最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 地方労働委員会のなした不当労働行為救済申立棄却命令は抗告訴訟の対象となる 2 民間放送会社において放送出演を目的とする放送出演契約における出演者は、労働組合法3条にいう労働者であり、放送会社は同法7条2号にいう使用者である
1 爆発物取締罰則の法律としての効力 2 爆発物取締罰則の構成要件である「治安ヲ妨ケ又ハ人ノ身体財産ヲ害セントスルノ目的」にいう「治安ヲ妨ケ」るの意義 3 爆発物取締罰則の定める刑と憲法との関係
1 公判期日直前、私選弁護人が格別の理由を示さずに辞任することは許されるか(否定) 2 被告人が国選弁護人の出廷を望まない場合には、国選弁護請求の意思の抛棄又は撤回と見る余地があり、弁護人の不出廷を捉えて国選弁護の保障が完うされていないとか防禦権の侵害があるという資格はない 3 国選弁護人が被告人らの言動により出廷不能の心境に陥り、出頭しなくなった場合、不出廷のまま実質審理をすることは憲法37条3項に反するか(否定)
1 国家賠償法施行前になされた国の公務員の違法な公権力の行使と国の損害賠償責任の有無 2 下級裁判所の有罪判決が証拠の証明力につき見解を異にする上級裁判所によって破棄され無罪判決がなされ右判決が確定した場合、右下級裁判所の裁判官が有罪判決をした行為が国家賠償法上違法となるか
1 建物賃借権を譲渡した後、該建物に対する抵当権の実行に基づく競落人の引渡命令の執行により、賃借権譲受人の占有が失われた場合と、賃借権譲渡人の担保責任 2 前項の場合、譲渡人が負うべき担保責任の範囲
いわゆるレッドパージ事件において、連合国最高司令官の書簡上重要産業から排除されるべき者は「共産主義者」であれば足り、「秩序をみだり」又は「みだすおそれ」のあることを必要としないと判定した事例
日照・通風の阻害を理由として、建築中の鉄筋コンクリート造5階建建物(18.170米)のうち高さ9米を超える部分の建築差止を求めた仮処分申請が却下された事例
1 近親者相互間における損害賠償請求権の行使(積極) 2 自動車の保有者である夫の過失で同乗中の妻が死亡した場合に、子供が逸失利益につき自賠法54条の5、16条1項による被害者請求をすることは許されるか(積極)
1 株主総会の招集通知の記載内容についての瑕疵が、当該決議の取消事由にあたるとされた事例 2 新株発行後の新株発行に関する株主総会決議無効確認の訴の利益(消極)
1 設立中の株式会社に雇用されたものと判定された事例 2 設立中の会社の営業活動のため労働者を雇用することは商法194条の設立に関する行為に該当しないとされた事例
労組書記が対立労組と組んで使用者たる労組の方針を非難し、対立労組の業務に従事したことは忠実義務違反ではあるが、解雇に値しないとしてその解雇が無効とされた事例
歩車道の区別のある道路とその区別のない道路とを比較して道路交通法36条2項(昭和46年法律第98号による改正前のもの)にいう「道路の幅員が明らかに広い」場合にあたらないとされた事例
1 制限最高速度をこえて交差点に進入しようとする自動車に対し道路交通法35条3項による左方車としての優先権を認めた事例 2 左方車としての優先権を認めながら信頼の原則の適用を否定した事例
交差点で右折進行する大型貨物自動車の運転者が対向直進してきた原付自転車と衝突して、同車の運転者を死亡させた事案につき、その過失責任はないとした事例
交差点を直進しようとした普通貨物自動車の運転手が、対向して、右折しようとしている普通貨物自動車と衝突して、右自動車の運転手等を死傷させた事故につきその過失責任を否定した事例
競落許可決定後会社更生法による競売中止決定がなされたときは、抗告裁判所は右競落許可決定を取消し、競落不許の裁判をすべきである
土地の時効取得において期間の途中、占有者が自己の所有でないかも知れないと考えたこと、測量士の立入を拒んだことから直ちにその占有が平穏公然性を失ったとすることはできない
不動産に関する処分禁止の仮処分の本案が第一審で原告敗訴となったことを理由とする事情変更による仮処分取消申請を排斥した事例
調停調書に賃貸借の解除による原状回復義務に基づく建物収去土地明渡義務者として表示されている者からその建物を譲り受けて右土地を占有する者は、民訴法201条1項・同519条にいう右義務の承継人にあたるか(消極)
