最も長い歴史をもつ判例実務誌
警察官のパトカーによる追跡を受けて車両で逃走する者が惹起した事故により第三者が損害を被った場合において、右追跡行為が国家賠償法1条1項の適用上違法であるというための要件
原告らの公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法3条1項に基づく水俣病認定申請を棄却した処分がいずれも違法であるとして取り消された事例
退去強制令書に基づく執行のうち、強制送還部分の執行停止申立てにつき、再度の不法入国者であること等の事情を考慮し、法務大臣がした裁決に裁量権の濫用またはその範囲を逸脱した違法があるとはいえないとして却下された事例
建築基準法42条1項4号の道路指定等につき、右道路を前面道路とする建物の完成によって日照等の被害を受けたことを理由とする無効確認の訴えの利益がないとされた事例
1 納付すべき相続税額等または課税標準等に変動を来たさない再更正は抗告訴訟の対象となる処分に当たらない
2 遺言者が生前、相続税対策のため仮名または無記名預金を設定していた状態を利用し、受遺者がこれを受遺贈財産から除外して相続税の申告に及んだのは国税通則法第68条1項の「隠ぺい」に当たる
地位保全の仮処分が認容されている労働者からの賃金仮払仮処分につき必要性の疎明なしとして却下した決定に対する抗告審において、6か月先の期間に限り必要性を肯定して賃金仮払いを命じた事例
1 病院理事の退職金につき理事会の承認がないことを理由に支払いを拒むことは信義則上許されないとされた事例
2 退職慰労金について理事会の承認がない以上、支払請求をすることができないとされた事例
パチンコ店の経営者の暴力的懲戒に反発して暴れた従業員を制止しようとした他の従業員が鉄棒で殴られて負傷した事故について、右経営者の安全配慮義務違反の責任が認められた事例
覚書において、一方当事者が建物の一部撤去、残部補強整備義務を負担しているが、ただ、文言上、右補強整備義務は他方当事者の6ヵ月予告期間付解約により敷地一部の賃貸借が終了した場合に限り発生するかのように表現されている場合においても、覚書の全体を合理的に解釈するときは、右補強整備義務は他方当事者の前記敷地一部賃貸借契約更新拒絶により終了したときにも発生すると解釈するのが相当であるとされた事例
1 建築工事による生活妨害につき損害賠償が認容された事例
2 民法234条と建築基準法65条との関係
3 双方の目隠設置請求につき先後関係を考慮した事例
丙が乙に提起した建物明渡請求控訴事件につき不動産の真の所有者甲から委任を受けてその登記名義人乙の名で控訴した弁護士丁が、その控訴を取り下げた後、改めて甲の代理人として乙を被告とする建物所有権移転登記抹消登記請求の訴えを提起した場合に弁護士法25条の違反が成立しないし、その違反があったとしても訴訟行為の効力に影響がないとされた事例
不動産の競売において入札書の入札価額に1桁誤った記載があった場合につき買受申出人に重大な過失があったとして錯誤による買受申出の無効の主張が許されないとされた事例
1 刑法130条前段にいう「侵入」の意義
2 ビラ貼り目的の郵便局舎立入り行為が労働組合法1条2項の正当性の範囲を越え、実質的違法性に欠けるところはないとされた事例
3 建造物侵入罪の故意が阻却されないとされた事例
1 自己等の飲用に供するために製造した場合にも無免許酒類製造罪は成立するとされた事例
2 酒税法7条1項、54条1項の規定は憲法13条、29条1項、31条に違反しないとされた事例