最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 動労の機関区車輌入換速度規制闘争と有給休暇闘争がいずれも公労法17条で禁止された争議行為にあたるとされた事例 2 右争議行為等を理由とする国鉄職員に対する懲戒免職処分が権利濫用でないとされた事例
1 地公法37条は憲法28条に違反するとして高校教職員の勤務評定反対の争議行為参加者に対する懲戒処分を取消した事例 2 高校教職員の1割以上からの当局に対する不満表明のための職務専念義務免除申請を附属校長が承認したのが、裁量権の逸脱として無効とされた事例
1 国鉄輸送業務担当職員の争議行為が禁止される範囲を中郵判決に即して判示した事例 2 変形8時間労働制において超過労働となる範囲を判示した事例
1 共同漁業権の性格(イ、ハ事件) 2 漁業法8条1項に定める「漁業を営む権利」の性格(イ、ハ事件) 3 第一種共同漁業を内容とする共同漁業権の放棄と漁業法8条5項3項の類推適用(イ、ハ事件) 4 漁業権一部放棄の可否(イ、ハ事件) 5 漁業権一部放棄の場合になされた漁業権変更免許の効力(イ、ハ事件) 6 公有水面埋立法4条1号の同意と表見代理の成否(イ、ハ事件) 7 公有水面埋立免許処分の効力が停止された事例(ロ事件) 8 行政処分の執行停止決定に付すべき理由記載の程度(ロ事件)
新生児室で黄色葡萄球菌に感染し、その治療のため投与したカナマイシンで強度の難聴になった者に対する医療過誤を認容した事例
道路以外の場所のみにおいて運行の用に供するため自賠法5条の適用はなく、運転免許も自動車登録も必要でなく、税法上減価償却資産中の機械設備として取り扱われている自動車と同法3条
賃借地上の建物を第三者の信用供与の目的で同人所有名義に移転登記した場合につき、右建物の敷地について賃借権の譲渡または転貸とは認められないとされた事例
登記官のなした登記処分に関し、これを違法であるとし、当該登記官を相手方として登記処分の取消を求める行政訴訟を提起することが許されるか
無催告契約解除の特約に基づき3ヵ月分の賃料延滞により賃貸人が契約解除権を取得した後、2ヵ月分についてなされた弁済提供の効力
11階建マンションの居住者が、日照・通風が阻害されるとして隣地の5階建マンションの3階以上の工事禁止を求めた仮処分申請を却下した原決定を支持した抗告審の決定
1 宗教法人の旧役員であった個人と宗教法人変更登記申請受理処分の取消しを求める訴えの利益(積極) 2 登記官の処分を争う訴訟と裁判所の審理の範囲 3 訴えを不適法として却下した原判決を不当としながら民訴法388条を適用せず同法385条により控訴を棄却した事例
国労の臨時組合費中、スト資金、炭労、全鉱闘争、水俣闘争支援資金等としての臨時組合費につき、組合員に法律上の納入義務があるとされた事例
配当異議訴訟において相手方の債権の不存在という実体上の理由ではなく、その債権にもとづく仮差押が違法無効なため配当要求の効力を生じないという手続上の理由を主張することは許されないとした事例
駐留軍の施設として提供するため国が賃借してきた建物について、所有者(賃貸人)より契約期間終了による返還請求が認容された事例
私立大学の空手愛好会会員が退会に伴ない他の会員より集団暴行され死亡した場合に大学の学生課長・学生主事に過失があるとされた事例
1 正門に設けられた自動扉は土地の工作物に当るか 2 自動扉の設置・保存に瑕疵があるとされた事例 3 自動扉を誤操作した被害者の過失割合
1 農地の売買に関し民法557条にいう「契約ノ履行ニ着手」したものと認められた事例 2 債務の履行不能後目的物の価格が騰貴した場合に請求し得る損害賠償額
県立病院の医師が検察官の鑑定の嘱託に基づき被疑者に対し行なったイソミタール注射について、県に賠償責任が否定された事例
商業地域における日照、通風等の阻害および工事騒音を理由とする11階建マンションの建築工事禁止の仮処分申請が却下された事例
1 民訴法118条にいわゆる「訴訟費用ヲ支払フ資力ナキ者」の判断基準(イ事件) 2 いわゆる環境権及び人格権、土地所有権又は占有権或いは漁業権に基づく妨害予防請求訴訟についての訴額の算定方法(ロ事件))
個人会社代表者が受傷のため休業した期間中、会社から給与の支払いがあったからといって損害がないとはいえないとして、右期間における会社の営業損失相当額を代表者個人の休業損害として認容した事例
交通事故によって生じた損害賠償債務につき、共同不法行為者の一方が他方を相手として負担割合確認の訴えを求め得るとした事例
共同運行供用者たる被害者の相続人からの直接請求を、被害者が分有する運行供用者性の割合に応じて減額したうえ、認容した事例
町長の違法な公金支出命令によって、町に、一応損害が発生したことが認められるが、損益相殺の理によって、結局、町の蒙った損害は存在しないとして、いわゆる代位請求(住民訴訟)を棄却した事例
1 企業採算のための人員整理と整理基準の設定 2 緊急命令で原職復帰し賃金等の支給を受けている者の地位保全の仮処分の必要性(消極)
NHKプロデューサーが佐藤首相訪米阻止闘争で逮捕勾留起訴されたため事件係属中起訴休職に付されたが、保釈により休職の効力が失われたとして地位保全を認めた事例
南九州において競合する「村上屋」の一方が他方の支店のすぐ近くに同じ商号の支店を設けることが不正競争の目的を有する場合においても、商号使用差止請求をする側において、不正競争の事実があるとして差止請求を排斥した事例 〔ロ〕「大阪第一ホテル」との営業表示は、既存の「大阪大一ホテル」と類似しているが、誤認混同のおそれなしとして、その使用禁止請求が排斥された事例
労働基準法(昭和47年法律第57号による改正前のもの)42条、45条に基づく労働安全衛生規則(昭和45年労働省令第21号による改正前のもの)63条1項にいう「接触の危険」の意義
人が一定の場所から自由に出ることを不可能または著しく困難にしたとみるだけの証拠が充分でないとして、監禁罪の成立を否定した事例
公労法17条1項に違反するピケッティングにより、列車の発車を20分遅れさせた事案につき、正当な争議行議であるとした一審無罪判決を破棄し、威力業務妨害罪の成立を認めた事例
業務上過失傷害罪における「傷害」と因果関係 (イ)1 被害者が自覚症状として訴えた身体症状に疑いがあるとして、他覚的所見を認めず、被害者の訴える自覚症状を主な基礎とする頚椎捻挫、腰椎捻挫の診断をもってしては、いまだ受傷があったものとは認め難いとして無罪とした事例 2 無免許運転罪と酒酔運転罪の関係 (ロ)1 被害者の本態性高血圧症亢進の傷害と本件事故との間に因果関係を認め難いとして無罪とした事例 2 信頼の原則の主張と刑訴法335条2項の主張の関係
1 いわゆる導入預金において、預金等に係る不当契約の取締に関する法律2条1、2項の「特定の第三者」にあたる資金需要者を同時に同法2条2項の預金等の「媒介をする者」であってかつ不当契約をなしたものとして同法の刑責を認めた事例