最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 認諾による前訴訟終了の直前における請求の趣旨拡張申立てを一部請求の実質的明示と認め、後訴に既判力の牴触はないとした事例
2 精神病患者に対する措置入院命令等に要件及び手続上の違法がないとした事例
3 措置入院中の精神病患者の自殺について医師らに看護義務違背があるとし、県に対し国賠法1条の責任を認めたが、医師による損害の填補を理由として請求を棄却した事例
破産法72条2号の危機否認において当該債権者が他の債権者を害する意思を有したこと及び破産者の財産を減少させることは、いずれも否認の要件ではないとした事例
不動産競売事件につき債権者の申請により競売期日の延期を3回認め、4回目の延期を認めず、競売を実施した措置が不当とされた事例
専属的合意管轄の定めがある場合でも、訴訟の著しい遅滞を避けるという公益的要請があるときは、民訴法31条により、事件を他の法定の管轄裁判所に移送することができる
不動産登記法44条の保証書の作成を拒否すべき義務又はその作成に先だって登記義務者本人の登記申請意思の有無を実際に調査すべき義務が免除されたと認められた事例
清算未了の帰属清算型仮登記担保の権利者から目的不動産を譲り受けて所有権取得の登記を経由した第三者が、清算未了につき善意であったとして、右登記の抹消請求を排斥した事例
1 郵便貯金法18条・同規則54条2項にいう「通帳等の亡失」とは、通帳等の所在が判明しないためその占有を回復する方途がない場合をいうものと解するのが相当である
2 郵便貯金証書又は通帳の提出又は提示と引換えに貯金の払戻を求める訴が将来の給付の訴であつて、あらかじめ請求する必要性を欠くものとして却下された事例
建物賃貸借契約の更新拒絶による期間満了解約申入または終了を理由とする建物明渡請求と右賃貸借契約の存続を前提とする更新料の支払と賃料額の確定を求める請求とは請求の基礎を同じくしないとして訴の追加的変更を不許とした事例
訴外人が、被告Aと締結した寄託契約における実質上の寄託者が被告Bであると認定して、原告の被告Bの被告Aに対する寄託契約上の権利の存在の確認請求を肯認した事例
1 連帯保証契約の自称代理人がその親である本人の印鑑証明書を持参した場合においても、相手方は本人に連帯保証の意思の有無を確認すべき義務があるとして、その確認を怠った相手方につき代理権ありと信ずるにつき正当な事由があるとはいえないとした事例
2 無権代理人による連帯保証債務の請求を受けた本人が履行方法について話合いをする旨回答したうえ、主債務者の破産財団から配当を受領した残額について請求して欲しい旨の申入をしたとしても、右の無権代理を追認したとはいえないとされた事例
賭麻雀の賭金の支払にあてることを知りながら金銭の貸与がなされた場合であっても、それが単に使途を容認したにすぎないなど判示の事情があるときは、不法原因給付に当らないとされた事例
事実上の継続的取引をしていた売主が、買主に対して商品の販売中止を申入れ、商品の出荷を停止したことが債務不履行に該当しないとされた事例
人の名誉信用を毀損すべき内容の新聞報道が専ら公益を図る目的でその者にかかる恐喝被疑事件の捜査担当の刑事課長からの公式発表とその際に交付されたメモに基づきなされたことを理由に右報道が不法行為にあたらないと認められた事例
故障した工作機械の誤作動による右手指挫滅の受傷につき、安全保護義務違反を内容とする債務不履行による損害賠償請求が認められた事例
1 抵当権の物上代位は火災保険金請求権に及ぶか(積極)
2 民法372条により準用される同法304条の「払渡又ハ引渡前二差押ヲ為スコトヲ要ス」の意義
3 仮差押の効力について手続相対効の主張を排し個別相対効を採用した事例
市議会議員に対する「研修図書購入費」の支給が違法であるとして住民が市長に対し損害賠償を訴求した住民訴訟が認容された事例
1 在留期間更新不許可処分の効力停止に訴えの利益があるか(積極)
2 退去強制手続は在留期間更新手続の続行といえるか(積極)
子宮摘出手術に際して尿管を結紮した事実は認められないとし、他医による左腎摘出の結果について、右手術医の過失を否定した事例
1 交通事故被害者の左半身麻痺が、第六頚椎圧迫骨折か大脳皮質性片麻痺かのいずれかを原因とすると選択的に認定した事例
2 国民年金上の障害年金の既給付分は損益相殺の対象となり、未給付分はならないとした事例
3 治療費等の積極損害につき、事故発生時から支払時までの中間利息を控除した上、事故発生時からの遅延損害金を付した事例
市バスの急停車によって乗客が怪我した場合に自賠法3条但書の免責の抗弁の立証が尽されないとして市の賠償責任が認められた事例
リース業者がリース契約を解除してリース物件を期間満了前に引揚げた場合には残存期間のリース物件の利用価値はユーザーに返戻すべきであるとされた事例
経営が破綻に瀕した子会社に対し親会社の取締役が融資を継続した場合において、たとえ子会社の再建が失敗に終り資産の回収が不能に帰したとしても、右取締役の行為が親会社の利益を図るために出たものであること、融資継続の当否につき内部的検討を尽したこと、融資の継続により子会社の再建が可能な客観的情況があったこと等判示認定の事実関係の下においては、当該取締役の融資継続行為は企業人としての合理的選択の範囲を外れたものではなく、親会社に対する忠実義務違反は成立しない
職業安定法32条1項本文は、有料職業紹介事業を、それが求職者の自由意思を制限する虞れの有無にかかわらず、同法5条にいう職業紹介である限り一律に禁止したものである
陰部に相当する部分が黒色マジックインキで塗りつぶされている写真につき、画像の復元が容易であることを理由に、わいせつの図画に当たるとした事例