最も長い歴史をもつ判例実務誌
乳幼児にインフルエンザ予防注射をするに際し、規定量を超えたワクチンを接種した担当医師の過失を認め、右医師に接種を委嘱した地方公共団体に対し、右注射による脳性麻痺の結果について、国賠法1条1項に基づく賠償責任を肯定した事例
1 急行列車の延着と旅客に対する国鉄の債務不履行責任 2 国労・動労の実施した順法斗争による列車の延着と免責約款の適用
1 宗教法人の代表役員たる地位の確認を求める訴と法律上の争訟性(積極) 2 宗教法人の代表役員たる地位の確認を求める訴と訴の利益(積極) 3 住職の選任方法につき規則も慣習もない場合、条理に基づく一応の順序と手続を経たうえ檀信徒総会で住職を選任することの適否(積極)
1 不当労働行為によって解雇された労働者が解雇期間中に他の職に就いて収入を得た場合と労働委員会が救済命令において賃金相当額の遡及支払を命ずるにあたっての右収入額の控除 2 不当労働行為によって解雇された労働者が解雇期間中に他の職に就いて得た収入を控除しないで賃金相当額全額の遡及支払を命じた労働委員会の救済命令が違法とされた事例
1 憲法9条1項は、自衛の目的を達成する手段としての戦争まで放棄しているか(消極) 2 憲法9条2項前段は、自衛のために戦力を保持することを禁じているか(消極) 3 憲法9条2項後段にいう「交戦権」の意義と自衛戦争 4 憲法9条は私法上の行為を直接規律するか(消極) 5 憲法98条にいう「国務に関するその他の行為」の意義と国の機関のなす私法上の行為 6 防衛庁設置法(但し、昭和33年法律第63号による改正にかかる防衛庁設置法、以下旧防衛庁設置法という。)及び自衛隊法(但し、昭和33年法律第164号による改正にかかる自衛隊法、以下旧自衛隊法という。)並びにに右2法の規定する自衛隊は、一見明白に違憲と認められるか(消極) 7 旧防衛庁設置法及び旧自衛隊法の規定する自衛隊は、憲法9条2項にいう「戦力」に該当するかどうかの法的判断と司法審査権 8 憲法前文2段にいう「平和のうちに生存する権利」の法的性質 9 自衛隊の基地設置を目的ないし動機とする私法上の法律行為は、民法90条にいわゆる公序良俗に反するか(消極)
1 株式会社が定款で株主総会における議決権行使の代理人の資格を株主に限定している場合と株主である地方公共団体、株式会社の職員又は従業員による議決権の代理行使 2 株主総会決議取消しの訴えにおいて商法248条1項所定の期間経過後に新たな取消事由を追加主張することの許否
白紙委任状・登記済証等の転得者が、その書類を利用して土地について抵当権を設定しかつ停止条件は代物弁済契約を締結した場合において、民法109条の表見代理の適用が否定された事例
1 使用人が未受領商品の受領書を取次業者に交付したことが商品騙取行為の加功に当たるとして使用者の損害賠償責任が認められた事例 2 商品騙取行為に対する加功を理由とする損害賠償請求における過失相殺の適用例
1 競売期日の通知は競売手続上被通知人の住所と認むべき合理的な住所に宛てて発すれば足りるか(積極) 2 競売開始決定正本の送達を受けた後に住居を変更したのにこのことを競売裁判所に届け出なかった利害関係人は、競売期日の通知がなかったことを理由に競落許可決定の取消しを求めることができるか(消極)
無権代理人による売買契約締結後に契約上の買主本人につき右無権代理人を相続人の1人とする共同相続が開始した場合と右無権代理人の契約履行義務(積極)
1 家事審判規則141条による調停不成立による事実終了等の通知の方法 2 送達郵便物の封筒裏面発信者欄に事件担当の裁判所書記官の個人氏名を記載した場合の送達の効力(有効)
1 市所有の溜池に5才の女児が転落死した事故につき、溜池の管理に瑕疵があると認められた事例 2 右転落死による両親の国賠法に基づく損害賠償請求において5割の過失相殺をした事例
1 債権者が債務者に被担保債権の弁済を猶予したとしても、その旨を記載した書面が裁判所に提出されない限り、執行停止が認められないとされた事例 2 入札期日が数回繰り返され、最終の最低入札価額が最初の最低入札価額に比して著しく低廉になったとしても、競売手続が違法とはならないとされた事例
残存期間5年の借地につき正当事由具備の可能性を判断し、借地条件を被堅固建物所有から堅固建物所有の目的に変更することが相当でないとされた事例
融通手形の受取人の振出人に対する支払資金提供債務を保証する意思で裏書した者が手形を再取得した場合における手形金請求の当否(消極)
1 手形債務者が手形金相当額の金員を支払銀行に預託して異議申立を依頼する関係の法的性質 2 支払銀行が手形債務者の依頼により「契約不履行」という支払拒絶理由を記載して手形を不渡返還したことが手形債権者に対する不法行為を構成しないとされた事例
1 税務職員の質問検査権行使に事前通知は必要か(消極) 2 審査庁が審査請求人の書類閲覧請求を拒否したことに正当な理由があるとされた事例
1 米軍戦車輸送阻止闘争に参加して暦日で91日、要出勤日で60日欠勤した者に対し就業規則の解雇条項中の「欠勤が引き続き60日に及んだ」とあるを適用してなした解雇が有効とされた事例 2 右解雇に当り経歴詐称、平素の勤務成績を考慮するのは当然とした事例
退職後同業他社に就職した場合において退職金の半額を返還する旨の退職金規定は労基法16条、24条、民法90条に反せず有効であると解した事例
1 裁判所庁舎内の理髪室の使用をめぐる契約が準委任契約であると認められた事例 2 右契約の解約申入には正当の事由あることを要しないとされた事例
1 英国人夫婦の妻につき調停手続のなかでカウンセリングに付した結果により(夫は辞退)、婚姻は破綻したものと判断し、英国1969年改正離婚法1条、2条1項(b)を適用して、家事審判法24条による審判離婚を認めた事例 2 離婚に伴う親権者(監護権者)指定の準拠法(法例20条) 3 親の子に対する面接交渉の準拠法(法例20条) 4 親の未成熟子にたいする扶養義務の準拠法(法例21条)
し尿処理施設に設置された活性汚泥槽は労働安全衛生規則533条の「転落することにより火傷、窒息等の危険を及ぼすおそれのある煮沸槽、ホッパー、ピット等」に含まれるか
1 過失による安全運転義務違反罪について理由不備の違法があるとされた事例 2 過失による安全運転義務違反罪について過失を論ずるまでもなく安全義務違反の事実がないとして無罪が言い渡された事例
1 訴因の追加的変更の請求を許さなかった措置が違法でないとされた事例 2 殺人罪の訴因につき傷害致死罪を認定した点において、審判の請求を受けない事件について判決した違法があるとされた事例