最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 いわゆる再販売価格維持行為が独占禁止法2条7項4号の不公正な取引方法にあたるとされた事例(イ、ロ判決) 2 昭和28年公正取引委員会告示第11号(不公正な取引方法)の8にいう取引の拘束があるとされる場合(イ判決) 3 昭和28年公正取引委員会告示第11号(不公正な取引方法)の8にいう正当な理由の意義(イ、ロ判決) 4 独占禁止法24条の2第1項の規定の趣旨(イ、ロ判決) 5 昭和28年公正取引委員会告示第11号(不公正な取引方法)は独占禁止法2条7項の委任の趣旨に反するか(イ判決) 6 独占禁止法69条の利害関係人の範囲(イ判決) 7 公正取引委員会の審判で取り調べられた証拠の審決取消訴訟における取扱(イ判決)
1 河川について要請される法律上の安全確保義務の程度 政治的責務と法律上の義務との関係 2 国家賠償法2条1項にいわゆる「設置又は管理の瑕疵」の意義 道路と河川それぞれの「設置又は管理の瑕疵」の有無の検討方法の異同 3 改修を必要とする河川について確保すべき過渡的安全性の限界 4 決壊した河川堤防の改良工事において築造した新堤防の表法部分に洗掘防止のためのコンクリートでロック張りを施さなかったことが違法とされた事例
根抵当権設定契約において基本債権の取立に要した費用を被担保債権に含めている場合に右基本債権取立のための担保権実行に要した弁護士費用は右被担保債権に含まれるか
1 小型自動車による通行及びその停車を含む巾員2.6メートルの囲嶢地通行権が認められた事例 2 囲繞地通行権の上空に及ぶ範囲
建物収去土地明渡請求事件において係争建物の譲受人(引受参加人)が当事者参加により右建物の所有権の確認を求める利益がないものとされた事例
特定物(土地)の売買契約において目的物件の所有権移転の時期が代金の一部支払及びこれと引換になされるべき所有権移転登記のときとする特約が存したと認められた事例
土地の一部譲渡によって袋地となった土地の所有者は譲渡人の特定承継人に対して民法213条2項の囲繞地通行権を主張しうるか(消極)
1 手形金請求訴訟の提起による原因債権の消滅時効の中断(積極) 2 控訴審における消滅時効の抗弁の提出を時機に遅れた防ぎょ方法ではあるが訴訟の完結を遅延させるものではないと認めた事例
農地買収の売り払いを請求することができる買収前の農地の所有者又はその一般承継人が農地法80条1項の農林大臣の認定を得ない場合と都道府県知事がした右農地の売渡処分の無効確認を求める利益の有無(積極)
1 ワンマンバス運転士につき「私金の証明がつかない金銭の携帯」を禁止する旨の就業規則の規定の趣旨は従業員側に所持金が私金であるとの証明義務を負わせたものでなく、公金横領を禁止するのと同趣旨の規定と解した例 2 勤務中1,000円札を所持していたワンマンバス運転士につきこれが私金と推認する資料に乏しいが公金とする可能性は著しく乏しいとして右条項による懲戒解雇を無効とした事例
1 刑務所で受刑中の者の高所作業中の転落事故につき刑務官に安全を図る注意義務に欠けるところありとされた事例 2 右事故により労働能力を失った者の授産所における工賃収入を損益相殺の対象としなかった事例 3 受刑中の者の労働能力の評価につき賃金センサスの平均給与額によった事例 4 将来の逸失利益算定のため賃金センサスを利用するにつき事故時のそれによらず口頭弁論終結時のそれによった事例 5 両下肢知覚運動麻痺者の付添料を1日1,000円と認めた事例
地代増額請求訴訟において、さきの賃料増額後に生じた賃料を不相当とする事情につき主張、立証をせず、請求が棄却された事例
ダンプカーの荷台昇降装置に事故当時欠陥があったことは認められるが、これが製造過程から存在し、あるいは潜在していた欠陥と認めるに足りないとして、製造者責任を否定した事例
野犬薬殺のための毒えさを食し飼犬が死亡した事故につき、野犬薬殺の実施にあたった市職員らに過失があったとして損害賠償が認められた事例
医師の指図に従い解熱剤(アセトアミノフェン)を服用した患者が、服用後約9時間後に死亡した事例につき、当該医師の過失を否定した事例
1 減額再更正(ただし、その総所得金額は確定申告額より多い)のあった場合に更正の取消を求める訴の利益(消極) 2 顧問契約に基く弁護士の顧問料は給与所得に該当するか(消極)
「合着耐圧ホースの製造法」の特許権侵害に関して、その目的物が特許法104条にいう「公然知られた物」でないとは認めなかった事例
1 大阪市屋外広告物条例(昭和49年4月1日大阪市条例第32号による改正前のもの)2条1項、4条3項、16条1号と憲法21条、31条、94条、41条との関係 2 観念的競合の関係にある二つの罪のうち一つについて刑の廃止があるが原判決を破棄しなければ著しく正義に反するとは認められないとされた事例
法廷等の秩序維持のため被告人が退廷させられた場合において、刑事訴訟法326条2項を適用して証拠を採用したことが違法でないとされた事例
1 国選弁護人が辞任するについての正当理由の判断権の帰属 2 辞任届を提出している国選弁護人を解任しないで弁護人不出廷のままでなされた公判審理が違憲違法でないとされた事例 3 公判期日の直前に私選弁護人が辞任し、被告人が国選弁護人の選任を請求しているのに裁判所がこれを選任することなく、弁護人不在のままでなされた公判審理が、判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続の法令違反に当たらないとされた事例
1 盗犯等の防止処分に関する法律2条と同法3条の両要件を具備する窃盗に対する擬律 2 同法2条4号の常習夜間侵入窃盗と同一機会に常習性の発露としてなされた住居侵入未遂に対する擬律
県農林部水産課技師に対する暴行が刑法95条1項にいう「職務ヲ執行スルニ当リ」加えられたものとは認められないとされた事例
工場の集塵室の点検作業中、作業員が一酸化炭素中毒死した事故について、いわゆる信頼の原則が適用され、点検作業を命じた課長代理に対する業務上過失致死罪の成立が否定された事例