最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 立法行為又は立法不作為と国賠法の適用(積極) 2 選挙権の保障には投票の機会の平等の保障も含まれるか(積極) 3 在宅投票制度を廃止する立法は違憲、違法なものであるとされた事例 4 在宅投票制度を廃止する立法をした国会議員に故意・過失がなかったとして損害賠償請求が認められなかった事例
1 自動車速度監視装置(「オービス3」という)による写真撮影は、憲法13条の保障する、いわゆる肖像権、プライパシーの権利の侵害にあたらないとされた事例 2 オービス3によって撮影された写真(速度測定記録)等の証拠は、その収集手続において憲法31条、同35条、刑事訴訟法218条等に違反するものではなく、適法な証拠として許容される 3 オービス3による速度違反車両の取締りは「不合理な差別」にはあたらず、憲法14条に違反しない 4 オービス3による速度違反車両の取締りは集会および結社の自由を侵害するものではなく、憲法21条に違反しない 5 オービス3による速度違反車両の取締りは被疑者・被告人の防禦権を侵害するものではなく、従って適正手続(デュー・プロセス)を保障した憲法31条に違反するものではない
刑法上の贈賄罪が町議会の議長選挙に関して犯された場合と公職選挙法11条1項4号にいう「法律で定めるところにより行なわれる選挙、投票及び国民審査に関する犯罪」
1 農林大臣の許可を受け指定漁業を営むことができる地位と担保の目的 2 農林大臣の許可を受け指定漁業を営むことができる地位を目的とする担保と民法504条の担保
甲・乙両自動車の運行により生じた交通事故につき乙自動車の関係で自賠責保険金が得られる場合と逃走した甲自動車の関係での保障金請求の可否
株主総会決議無効確認の訴が株主総会決議取消の訴の要件をみたしている場合における決議取消の主張と決議取消の訴としての出訴期間の遵守
1 拘禁場又は械具の損壊による加重逃走罪における実行の着手 2 拘禁場又は械具の損壊による加重逃走罪につき実行の着手があったとされた事例
非公務員に収賄罪の共同正犯の成立を認めるのは罪刑法定主義に反するとの上告趣意を、単なる法令違反の主張であって適法な上告理由にあたらないとして排斥した事例
1 公職選挙法235条の2第2号にいう選挙に関する「報道又は評論」の意義 2 公職選挙法235条の2第2号違反の行為と違法性の阻却 3 公職選挙法148条3項1号イの「新聞紙にあっては毎月3回以上」の部分と憲法21条、14条
大学の図書館棟建物建築による日照阻害を理由として隣接学校から右建物建築禁止を求める仮処分申請がなされたが被保全権利の疎明がないとして却下された事例
競売目的土地(雑種地)が市街化調整区域内にあることを看過した鑑定評価に基づく不当に高額の疑いある最低競売価額の公告と競売手続の違法性(積極)
仮執行宣言付判決に関して民訴法512条に基づいて具体的な強制処分を取り消す旨の決定は、前記判決にその強制執行のすべてを停止する効力があるとされた事例
深夜時間外労働に対する割増賃金等の請求と関連して、麻雀荘従業員からする売上伝票に対する文書提出命令の申立が民訴法312条3号後段により許容された事例
宅地建物取引主任者の名義を他人に貸した者は、その他人が違法な宅地建物取引行為を行って第三者に損害を与えた場合には、その他人とともに共同不法行為の責任を免れないとされた事例
契約当事者双方の過失の程度、原因、その他諸般の事情を考慮し、公平の原則ないし信義則に基づいて債務不履行による損害賠償責任が否定された事例
市立中学校における美術の授業時間に担当教師が一クラスの生徒全員を校内に散らばらせて写生を指導中、一生徒が他の生徒に向かって投石し両眼に著しい傷害を与えた事故が発生したことにつき、担当教師に監督上の過失があったと認定して市に対し国賠法1条による損害賠償責任を認めた事例
軽油の継続的売買契約の締結後間もなく仕入価格の上昇を理由としてなされた売主からの約定価格の値上げ要求に買主が応じなかったことが信義則に反しないとされた事例
歩道上に車体の一部を出して駐車している大型貨物自動車を発進させそのまま歩道上を横切って通過しようとする運転者は、自車の構造上歩道内に死角圏が存在する場合には、誘導者などによって死角を消除したうえ発進すべき注意義務を負うとされた事例
県議会議員が 1 県有地払下げをめぐり、払下げを希望している企業からの依頼を受けその者のために払下げ促進の交渉に関与する行為 2 右払下げに伴う企業間の紛争につき、県が行なう調停工作に、県の依頼をも受けて関与する行為等を、いずれも県議会議員としての「職務と密接な関係のある行為」に該らないとした事例