最も長い歴史をもつ判例実務誌
東京都公安条例1条、5条所定の無許可集団示威運動指導の罪が成立するには、当該運動が暴力的行動にまで発展する具体的危険性を帯有することを要するか(消極)
石油製品販売業者間のいわゆる空業転の一連の取引の破綻において目的物の引渡がなされたのと同視しうる状態にあるとして買主による解除権の行使が認められなかった事例
司法書士が、嘱託人の訴提起に際し助言指導することも、一般的な法律常識の範囲内で、かつ個別的な書類作成行為に収束されるものであれば、弁護士法77条、72条に違反しない
1 地方裁判所における審理に判事補の参与を認める規則の目的 2 地方裁判所における審理に判事補の参与を認める規則と二人合議制
未成年の子の財産につき、両親が子を代理して他に売却したことが、実質的には両親の債務の内入弁済に代えての譲渡であり、利益相反行為に当るとして、無効とされた事例
法人格のない社団である住宅管理組合の総会決議について手続上の瑕疵を理由として右総会決議の取消しを訴求することが許されるか(消極)
1 担保保存義務に反してされた任意売却代金の弁済充当と保証人の免責の限度 2 担保保存義務免除の特約が信義則に反し許されないとされた事例
1 信用金庫との取引における共通担保約款の効力 2 手形買戻請求権と預金払戻債務との相殺が認められた事例 3 手形買戻請求権の弁済期
1 遺産維持の寄与についての法律構成 2 寄与分と相続分、遺産分割との関係 3 維持の寄与額算定の基準につき判示した事
1 請求権競合関係にある一方の請求権を被保全権利とする仮差押と他方の請求権についての消滅時効中断の効力 2 権利の一部を請求債権とする仮差押と消滅時効中断の権利範囲
破産者が破産宣告前に被った不法行為による慰藉料請求権は、破産財団に属し、破産者はこれにつき当事者として訴訟を追行する適格を有しない
マンションの分譲に際し、分譲者と全買主との間でなされた合意に基づき、屋上広告塔を区分所有者たる分譲者又はその指定する者に無償で専用利用させる旨定めた管理規約が有効とされた事例
政令及び総理府令に基づいて職員の学歴、昇任、昇給、表彰等が記入される人事記録について、文書提出命令の申し立てが却下された事例
1 「虚偽の陳述」も民訴法609条2項に該当するか(積極) 2 同条項の「損害賠償」につき民法468条1項所定の異議なき承諾と同様の効果を有するか(消極)
築炉工事の注文者が請負人に対し相当期間内に当該工事の着手を指示しないことを注文者の債務不履行として、請負人の解除権の行使を認めた事例
民法717条1項の所有者の責任は実体法上は二 次的責任であるが、訴訟法上は、被害者は工作物の占有者に過失のないことを前提としてその所有者に直ちに損害賠償を請求しうる
1 韓国人である父が嫡出でない韓国人である子につき日本においてした嫡出子出産届と認知の効力(積極) 2 不法行為により死亡した者の損害賠償債権を相続した者が右死亡により支給される遺族補償年金の受給権者でない場合に相続した損害賠償債権額から右給付相当額を控除することの可否(積極)
1 原子爆弾被爆者の医療等に関する法律の法的性格 2 せき髄円錐上部症候群が原子爆弾の被爆時の外傷若しくは放射能照射又は両者の競合した傷害作用に起因するものではないとされた事例
退職所得となるべき会社従業員の退職手当等の金額が、会社所定の退職給与規則によらずに、国家公務員等退職手当法4条、7条により算出された金額に準拠して定められた事例
1 行政不服審査法14条1項にいう「処分があったこと」の意義 2 土地区画整理法103条1項による換地処分に対する審査請求の期間の起算日は、換地処分の通知があった日の翌日である
1 郵政職員の勤務関係の性質 2 郵政職員の時問外労働義務の根拠 3 郵政職員らがいわゆる「はみだし休憩」と称して所定の勤務を5ないし15分欠いて退庁したこと、超過勤務命令を拒否したことを理由になされた戒告処分又は訓告が適法であるとされた事例
賃金、昇格等労働条件につき差別取扱いがなされていることを理由とする、賃金または損害賠償請求訴訟提起準備のための証拠保全として、使用者である会社の調整・保存にかゝる賃金台帳の提出命令を申立てた事案につき、右台帳が民訴法312条3号後段の文書に該当するとして、右申立てが認容された事例
1 産婦を要約者、産婦人科医を諾約者、胎児を第三者とする診療介助についての第三者のためにする契約の成立が認められた事例 2 鉗子分娩術において胎児の眼球を傷つけたにも拘わらず、鉗子操作に過誤がないとされた事例
商社が中間売買人として介入したいわゆる「つけ売買」において、中間の買主が中間の売主に対し物品受領書を交付するなどして目的物が納入されたかのような態度を示し、右売主をして輸入業者に代金を支払わせる起因を作出した場合には、後日右売主に対し目的物の引渡がないことを理由に右売買契約を解除することは信義則上許されないとされた事例
有限会社法30条ノ2により第三者が取締役に対し直接損害の賠償を求めるためには、会社から債権の満足を受けられないことが確定したかまたはその支払を受けることが客観的に著しく困難となったことを要するものとされた事例
不動産の売却又は購入の仲介を委託された不動産業者が、他の不動産業者の仲介により成立した売買契約について報酬ないし損害賠償請求権を有しないとされた事例
元請会社の制服や注文書等を使用していた孫請会社の社員による残土の売買につき、元請会社に名板貸人としての責任を認めた事例
後願登録商標「ハビタドリンク」は、先願登録商 標「ビタドリンク」と、ともに一連に称呼されるのが自然で称呼上類似するとして、「ハビタ」と「ビタ」の部分のみに識別性を認め非類似とし商標法8条1項を根拠とする無効審判請求を棄却した審決を取消した事例
商標登録出願により生じた権利を一部の指定商品について放棄することは、設定登録まで自由にでき、またその放棄は出願人の一方的な意思表示で、特許庁に到達すれば効力を生ずるから、原告の指定商品の一部放棄によって、引用商標と指定商品の抵触がなくなったとして、引用商標との類似を理由に拒絶した審決を取消した事例
特許法38条但書による併合出願は複数の発明が一体となった1個の出願であり、二つ以上の発明は一体として取扱わねばならないから、そのうち一発明について拒絶理由があるときは、その併合出願全部について拒絶査定をしなければならない
特許権侵害が認められその製法にかかる製品の販売差止の仮処分が発せられる場合は、当該製品に使用する商品名(標章)について商標権侵害を理由とする使用差止を求める仮処分の必要性はない