最も長い歴史をもつ判例実務誌
マンション建築に反対する附近住民が行った工事妨害、ビラ・看板の掲出行為などが不法行為を構成するとして損害賠償の支払いが命ぜられた事例
近隣商業地域内の3階建共同住宅による日照阻害等が受忍限度の範囲内であるとして、日照阻害等を理由とする建築差止め、損害賠償、目隠し設置の請求がいずれも棄却された事例
手形所持人の裏書人に対する手形上の権利について十分な担保を有している場合であっても、振出人に対する手形上の権利を被保全権利とする振出人に対する仮差押えの必要性を欠くものではないとされた事例
不動産の取得時効完成後に当該不動産を取得した第三者が、背信的悪意者にあたるとして時効取得者の登記の欠缺を主張し得ないとされた事例
権利能力なき社団を当事者とする訴訟を代表者として提起・追行してきた者が、正当な手続によって代表者として選任されたものでなく、社団を代表する権限のない者によって提起・追行されたとして訴えを却下した事例
精神衛生法33条所定のいわゆる同意入院の方式により精神病院の閉鎖病棟に入院させて身体を拘束するについてその手続に違法があったとして右精神病院の管理者たる医師および被拘束者の使用者たる医療法人の共同不法行為の成立を認めて慰藉料の支払いを命じた事例
1 動産売買の先取特権の物上代位に基づく債権差押命令の申立人は、物上代位権を取得したことを証する文書を提出すれば足りるとされた事例
2 先取特権の物上代位権の行使としての差押命令に対する執行抗告において、物上代位権の不存在または消滅等の実体上の事由を主張することができるとされた事例
1 訴えを提起した者がその理由のないことを知り、あるいは容易に知り得た場合には、右訴えの提起が不法行為を構成するとされた事例
2 ジャーナリストに虚偽の情報を提供し、それが新聞報道されるに至り、他人の名誉を毀損した者の不法行為責任が肯定されたが、謝罪広告掲載の請求は棄却された事例
弁護士報酬について一般宅地よりも低額になる要素をもった土地につき近隣基準地の公示価格をもって係争物の価格としたうえ、報酬規則を基本とし、事案の内容・難易、解決に要した時間・労力等の事情を勘案して算定した事例
太平洋戦争末期の沖縄戦における上官の指揮と行動を批判した「沖縄戦記」の記事につき名誉毀損の成立を認め、著者に対し35万円の慰藉料の支払いを命じた事例
保育園児の傷害事件に基づく保育園経営者に対する損害賠償請求事件の裁判上の和解において、訴訟の対象外の右園児と右経営者間の別の紛争についても、和解によって解決されたものと認められた事例
女性に夫があることを知りながら肉体関係をもち婚姻関係を破綻させた男性に不法行為責任を認め、500万円の慰藉料の支払いを命じた事例
1 私設市場における金地金の売買委託取引が商取法8条に違反するとされた事例 2 私設市場における金地金の売買委託取引に関し、仲介業者の不法行為責任が認められた事例 3 私設市場における金地金の売買委託取引に関し、法人格否認の法理ないし信義則に照らしA仲介業者の右取引についての不法行為責任をB仲介業者も免れないとされた事例 4 法人格否認の法理ないし信義則に照らしA会社の取引についての不法行為責任をB会社も免れない場合であっても、同取引に直接関与していないB会社の取締役は、A会社の右取引についてまで監視義務を負うものではないとされた事例 5 私設市場における金地金の売買委託取引に関し、同市場を開設していた会社の代表取締役は右市場を利用した会員仲介業者の違法行為を規制すべき義務があるとし、これを放置した過失により同会社の不法行為責任が認められた事例
香港市場における金の先物取引につき、顧客に対する会社、会社役員、外務員の共同不法行為責任を認めたが、顧客が安易に取引に応じた点等を考慮して、慰藉料請求は棄却した事例
台湾出身で日本居住の亡男に対する認知請求事件において、右亡男(父)につき、中華民国法(台湾法)を選択して認知請求を認容した事例
1 日本人妻から日本居住のフイリピン人夫に対する離婚請求事件につきわが国の国際的裁判管轄権を認めた事例
2 右離婚請求事件につき、法例30条の公序則を適用して、日本民法により離婚を認めた事例
3 右離婚請求事件につき、未成年子の親権者指定の準拠法たるフィリピン共和国民法中、法定別居判決のさいにおける未成年子の監護権者の指定に関する106条3項の趣旨を類推適用して子の利益を考慮し、母である日本人妻を親権者に指定した事例
過激派の内ゲバによる殺人、同未遂等につき、目撃者の犯人特定に関する供述の信用性に疑問がある理由を詳細に説示して、無罪の第一審判決を維持した事例
小児の麻疹脳炎の発生につき、開業医に説明義務ならびに診療上の義務の違背がいずれも認められないとして、控訴が棄却された事例
1 民訴法312条1号の(引用文書)にあたらないとされた事例((イ)(ロ)(ハ))
2 民訴法312条3号前段の(利益文書)にも後段の(法律関係文書)にもあたらないとされた事例((ロ)(ハ))