最も長い歴史をもつ判例実務誌
昭和58年4月10日施行の千葉県議会議員選挙当時における千葉県議会議員の選挙区等に関する条例(昭和49年千葉県条例第55号)による議員定数配分規定と公職選挙法15条7項牴触の有無(積極)
村長がその職務執行行為に関し個人として訴えられた損害賠償請求事件の応訴のための弁護士費用を村の予算から支出したことが違法な公金の支出にあたるとされた事例
共有者の一部の者の名義にされた所有権移転登記又は所有権移転請求権仮登記につき他の共有者が抹消登記手続を求めることができる範囲
1 有線電気通信法2条1項にいう「符号」にあたるとされた事例
2 有線電気通信法21条違反及び偽計業務妨害の両罪が成立するとされた事例
被告人を指称するものとして相当広範囲に定着していた名称を用いて再入国許可申請書を作成行使した所為が私文書偽造同行使罪にあたるとされた事例
都立工専校長が教官に対してした授業時間削減の措置が裁量権の濫用又は逸脱に当たる違法なものということはできないとされた事例
小学4年の児童が放課後校庭に設置されている回旋塔で遊戯中に発生した傷害事故について、相手児童の両親につき民法714条の監督者責任、区につき国家賠償法1条1項の損害賠償責任をいずれも否定した事例
公路に通ずる通路があるがその形状、幅員等からして社会通念上その土地の利用にとって不十分なものであるとして民法213条による囲繞地通行権を認めた事例
印刷業者に印刷用紙類を販売した者は、その代金につき右用紙類の上に先取特権をもつが、右印刷業者が注文者から受けるべき印刷加工代金に対してこの先取特権に基づく物上代位権を行使することができないとされた事例
人格権、環境権、物権的請求権等に基づき、球場ナイター設備(照明塔)設置工事の禁止を求める仮処分の申請中、照明塔工事が完成したことを理由に、将来の執行保全の目的を欠き、仮処分申請の利益が消滅したとして、右仮処分申請を却下した事例
1 遺言執行者がある場合において、相続人が特定不動産(遺贈登記済)の受遺者を被告として提起した遺言無効確認の訴えの適否(積極)
2 遺言者の生前受遺者の委任により遺言者につき準禁治産宣告の申立てを代理した弁護士が同事件係属中に証人として関与してなされた公正証書遺言が有効とされた事例
動産売買先取特権者は、債務者が破産宣告を受けた場合、もはや売掛代金債権を被保全債権として物上代位物たる目的債権につき仮差押をすることはできないとされた事例
クレジットカードの利用に限度額の定めがあり、かつ、契約者の自筆による署名がなければカードを使用できない旨の特約があっても、契約者は、他人がカードを不正に利用して負担した右限度額を超える債務について支払義務を免れることはできないとされた事例
1 委託を受けない土地売買仲介業者の報酬請求権
2 ゴルフ場用地の売買につき、仲介業者が同土地上に高圧送電線用の鉄塔の建設予定があることを買主に告知しなかったため、売買契約成立後に買主が売主に対する瑕疵担保責任に基づく損害賠償金の執行を保全するためその所有土地及び銀行預金を仮差押した場合において、売主からの仲介業者に対する債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償請求を一部認容した事例
約10か月近く父(夫)のもとで養育されていた1歳9か月の幼児につき、母(妻)からの人身保護請求(釈放・引渡請求)が認容された事例
1 人訴法32条1項、18条は憲法31条、32条に違反せず、父に対する死後認知等の訴訟について父の相続人に関与する機会を与えないでした認知等の判決も憲法に違反しない
2 父に対する死後認知等の訴訟について父の相続人が関与の機会を与えられないまま判決が確定した場合でも民訴法420条1項3号の再審事由に該当しない
家事審判手続における手続費用の負担について裁判をなすときは非訟事件手続法27条により費用の額を確定してなすべきところ、その負担者を定めたのみでその額を確定しないときは、民訴法195条2項の準用により費用の負担を命ずる裁判をした裁判所が補充の裁判をもってその額を確定すべきである
昭和45年12月出生未熟児の同網膜症による両眼失明事件につき、医師の診療並びに説明上の義務違背が認められないとして、原審の判断を維持した事例