最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 国家公務員法103条1項、人事院規則14―7第5項4号、第6項13号の規定の違背を理由とする懲戒処分と憲法21条
2 一般職の国家公務員がメーデーの集団示威行進に際し内閣打倒等と記載された横断幕を掲げて行進する行為が人事院規則14―7第5項4号、第6項13号に該当するとされた事例
民放のラジオアナウンサーとして採用された女性職員に、業務局編成業務部(主にキーパンチャーの業務)勤務を命じた配転命令が無効とされた事例
1 常習累犯窃盗の罪と窃盗の着手に至らない窃盗目的の住居侵入の罪との罪数関係
2 不起訴となった窃盗目的の住居侵入の罪につき発せられた勾留状による未決勾留日数を起訴された常習累犯窃盗の罪につき処せられた本刑に算入することの可否
産業廃棄物処理業を営む協同組合の業務に関し廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和51年法律第68号による改正前のもの)25条の違反行為をした同組合代表者の処罰と同法29条の適用の要否
東北・上越新幹線工事実施計画変更に関する認可の取消訴訟については建設路線地域の所在地の裁判所にも管轄があるとされた事例
三井寺の寺域内にトンネルで道路を建設させることを目的とする土地収用裁決に対する執行停止申請が、回復困難な損害が認められないとして却下された事例
請求者が被拘束者(幼児)を引取り監護養育することが被拘束者のため不相当ではなく、加えて拘束者による被拘束者の拘束の開始が調停係属中に請求者による平穏な監護状態を実力で排除してなされたことなどから拘束の違法性が顕著であるとして、人身保護請求を認容した事例
1 国立大学の教務職員の勤務時間は、午前8時30分からであって、これは強行法規の性格を有する法令で定められているから、学問の自由の名のもとにこれを自由に配分し得るものではなく、これと異る慣行又は慣習法の成立が認められないとされた事例
2 行政庁に対するいわゆる義務づけ訴訟が不適法とされた事例
3 代理人によってなされた行政措置要求を拒否することは違法でないとされた事例
簡易生命保険の保険料払込団体である旅行会の旅行に随行していた郵便局員の旅行先での急性心臓死が公務上の災害と認められた事例
左頚部腫瘤診断のため、局所麻すい下、その組織片の摘出手術を施行した医師につき、不用意な執刀により頚椎神経を切断した過失があるとして、国に対し、債務不履行による賠償責任を肯定した事例
下垂体腫瘍による末端肥大症の患者に対し放射線療法を実施した医師らにつき、患者の現症状はその有する右肥大症によるものであるとして、その賠償責任を否定した事例
エス・エフ・デー児に対する検査等の不実施により、低血糖状態から進んでこれを死亡するに至らせたとして、開業産婦人科医の債務不履行責任を肯定した事例
原付自転車による転倒事故後の失語症は、事故による重篤な脳挫傷に起因する等とし、医師の診療上の義務違背がないとした事例
患者が、診察台上で体位を転換しようとした際、その留め具がはずれて台の床部が落下し、左環指挫創等の傷害を負った場合に、医師らについて、患者の安全確認に努める義務の違背が推定されるとした事例
自動車事故による受傷者が共同運行供用者の一人であってもその運行支配の程度態様に照らし自賠法3条にいわゆる他人にあたるとして保護された事例
甲会社の取引先である乙会社の旅行にさそわれ、休暇届を出してこれに参加した甲会社の営業担当者が、乙会社所有の自動車を運転中に惹起した交通事故について、その運転が職務の範囲に属しないとして、甲会社の使用者責任を否定した事例
連子あることを秘して婚姻した女性から、婚姻後同居している連子に対する夫の態度が冷いため婚姻破綻を招いたことを原因とする離婚請求を認容し、夫婦双方からの慰藉料請求をいずれも棄却した事例
民法772条の類推適用により父性の推定を受ける子について父子関係が確実で、父の死亡を死亡の日から3年経過後に知り、かつ父の親族も認知を希望している等の事情があっても、認知の訴の出訴期間の制限の適用を排除することは許されない
日本人妻からの離婚請求事件において被告夫の本国法たる英国イングランド法によるべき場合に法例29条(反致)の趣旨により法廷地法たる日本法を適用してこれを認容した事例
1 被告の住居所がわが国に存しない場合に日本の裁判所に離婚の裁判管轄権を認めた事例
2 離婚を認めないフィリピン共和国の国籍をもつ夫と日本人である妻との離婚に関する準拠法
有限会社組織による共同経営から設立者(発起人)の1人が脱退したことにより会社が不成立に終った場合における商法194条の類推適用ないし準用の有無(消極)
1 和議開始前において、債権者の強制執行により和議の成立が危ぶまれるときは、和議法20条1項に基き、その債権者を相手方として強制執行の申立を禁止する保全処分を許容することができる
2 右の場合は、既存の強制執行の停止を求める場合と異なり、和議開始の可能性が相当程度に達していることを要件としない
「(有)むらさき商事運輸」の会社表示は、「有限会社むらさき商事」において従前同表示を常用した事跡がないこと、同表示の住所電話番号が「有限会社むらさき商事」のそれでないこと等判示認定の事実関係の下においては、「有限会社むらさき商事」を表示するものとはいえない