小火を消すため、消火用の砂を取りに行こうとして誤ってガソリン缶を転倒させて惹起した火災事故につき、「失火ノ責任ニ関スル法律」但書所定の重過失がないとされた事例
争議中の労働組合から組合員に対する賃金補償金の交付は団結維持のためにする賃金補償たる無名契約に基づくものとして、脱退組合に対するその返還請求が認められた事例
宅地建物取引業者の仲介により土地を買い受けた者が、右土地の移転登記が確実になされることをたしかめないで、右業者の社員の嘘言を信じてその者に残代金を詐取された事案につき、買主に過失があるとして、賠償額算定につき斟酌された事例
飲食店とバンドマンとの間の専属出演契約が雇傭に類似するものとして、民法628条、労働基準法20条1項本文を類推適用して右契約の解約を認めた事例
株券の寄託を受けた者が、これを他人に引き渡しあるいは株主名義上の名義書替手続を了しても、右株券の引渡義務が履行不能となるものでないとされた事例
信者の醵出した金員によって建立された不動尊堂が右信者の共有に属するものではなく祈祷の行をなす者の所有に属するものと認められた事例
市立動物園のあひるの群を襲った飼犬を捕え、野犬捕獲用針金で作った「わさ」を首にかけ、梁につないで係留中死亡事故を発生させた動物園職員の行為に、過失がないとされた事例
先に交差点に入り交差点中央付近で、広路車の通過待ちをしていた被害車が、発進して広路車と接触した事故につき、被害車に先入車優先権はないとした事例 2 投薬を続けていても、てんかん症状が持続する被害者(幼児)の将来の就労に関し、すくなくとも18才から10年間については、労働能力喪失率35%ありと認めた事例
1 見通しの悪い交差点における狭路進行の自転車と、広路進行の普通貨物自動車との衝突で、自転車が交差点に進入する際、普通車が交差点手前28メートルの距離にあったことを斟酌して、死亡した自転車の運転者に3割の過失相殺をするにとどめた事例 2 保険代位請求で、年6分の商事遅延損害金請求を、一部については、年5分の民事遅延損害金の範囲内のみで認容した事例
慰謝料請求権は、金銭債権として具体化した場合には譲渡性が認められるとして、父母から被害者の姉3名に対するその請求権の贈与を認めた事例
1 被害者が訴訟委任後、訴え提起前に死亡しても、右委任後は、慰藉料請求権も通常の金銭債権と同視し得べきものに転化したとみるべきであるとし、その相続性を認めた事例 2 休業損害に対する被害者に対する弁済は、特別の事情のない限りその損害費目に拘束されず、全損害に対する弁済と見るべきであるとした事例
電車軌道踏切上における電車と自動車の衝突事故につき、両車運転手それぞれに過失があったことを理由として双方に損害賠償義務を認めた事例
幼児(男・6才)の死亡による逸失利益の算定につき、稼動開始の20才までの養育費と、その後の稼動期間中の生活費とを合わせて、20才から60才まで月額2万5000円の割合で控除して逸失利益現価を算定した事例
1 6才の男子の逸失利益算定例 2 駐車車輌の横に子供用自転車を立てて、これにまたがっていた子供の過失を損害額算定につき過失相殺しなかった事例
1 事故車が道路のマンホール工事のための盛土(25糎)に乗りあげバウンドしたために同乗者が車内天井に頭部を打ちつけた事案につき、運行供用者の免責を認めなかった事例 2 前記事故の損害算定例
損害については不法行為時に消滅時効は進行しているが、本訴提起の3年前には把握することができなかった損害については未だ消滅時効は完成していないとして時効の抗弁を排斥した事例
66才の老女が自動二輪車に衝突され、前頭部、左肘関節、左下腿、左足背挫傷の傷害を受け、治療中の事故1ヶ月後に心筋梗塞による心不全により死亡した事案につき、事故と死亡との間には相当因果関係は認められないとした事例
幅員5.2米の南北に通ずる道路の西側の駐車貨物車と同道路東側を北へ向って自転車を中にして歩行中の男女2名との間を北進通過した加害自動車と南進すべく前記2名の男女をさけて道路中央寄りに自転車に乗り出たところの被害者が衝突した事案につき、過失割合を5対5とした事例
追突事故による頚椎捻挫、右背部大腿右足関節腰部挫傷の傷害事案につき、休業期間を17月間、その後の労働能力の喪失を30%の6年間とした事例
