最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 入会団体の構成員の一部にすぎない者が提起した入会権確認請求及び入会権に基づく抹消登記手続請求の各訴えの適否(消極) 2 島嶼町村制(大正12年内務省令第19号)施行前の村(以下「旧村」という)が、町村分合を伴わずにそのまま島嶼町村制施行後の村に移行した伊豆七島新島の村と村民との間で、明治19年に東京府知事が「一島又ハ一村ノ共有トシテ」旧村に下げ渡した山林の所有権の帰属及び入会権の存否が争われた事例 3 村が村有地(山林)をミサイル試射場等の用地として国に売却する目的で行った部分林貸付契約の解除の効力が憲法9条2項との関係で争われた事例 4 国がミサイル試射場の設置等近代的武器を開発し保持することが憲法9条2項に違反するか否かの判断と司法審査権
公共企業体等労働関係法17条1項違反の争議行為として行われた威力業務妨害及び不退去行為が刑法上の違法性を欠くものではないとされた事例
公共企業体等労働関係法17条1項違反の争議行為として行われた威力業務妨害行為が刑法上の違法性を欠くものではないとされた事例
1 不当景品類及び不当表示防止法10条6項にいう「第1項の規定による公正取引委員会の処分について不服があるもの」の意義 2 不当景品類及び不当表示防止法の規定にいう一般消費者と公正取引委員会による公正競争規約の認定に対する同法10条6項に基づく不服申立の利益
明治4年8月大蔵省達第39号「荒蕪不毛地払下二付一般二入札セシム」に基づき海岸寄洲及び海面として払下げを受けた地域について民法上の土地所有権が認められた事例
養親が養子に対し養親を扶養すること等を条件としてした負担付贈与が養子の負担たる義務の不履行により解除されたものと認められた事例
災害補償の実施について不服ある者が、人事院に申し立てた災害補償の審査申立につき、災害補償審査委員会が作成した調書に対する文書提出命令の当否(消極)
前倒防止装置を施していない折畳み式の助手席が前倒れしたことにより後部座席に乗車していた者が負った傷害につき自動車製造業者に損害賠償責任を認めた事例
仮登記担保権者が被担保債権の弁済期後あらかじめ交付されていた書類により所有権移転登記を経由した場合に、債務者(担保提供者)は清算金の支払未了を理由としてその抹消登記手続を求めることが許されるか(消極)
代物弁済につき僣称代理人が権利証、本人の委任状、印鑑証明書を所持していたとしても民法110条の表見代理が否定された事例
別居中の妻のもとで監護されていた3才5か月の幼児を連れ去った夫に対する妻からの人身保護法に基づく幼児の引渡請求が認容された事例
自動車人身事故において、運行供用者側は、被害者も亦当該自動車の運行供用者であったから、被害者は自賠法第3条本文にいう「他人」には該当しないと主張することができるか
自動車の所有権留保約款付割賦販売契約締結後自動車が引渡されたが、代金が完済されず移転登録がなされない間に買主に会社更生手続が開始された場合と会社更生法103条適用の可否(積極)
1 信用金庫の支店長が権限を濫用して顧客のため第三者からの融資を保証した場合において、右第三者が権限濫用を知らなかったことに過失があるとして信用金庫の保証責任を否定した事例 2 信用金庫の支店長の右のような権限濫用について右第三者に重大な過失がなかったとして信用金庫の損害賠償責任が肯定された事例
特許法38条但書による、いわゆる併合出願において、二以上の発明のうち一つにでも拒絶理由があれば、出願全部について拒絶する取扱いの適否(肯定)
約7年の間、実質的な弁論は全く行われず、延期・休止を繰り返した事案で、当事者に訴訟追行の熱意がなく、訴えの利益を欠くとして却下した事例
1 建物建築工事と隣接建物の損傷との間に因果関係が肯定される場合に加害行為の寄与率を2割として損害賠償額を認めた事例 2 特殊な地形の敷地上に建物の建築を注文したことから直ちに注文指図に過失があったとはいえないとした事例
1 道路位置指定の申請を受けた特定行政庁が関係権利者の承諾の真実性につきなすべき調査の内容 2 違法な行政処分を原因とする損害賠償請求権の消滅時効の起算点
鉱業権者が鉱業権に基づく妨害排除請求として、当該土地所有者である日本道路公団に対し、工事続行禁止等の仮処分を求めることが許されないとした事例
国立工業高等専門学校における課外活動としての柔道練習中の傷害事故について、その指導・実施にあたった教官に安全配慮義務違反あるいは過失があったとは認められないとして国の賠償責任が認められなかった事例
1 ホンダN360型乗用軽自動車の製造上の欠陥(消極) 2 カーブを高速で進行し、センターラインを越えた対向車と衝突したバスの運転手に過失を認めた事例 3 被害者側(同乗車)の過失の割合
製品の市場占有率の極めて高い申立会社について更生の必要性が非常に高いと認め、かつ、再建のため解決すべき問題点を詳細に列挙した事例
1 文書提出命令に応じなかった者に対する相手方の主張を認める程度 2 手形所持人への裏書が虚偽表示(仮装譲渡)であることを理由に、手形所持人の振出人に対する手形金請求が認められなかった事例
処分清算型譲渡担保権の実行としてなされた動産の処分行為が会社更生法78条1項2号にいう「債務の消滅に関する行為」に当るとして管財人による否認が認められた事例
全電通の組合員が国労に対する争議支援行為として、すでに電車の営業運転が開始され、多数の乗客を乗せて到着した途中駅において、国労の組合員である電車運転士に対し、国労の行なう同盟罷業に参加するよう説得するための時間かせぎに、電車の出入口の扉の閉鎖をことさら阻止するなどして一時間前後にわたって電車の発進を妨害した行為につき威力業務妨害罪の違法性を欠くものではないとされた事例
1 覚せい剤取締法によって覚せい剤の輸入が禁止されその違反につき罰則が設けられていることは、覚せい剤について関税通脱罪の成立を否定する理由となるか(消極) 2 覚せい剤について輸入申告義務を課し虚偽申告による関税逋脱罪の成立を認めることは、憲法38条1項に違反するか(消極)