないとされた事例
医療機関が肺結核による長期入院患者との診療契約を一方的に解除して退院させた場合に、これが許されないとする場合に当らず、その際新たな医療措置を講ずる義務も認められないとして、右患者からの賠償請求が排斥された事例
交通事故により被害者に頚椎椎間板ヘルニアが生じ、その手術を受けたところ、罹患していた肝硬変症が悪化して死亡した場合に、事故と死亡との因果関係を認めるとともに、事故の寄与率を3分の1とした事例
フォークリフトの運転者が誤って先端の爪を荷下し作業中のトラックに衝突させ、荷台の上の作業員に衝撃を与えてむちうち損傷等の傷害を与えた事故について、右運転者の損害賠償責任を認めた事例
加害車の運転者の実兄が自動車検査証、保管場所の届出および自賠責保険契約等の名義人となっている場合、その名義人となった経緯、加害車の使用状況等諸般の事情を総合考慮したうえ、右実兄に運行供用者責任を認めなかった事例
交通事故に関して和解が成立し、その和解金の一部が支払われた場合において、その和解が損害の一部に関するものであり、しかもその損害項目が明らかでないときは、全損害を算定したうえ、受領した和解金を控除するのが相当であるとした事例
1 半身不随の身体障害者たる妻を置き去りにし、長期間生活費を送金しなかった夫の行為が悪意の遺棄にあたるとして、妻からの離婚請求を認容した事例
2 妻の財産形成への寄与、双方の収入、夫の不貞行為による慰謝料、離婚後の扶養等一切の事情を考慮して、夫から妻の対し土地建物の財産分与を命じた事例
ブラジルで婚姻し2子をもうけて来日し、その後ボリビアで生活中に単身ブラジルに帰国したブラジル人妻に対する日本人夫からの離婚請求訴訟の国際的裁判管轄権がわが国にあるとされた事例
動産の買主の破産管財人が買受け動産を任意売却して売主の動産先取特権を消滅させた行為が売主に対する不法行為、不当利得に当たらないとした事例