1 休業期間中の一部につき有給休暇を利用した事案において、休業損害を認めず、慰藉料で斟酌した事例 2 会社への通勤交通費を損害と認めた事例 3 青信号に従って横断歩道を小走りで横断中、信号が変るのと同時に発進してきた加害車に衝突された事案につき、横断者の過失を過失相殺しなかった事例
第二車線を進行してきてUターンすべく、後方24米に第三車線進行中の後続車を認めながら、第三車線内に入りセンターラインをまたいだ状態で停止した車に、後続車が追突したため、被追突車が対向車と衝突した事案につき、被追突車の運転者は無過失ではないとした事例
幅員15.5米の見通しの良い直線道路において先行貨物自動車を追越すために中心線を殆ど越えた状態で西進してきた原告車を被告車は前方約45米に発見したが約40粁でそのまま中心線より2.1米内を東進したところ、原告車が急に急制動をかけ、右にハンドルをとられて対向車線内を約19米スリップ痕を残して西進してきたので、その異様な動静に気付き、左転握、急制動の措置をとったが東行車線内中心線より3.3米の地点で正面衝突した事案につき、被告車側の免責を認めず、過失割合を原告側8.5、被告側1.5とした事例
事故は、砂利道の下の坂道を自転車に乗って、バスの側方を通過しようとし、砂利に車輪をとられて安定を失ない、バスの方に倒れ込んだ被害者の過失によって発生したものとして、免責を認めた事例
資本金100万円、従業員約30人の株式会社において、会社の実権を掌握しているものと推認された代表取締役について、主として会社の金銭面を掌理していたことを事由に、代理監督者責任が否定された事例
1 加害車の所有者の母が、所有者の留守中、遠縁の親族の依頼で、車を貸与したところ、右親族の承諾をえて運転した第三者の過失で事故となった場合には、所有者は運行供用者責任を免れえないとされた事例 2 右加害車の所有者の父も、所有者が未成年者で、父の営業を手伝っており右車はときに父の営業のため使用されていたことが認められる以上、運行供用者責任を負うとされた事例 3 右加害車を借受けた者も、運転する者が飲酒運転をなさんとするときは制止しなくてはならないのに、これを怠り、飲酒運転を放置し、事故発生に至った場合には、不法行為責任を負わなくてはならない、とされた事例
交通事故で死亡した被害者に内縁の妻と相続人である子供がいる場合において子供に対し支払われた自賠責保険金が内縁の妻に対する関係でも有効な弁済と認められた事例
いわゆるタクシー営業は独禁法21条の「その性質上当然独占となる事業」に当るが、タクシー業者の株式取得ないし所有については、同条によって同法の適用を免れない
「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律(昭和45年法律128号)」1条に基づく「地方公共団体の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する施行令(昭和45年政令341号)」3条により定められた選挙人名簿の登録基準日と選挙権の実体的要件である住所要件算定(逆算)の基準日
「iブテンのオリゴマーの製法」に関する特許出願について、本願発明の触媒粒度の限定によるiブテンの転換率の選択的向上について格段の効果があることの証拠として提出された宣誓供述書が採用されなかった事例
「継電器」に関する実用新案登録願について、プラスチックよりなる非磁化板の採用を単なる材料の変換とみるのは相当でないとして拒絶相当とした審決を取り消した事例
「無水マレイン酸製造用の触媒担体の製法」に関する特許出願につき、出願人の、本件発明の要旨を明細書中の実施例に示された酸化アルミニウムを使用する技術に限定する旨の主張が排斥された事例
「弁当用菜入れ」の登録実用新案につき、その登録を無効とする審決における引用例とは容器と蓋体との密着嵌合の態様を異にし、登録を無効とするのは相当ではないとした事例
「機械艶出し紙及び板紙の製造法」に関する特許出願について、拒絶理由とされた引用例との相違点も当業者にとって、予測可能の範囲に属し、見るべき特段の効果もないとして、拒絶審決を是認した事例
「二連銃の自動切替装置」に関する実用新案登録出願について、拒絶理由とされた引用例とはその具体的構成を異にし、一操作で足りる本願のものと同一考案とはいえないとした事例
