最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 商品取引員が委託証拠金を徴することなしに商品市場で売買取引をした場合における商品取引員と委託者との間の契約の効力
2 商品取引の委託者が委託証拠金の預託をしない場合における商品取引員の受託建玉の処分義務
1 いわゆるファイナンス・リース契約においてリース業者が利用者の債務不履行を原因としてリース期間の途中でリース物件の返還を受けた場合と返還によって取得した利益の清算の必要
2 いわゆるファイナンス・リース契約においてリース期間の途中でリース物件の返還を受けたリース業者が返還によって取得した利益を清算すべき場合と右利益の算定基準
自己の金銭債権を保全するため通謀虚偽表示である意思表示により外形上成立した債権につき債権者代位権を行使した者と民法94条2項の第三者(右の者は右条項の第三者に当たらない)
割引を依頼されて手形の交付を受けた個人会社の代表取締役が割引金を交付しないで右手形金の支払を訴求したことが不法行為にあたるとして応訴費用相当の損害賠償請求が認められた事例
ビルの電動シャッターの操作につき、その開閉が内部からのみなされるようになっていた場合に、右シャッターの外側から腕を差しこんで内側のスイッチを押したことによる右上腕切断等の傷害につき、不法行為責任が否定された事例
埼玉県下の旧河合村が岩槻町と合併するに際し、蓮田町への合併を希望していた原告ら村民に対し、村長らが、岩槻町と合併後原告らの居住地区を蓮田町に合併させる旨約したにかかわらず、未だこれを履行しないとして求めた損害賠償請求が棄却された事例
倒産を目前にした会社が金融機関から融資を受けるため、右金融機関に対する旧債務の代物弁済としてした債権譲渡が詐害行為にあたるとされた事例
高層マンション等が建設されたことにより、風下の木造建物が受忍限度を超える風害を受けて損傷したとは認められないとして、右風害による損害賠償請求を棄却した事例
動産売買の先取特権の目的動産が転売されて代金債権に変わった後、右転売代金債権を当初の売買代金債権担保のため債権譲渡しても、それが当初の価格を超えない範囲においては破産債権者を害せず、否認の対象とならないとした事例
ゴルフプレー中後続のプレーヤーの打球が先行のプレーヤーに直撃した負傷事故につき、後続プレーヤーとコース経営者の損害賠償責任が肯定された事例
汚水処理施設の売買契約においてオイルショックによる資材高謄を理由として売主のなした代金の増額要求につき便乗値上げ分等を控除した相当額を限度にこれを認めた事例
贈賄被疑事件の新聞報道が事実に反するなどとして名誉毀損の成立を認め、新聞社に対し90万円の損害賠償の支払を命じた事例
参議院地方選出議員定数配分規定は、昭和55年6月22日の同議員選挙当時、全体として選挙権平等の原則に関する憲法の要求には適合しない状態となっていたが、国会がその合理的裁量によって憲法上要求される合理的に相当な期間内に是正をしなかったとはいえず、したがって違憲であったとまで断定できないとされた事例
1 労基法26条の趣旨
2 航空会社の一つの営業所におけるストライキによって予定飛行便の運行が不可能となったため、同便の経由する他の営業所における従業員らの就労が不必要、無価値となったとして、会社が休業を命じた結果、右従業員らが就労できなかった場合において、右不就労は使用者の責に帰すべき事由によるものであるとして、右不就労期間中の休業手当の支払請求を認容した事例
パートタイムのプレス工として稼働していた主婦につきその労働能力の減退による逸失利益を事故当時支給されていた賃金の額と全勤労時間中に右プレス作業の占める割合とに基づいて算定した事例
フォークリフト車上の鋳鉄管を、これに横づけされたトラックに積込む作業中に起きた事故が、右フォークリフト車の運行によって惹起されたものであるとして、自賠法3条の損害賠償責任が認められた事例
業務上の労災事故により被用者の被った損害を使用者が賠償しても、使用者は被用者の有する将来の労災保除給付請求権を取得するものではないとされた事例
胃癌の疑いある患者に対する胃切除手術とその際の患者らへの説明、及び、その後の3回にわたる同部への手術の施行につき、関与医師らにいずれも義務違背がないとして、その死亡の結果に対する賠償責任を否定した事例
自転車に乗って県道を通行中の者が突風によりバランスを失い側溝に転落して負傷した事故につき、防護柵を欠いた点における道路の設置・管理の瑕疵が否定された事例
交通事故の被害者が受傷を苦にして自殺した場合に、事故と自殺との間に相当因果関係を肯定したが、受傷の自殺への寄与度を考慮し、不法行為者に50パーセントの責任を課すのが相当であるとした事例
美術の著作物であっても、著作権存続期間満了後である以上、その原作品の所有者は、有体物としての排他的支配権能である所有権の内容として、無体物としての利用・支配の対象である著作物としての原作品の影像や写真に対する排他的な支配権を取得するいわれはないとして、控訴人取得前の所有者の許諾のもとに撮影した写真原板に基づき出版された法帖複製本の販売差止請求が排斥された事例
「NHK特集 がんと丸山ワクチン」の放映が、丸山ワクチン関係の多数の書籍雑誌の1冊として原告ら著作、出版の書籍「ガンと丸山ワクチン」を数秒間画面に登場させたことは、何ら原告らの著作者人格権、名誉権、営業上の利益を害したことにならないとして、損害賠償請求が却けられた事例
「ヨドバシカメラ」の表示が、カメラ関連商品を含めた雑貨安売りを謳う控訴人の営業表示として、少なくとも東京都近傍において周知であったとして、その本店所在地から百米近辺で営業する被控訴人の表示「ヨドバシポルノ」、「ヨドバシ百貨」がこれと類似し、その使用が不正競争防止法1条1項2号にいう営業主体混同行為に当たるとして、その使用差止、抹消請求が認められた事例
1 結果発生時を異にする過失犯が観念的競合である場合の公訴時効
2 憲法37条1項の迅速裁判の保障条項の趣旨を起訴前の段階に推及し得る限界
3 構造型過失に基づく業務上過失致死傷罪における実行行為性
4 同罪における結果発生の予見可能性の意義