最も長い歴史をもつ判例実務誌
大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律7条に基づく変更勧告は抗告訴訟の対象となる処分にあたらず、かつ、周辺中小小売業者は右変更勧告の取消を求める原告適格を有しないとされた事例
他人の氏名が限られた範囲で被告人を指称するものとして通用していた場合において右氏名を用いて交通切符の供述書を作成した所為と私文書偽造罪の成否
入札期日において入札催告から締切りまでに民事執行規則41条1項の時間を置かなかったことは民事執行法71条7号により売却不許可事由となる
土地登記簿表題部所有者欄に「財団法人朝鮮総督府部内職員共済事業後援会」の記載があることから、右財団法人が現存するものと推認した事例
町の選挙管理委員会職員によるコンピューターヘのデータ投入ミスにつき是正措置がなされなかったことが公務員の職務上の過失に当るとして、その結果他の投票区において投票を余儀なくされた者の慰藉料請求を認容した事例
告訴の申出が犯罪事実の申告に当らないとして、これを告訴として取扱わなかったことが違法な職務執行に当らないとされた事例
会社財産の譲渡契約の当事者の一方が会社かあるいは会社代表者個人かという点に関する主張の変更が時機に後れ著しく訴訟の完結を遅延させるものとは認められないとされた事例
1 交通事故の原因について捜査機関に虚偽の供述をした者は右供述を基本として起訴された者に対し不法行為責任を負うとされた事例
2 消滅時効の援用が信義則違反、権利濫用にあたるとされた事例
土地の一部譲渡により袋地が生じた後囲繞地の所有権が第三者に譲渡された場合でもすでに囲繞地内に通路が開設されていれば通行受忍の負担は右第三者に承継されるとした事例
土地の地価が1000万円を超えたときは、その上昇分の半分を土地または金銭で元の所有割合に応じて返還すべき債務を負う合意はいわゆる選択債務が成立したものと解すべきであるとされた事例
一筆の土地の一部を賃借し、その土地が第三者の賃借土地に囲まれ、直接公路に通じていない場合に、囲繞地の一つである第三者の賃借土地が右袋地と同一人の所有に属し、直接公路に通じている場合には、民法213条2項の準用により、その囲繞地通行権は、右の同一賃貸人から賃借している他の賃借人の土地に対してのみ主張することができると解すべきであるとされた事例
別件の建築基準法違反行為を是正しないことを理由として建築確認申請等の審査を停止することが違法であるとする市に対する損害賠償請求が認容された事例
「暴走族100人の疾走」という本を引用した新聞の犯罪記事について名誉毀損の成立を認め出版社と発売元に対し各100万円の損害を賠償するよう命じた事例
出入国管理令に基づく退去強制処分のうち送還部分について、一審判決言渡しの日から1か月を経過する日までに限り停止が認められた事例
地方議会の議員除名処分の執行停止が認容された事案において 1 地方自治法134条1項の懲罰権の及ぶ範囲とその根拠について詳細に説示した事例 2 本案訴訟において、処分が取消される蓋然性が極めて高いときには、違法状態の早期是正の見地から、当然に、行政事件訴訟法25条2項、及び、同法8条2項2号もしくは3号の各要件が充足されるとした事例
1 企業施設内の組合事務所の貸与が無償であっても、使用者は、合理的理由がなければ、その返還を求めることができないとされた事例
2 使用者が無償で貸与した組合事務所について、使用者にその修繕義務がないとされた事例
3 組合事務所の使用権に基づく妨害排除請求について、弁護士費用の賠償が否定された事例
4 法人格のある労働組合の慰藉料請求権が否定された事例
1 全電通労組の支部に民訴法46条による当事者能力が認められた事例
2 参議院議員選挙に際し、特定政党の候補者を応援支持するとの組合決議に違反して、他の政党の候補者を支持する旨の内容を記載したビラ等を配布する等の選挙活動を理由としてなされた統制処分が無効とされた事例
3 名誉毀損につき、謝罪文の交付、謝罪広告を命ずることは相当でないとされた事例
更生債権者の組の同意を得られなかった更生計画案につき、更生債権者のために権利保護条項を定めないで計画案を認可した決定が違法でないとされた事例
1 約束手形金請求の訴が可能である場合、その請求権確認の訴は確認の利益を欠き不適法であるとした事例
2 XのYに対する約束手形金請求訴訟に、Zが右手形金債権は自己に属するとして、Xに対し右手形金債権がZに属することの確認、Yに対し右手形金支払を求めて参加した場合、XのYに対する請求を棄却し、ZのX及びYに対する各請求を認容する旨の一審判決に対し、Yがその敗訴部分の取消、ZのYに対する請求の棄却を求めて控訴したにとどまり、Xが控訴又は附帯控訴をしない場合であっても、一審判決中ZのXに対する請求を認容した部分は確定を遮断 され、控訴審は合一確定のため一 審判決中右部分をZに不利に変更 することができるとされた事例
3 営業主は、使用人の手形振出の代理権の欠缺を知らないことにつき重大な過失がある第三者に対しては、右使用人が営業主名義で振出した約束手形について、商法43条2項による責任を負わないとされた事例
4 手形振出の代理権を有しない被用者による約束手形の振出行為が民法715条1項の「事業ノ執行ニ付キ」なされたと認められる場合、右手形の受取人である被害者が重大な過失によって右代理権の欠缺を知らなかったときに、過失相殺をした事例
建設会社の手形行為をなす権限のない営業所長名義を利用して同所長代理が手形裏書を偽造した場合、右営業所長を商法42条の表見支配人に該当するとしたうえ所長代理をその包括的代理人と認めて、会社の手形裏書人としての責任を肯定した事例
資産超過の状態にある更生会社の更生計画において無償消却による減資をなし親会社の株式および更生債権を他の株主および債権者に比し減資率・弁済率において劣位に取り扱ったとしても不公正不衡平とはいえないとされた事例
1 土地の根抵当権と譲渡担保手形を目的として届出られた更生担保権につき管財人の異議により根抵当権の極度額で確定しても両者がその目的となったものと認められた事例
2 手形の譲渡担保の会社更生手続における取扱い(更生担保権)
1 交差点入口における一時停止義務違反は、交差道路の歩行者との関係においても、業務上の過失の内容となり得る
2 検察官から、当初の訴因であれば有罪となしうるのに、変更後の訴因によると無罪となるような場合において、かかる訴因変更請求がなされたのに対し、裁判所がこれを許可し、訴因の再変更を促し又は命ずる措置をとることなく無罪判決を下したことは、審理不尽の違法があるとした事例
強盗殺人事件(本件)の容疑者を、詐欺被疑事実(別件)により逮捕勾留し、右別件による勾留中に得られた被疑者の供述調書を疎明資料として、本件につき更に逮捕勾留した事例において、別件勾留中の本件についての供述調書及び、その後の本件勾留中の供述調書につき証拠能力を肯定した事例
代金支払の意思及び能力のない者が、クレジットカードを発行する信販会社の会員となりカードの発行を受け、同力ードを利用して加盟店から物品を購入するなどした場合に加盟店に対する詐欺罪の成立を認めた事例
競馬の競争に関する情報を騎手が特定の第三者に提供し、その対価として現金の供与を受けた場合において競馬法上の収賄罪の成立を認めた事例