最も長い歴史をもつ判例実務誌
無効票一票を見落した開票管理者の過誤により落選者とされたが後日くじで当選者となった町議からの損害賠償請求において、議員であったならば当然受けるべき過去の歳費相当の損害を認めた事例
自己所有の自動車の運転を友人に委ねて同乗中友人の惹起した事故により死亡した者が友人との関係において自動車損害賠償保障法3条の他人にあたらないとされた事例
商品取引員が商品取引所法(昭和49年法律第23号による改正前のもの)91条の2第1項の規定に違反して登録外務員以外の者をして締結させた先物売買取引委託契約の効カ
農業協同組合を共済者とする養老生命共済契約における災害給付金及び死亡割増特約金給付の免責事由である被共済者の「重大な過失」があるとされた事例
約束手形の裏書人が振出人の手形金支払義務の時効による消滅に伴い自己の所持人に対す償還義務も消滅したとしてその履行を免れようとすることが信義則に反し許されないとされた事例
抵当権者から、抵当権の目的物件について賃借権を主張するものに対し、右賃借権不存在確認を求める法律上の利益があるとした事例
借家法による解約申入れについて、正当事由の一要素として、都市再開発法による市街地再開発の必要性(木造低層建物の除却等)を斟酌しうるとした事例
1 宅建業者が、土地建物の売買の媒介にあたって依頼者に請求できる広告の料金に相当する額とは、報酬の範囲内でまかなうことが相当でない多額の費用を要する特別の広告の料金を意味するとした事例
2 宅建業者が、土地建物の売買の媒介にあたって広告の料金に相当する額を請求できるのは、特に依頼者から広告を行うことの依頼があり、その費用の負担につき事前に依頼者の承諾があった場合、又はこれと同視することのできる事後の承諾のあった場合に限るとした事例
連帯保証人が同時に物上保証人の資格を兼ねている場合、民法501条5号の適用については、頭数を単に1名として計算すべきである
小売市場内の店舗の賃貸借において右店舗内で販売できる商品の品目を特定のものに制限する特約がある場合に、右特約によって賃借人Xの販売品目とされている商品の販売を賃貸人Yが他の賃借人にも認めたことが、YのXに対する債務不履行として損害賠償が命じられた事例
民事執行法63条の規定を看過してされた売却許可決定であっても優先債権者の不服申立がない限り取り消すことができないとされた事例
1 約束手形の振出人と裏書人の各債務は民訴法59条前段の「義務力数人二付共通ナルトキ」にあたる
2 約束手形の振出人と裏書人を共同被告とする訴訟については民訴法21条の適用がある
区道の側溝等の改修工事の現場作業員が、区道とその西側の豆腐店との間にある露地から、豆腐店の顧客が工事中の集水桝に落ち込む危険を防止する措置をとらなかったとして、工事請負人に民法715条の責任を、区(東京都荒川区)に国家賠償法2条の責任を認めた事例
1 法律相談における回答につき不法行為が成立する場合
2 法律相談における回答につき弁護士の不法行為責任が否定された事例
3 受任事件の処理等につき弁護士の委任契約上の債務不履行責任、不法行為責任が否定された事例
任意競売申立が予想される建物につき、競売された場合には競落できるように協力する、第三者に競落された場合には少なくとも短期賃貸借の3年間は居住できるようにする旨を特約し、買主のために賃借権設定仮登記をして建物を売渡した売主らに債務不履行責任が認められた事例
自己破産の申立をした債務者に対し、破産法140条による国庫からの仮支弁をしないで費用の予納をさせたことが適法とされた事例
青色申告書に係る更正の取消訴訟において課税庁が更正を維持するために更正通知書に附記されていない理由を主張することの可否(積極)
真実は土地の所有者でないのに登記簿上共有者となっている者に対してされた当該土地の譲渡による所得についての課税処分が無効とはいえないとされた事例
タクシー会社が、従業員を雇用するに際して行なった健康診断の結果、精密検査を要するとの診断が出たにもかかわらず、これを本人に知らせないままタクシー業務につかせたため、病状(肺結核)が悪化したとして、債務不履行に基づく損害賠償請求が認められた事例
歯科医療につき、説明義務違反の主張に対する判断遺脱があるとしてなした再審請求につき、不変期間を徒過し、しかも、右遺脱もないとして、右再審の訴えを却下した事例
1 吸引分娩によるハゲが、医師の分娩、第一期において腹圧をかけよとの指示及び分娩第一期で吸引分娩術の適応がないのにこれを行った過失により発生したとして医師に損害賠償責任を認めた事例
2 将来予想されるハゲを小さくするための手術費用とハゲをかくすためのカツラの費用を損害と認めた事例
妻の節度を越えた宗教行為によって婚姻関係が破綻し、夫の女性関係や家出は右破綻したのちに生じたものであるとして、夫の妻に対する離婚請求を認めた事例
相続財産管理人が、被相続人の選任した訴訟代理人を解任し、訴えを取り下げるのは、いずれも民法103条の行為に含まれず、家庭裁判所の許可を要すると解すべきである
相続人が、被相続人が死亡して相続が開始し、かつ、自己が相続人となったことを知ってから民法915条1項の期間を経過した後であっても、右期間内に相続財産の存否の調査をしたのにこれを知ることができず、そのため相続財産が存在しないと信じ、そう信じたことに過失がない等特段の事情が存在するときは、相続財産の存在を知った後遅滞なく相続放棄等を申述することができるとした事例