最も長い歴史をもつ判例実務誌
併存する企業内労働組合の1つが使用者の提案する残業の条件を拒否していることを理由にその組合員に対して残業を命じていない使用者の行為が労働組合法7条3号の不当労働行為に当たるとされた事例
「大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律」第7条に基づく変更勧告は行政処分にあたらず、かつ、周辺中小小売業者は右変更勧告の取消しを求める原告適格を有しないとされた事例
ホテル火災により多数の死傷者が出た業務上過失致死傷被告事件において、同ホテルの代表取締役および取締役の両名の過失責任が認められた事例
特許出願の明細書の補正却下の決定に対する審判請求を排斥した審決の取消訴訟の係属中に特許出願の放棄がされた場合における訴えの利益の有無
他の船舶との衝突事故により沈没した船の所有者が右沈没船を除去すべき法令上の義務を履行することによって被った損害の賠償請求権と船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(昭和57年法律第54号による改正前のもの)3条1項2号所定の制限債権
取締役の報酬額には使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれない旨を明示してされた取締役の報酬額改訂の株主総会決議と商法269条
1 防衛庁長官に対し、自衛隊演習場において実施される射撃訓練の差止めを求める抗告訴訟の適否(消極)
2 防衛施設局長に対し、自衛隊演習場内への立入りを禁止する措置の差止めを求める抗告訴訟の適否(消極)
1 地方自治法243条の2の規定は、普通地方公共団体の長の賠償責任について適用されるか(消極)
2 町長の違法な公金支出を理由とする損害賠償の請求は、地方自治法242条の2の住民訴訟によってすることができる
1 固定資産評価審査委員会の口頭審理において、土地の固定資産の評価額の算出根拠が明示されず、審査申出人に対し不服事由に関する実質的な主張および立証の機会が与えられなかった場合には、口頭審理手続に重大な方式違背の瑕疵があるとして、これに基づく審査決定を違法として取り消した事例
2 納税者が縦覧することのできる固定資産課税台帳の範囲は、自己の所有にかかる固定資産に関する部分のみならず、固定資産の評価が適正かつ公平になされているか否かを検討するうえで合理的に必要な範囲の他の固定資産に関する部分も含まれるとした事例
労働者災害補償保険法の昭和35年改正法附則5条および昭和40年改正法附則15条2項と憲法14条、25条、27条2項(合憲)
県営ほ場整備事業施行のための換地処分において、11筆7ブロックの水田が9筆9ブロックの不整形な造成された水田等に換地されたとしても、農地の集団化を図り、かつ、照応の原則にも適合するものであって、適法な換地処分であるとされた事例
大学学部用地として一定の面積を確保することを条件に誘致を受け、土地区画整理組合員となった学校法人に対じ、事業計画の変更により16パーセント余減歩した仮換地指定処分が違法とされた事例
ホテルの増築について、建築確認申請・ホテル営業許可等申請の手続前にした市長のホテル等建築指導要綱に基づく同意は、行政処分ではないとされた事例
農地法36条1項1号に該当する者として農地の買受の申込みをした場合に、国が、同項3号に該当する者に対するものとして右農地を売り渡したとしても、右売渡処分は、無効とはならないとした事例
1 写真撮影用小道具としての椅子および腰掛けが、物品税法上の第二種物品にあたるとされた事例
2 物品税を申告しなかったことにつき正当な理由がなかったとされた事例
会社の主張する懲戒解雇の理由は、一応就業規則違反に該当すると認められるが、使用者である会社が懲戒解雇をなすに至った理由には、組合活動に対する嫌悪、組合に対する支配介入という不当労働行為意思の存在を認めることができるとして、従業員たる被控訴人(原告)らの従業員としての地位確認の請求が肯定された事例
ボーナス闘争中、就業時間外に、ライバル会社の妥結額を間違えてビラに記入して配布したため、会社に業務上、営業上支障が生じたとして、それを理由とする従業員に対する出勤停止処分は社会通念上、合理性を欠くとはいえないが、右事由を理由とする就業規則による通常解雇は不適法であるとされた事例
労働金庫法により設立された被告労働金庫と、その構成員である労働組合およびその間接構成員である組合員(破産者となっている)との間で締結された組合員の生活資金の貸付契約に基づき、右借入金の返還について、組合員の退職金から一括弁済をなすことが、労基法24条に違反しないとされた事例
被告会社の従業員からの同社の就業規則に基づく休業補償追加給付金の請求について、右労災事故の発生前に労働協約が改訂されているとして、変更前の就業規則による給付金の請求が認められなかった事例
労働組合に対する不当労働行為の解決金名下に当事者の企業ではなくそのいわゆる背景資本に対し金員の交付を要求した行為が社会的相当性を具備するものではないなどとされた事例
動産売買の先取特権者は、その先取特権自体の実行ないし保全をするため、債務者の占有する目的動産について動産仮差押えをすることは許されないとされた事例
国電に乗車しようとした旅客が右手を電車の扉に挟まれて負傷した事故につき、緊急通報措置をとらなかった駅員に過失があるとして国鉄の損害賠償責任が認められた事例
1 有線放送業者が、有線放送に使用するために市販のレコードから音楽等を磁気テープに録音した録音テープは、昭和53年法律第54号による改正前の物品税法1条別表第2種10号の7に定める「磁気音声再生機用のレコード」に該当するとされた事例
2 有線放送業者が、有線放送に使用するために市販のレコードから音楽等を磁気テープに録音する行為は、物品税法3条2項の「製造」に該当し、また、右録音テープを自ら有線放送に使用し、あるいは傘下の各放送所に搬出して無償でこれを交付し、または、他の業者に有償で販売する行為は、右同条2項の「移出」に該当するとされた事例