「鉄道車両、炭車、トロ用転軸受入車輪」に関する実用新案登録出願について、拒絶理由である引例が大きな荷重に耐える目的を有しない点で本願のものと異なり、また、本願の作用効果が顕著であるとして、拒絶相当とした審決を取り消した事例
「転軸受入道中車」に関する実用新案登録出願についてきわめて大きな荷重に耐えることを目的としない引用例をもって拒絶理由としたことは違法なりとして審決を取り消した事例
「麻糸使用の紗織物」に関する実用新案の登録を無効とした審決について、被膜形成のため合成樹脂溶液が権利者主張のように限定されるものとはいえないとして、審決の結論を是認した事例
「多層塗布法」に関する特許出願について、引用例においては、本願発明におけるビート塗布法を示唆するものとはいえないとして、拒絶相当とした審決を取消した事例
被服などを指定商品とする「YAMAHA」という商標登録出願について共通する指定商品に関する引用例も「ヤマハ」の称呼を生ずるから拒絶相当とし審決を維持した事例
清涼飲料などを指定商品とする「ビタドリンク」という商標登録出願についてこの商標は「ビタドリンク」との称呼を生じ、引用例「ビタレモン」も一連不可分に称呼されるものであり両者は称呼を異にするとして拒絶相当の審決を取り消した事例
「布帛に防水性皮膜を形成せしめる方法」に関する特許無効審判請求を排斥した審決につき、特許発明を構成する個々の要件が公知であって組合わせにも顕著な効果なしとし、その審決が取り消された事例
「単結晶担体上にシリコンまたはゲルマニウムの単結晶を成長させる方法」に関する特許出願について、引用例のうちに同一の数値のものが示されているとしても、引用例は技術課題を異にし、本願のものを選択することが容易ではないとして拒絶相当の審決を取り消した事例
「熱可塑性高分子ポリカーボネートを熱可塑性及び熱弾性状態で形成する方法」に関する特許出願について、引例の技術内容についての認定を誤まったとした主張が排斥された事例
「ボラナートの製造法」に関する特許出願について、引用発明とはその使用する原料物質の化学性質を異にするから、同一発明とは言えないとして拒絶審決を取り消した事例
「鯣の揚げ物製造方法」に関する特許出願について、引用例と目的および構成において、ほとんど一致し、相違点と主張するところは当業者の適宜選択して実施しうる範囲を出ないとして拒絶相当の審決を維持した事例
「プリーツスカートの製造法」に関する特許発明につき、侵害差止請求の対象方法は、本件特許発明にいう、立体的型付けを行なっていないとして、権利侵害の成立を否定した事例
「洋服カバーを兼ねる包装袋」に関する登録実用新案について、その技術的範囲は、先行の公知技術を前提とした具体的構成に限られるとし、同種商品に対する差止請求を棄却した事例
「筒状体の周面にミシン状の切目を刻成する切刃」に関する実用新案権に基づく差止請求について、被告の装置は証拠保全による証拠調の施行を拒絶した事実があっても、原告主張のものとは異なる装置のものと認定された事例
「給油所」に関する実用新案について、同一人から後に出願した別の登録実用新案の技術的範囲と対比し、その技術的範囲を限定的に解釈した事例
1 「コンクリートブロック」に関する意匠権侵害差止請求の対象物件がパンフレットに記載してあるだけでは実施行為の準備とは言えないとした事例 2 「コンクリートブロック」の登録意匠の範囲につき、出願経過に現われた拒絶理由通知に対する出願人の意見を考慮し、限定的に解釈した事例
包装用容器を指定商品とする登録商標である「巨峰」が、容物たるぶどうの品種名の表示として段ボール箱に記載された場合には、商標権の侵害にはならないとされた事例
保釈請求却下決定理由としての「常習性」は認められないが、なお「罪証を隠滅する虞」ありとして原決定の判断を相当とした事例
一審で執行猶予の判決を受けた被告人が、その後所在不明となり、検察官の控訴申立があったことを知っていると認められる場合には、原判決当時の住居に必要書類を送達し、国選弁護人を選任して、被告人不出頭のまま審理を進めることができる
1 へい獣処理場等に関する法律第8条にいわゆる「魚介類又は鳥類の肉、皮、骨、臓器等」の意義 2 本件「鶏羽」は、右法条の「鳥類の肉、皮、骨、臓器等」に含まれるか