最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 採用内定者につき、健康診断に異常があったことを解除条件とする見習社員契約が成立したとした事例 2 右採用内定者に対する反戦団体加入を理由とする内定取消が無効とされた事例
1 電々公社職員が国際反戦デーのデモに参加し兇器準備集合罪で逮捕起訴されたことをもって、「職員としての品位を傷つけ、又は信用を失うような非行」であると認めた事例 2 起訴休職と懲戒免職との差異について判示した事例 3 懲戒免職は有効としながら労使間で免職の基準につき別途の合意成立の可能性あることを根拠に疎明に代る保証を立てさせて賃金仮払仮処分を命じた事例
教職員の3日間連続3割ないし4割の一せい休暇請求の争議行為が地方公務員法37条で禁止された争議行為に該当しないと判定された事例
偽造手形の取得者が手形偽造者の使用者に対し損害賠償を請求した場合における手形取得者の遡求権の時効消滅と過失相殺の成否
新株が株主総会の特別決議を経ることなく株主以外の者に対して特に有利な発行価額をもって発行された場合と新株発行の無効原因
1 主たる債務の短期消滅時効期間が民法174条ノ2の規定により10年に延長された場合の連帯保証人の債務の消滅時効期間 2 信用保証協会に対して差し入れた信用保証委託約定書中に記載された信用保証委託約款についての原審の解釈に経験則違背ないし理由不備の違法があるとされた事例
受訴裁判所の管轄権の有無についての判断を保留したまま民訴法31条を適用して事件を他の管轄裁判所に移送できるか(肯定)
1 試用契約の法的性質について判示した事例 2 女子中学校教師の礼儀作法、言語態度、不潔等の行状が試用期間中の解雇理由に値しないとして解雇権濫用の主張を認めた事例
1 指定商品の包装に登録商標を付したものを販売する目的で所持する場合、その中味が商標権者自身の製品でかつ新品であることと商標法37条2号・78条の罪の成否 2 特段の美観要素がなくもっぱら運搬用商品保護用である商品収容容器としての段ボール箱と商標法37条2号にいう「商品の包装」 3 商標法37条2号の行為が業としてなされることの要否
1 道交法77条の合憲性 2 警職法5条の規制の時間的限界 3 警職法5条の規制と現行犯逮捕の関係 4 集団による公務執行と公務の適法性の判断基準
交通整理の行われていない交差点で、左右の見とおしがきかず、かつ一時停止の標識のある道路に先入した自動車運転者が、これとほゞ等しい道路幅員で交差する道路の左方から右交差点に進入してきた自動車と衝突した事故につき、被告人の過失責任を否定した事例
1 土地区画整理により道路敷地となることが予定されていた土地上の家屋の賃貸借契約で一時使用を目的とする売貸借契約でないとされた事例 2 施行者が仮換地に移築した家屋と移築前の家屋の同一性が認められた事例
1 事故当時、車は運転手と同乗者らの遊興のため使用されていたから、同乗中運転手の過失で死亡するに至った同乗者も運行供用者となり、自賠法3条の「他人」とはいえないとの被告の主張を、右死亡同乗者は車の所有・利用・運転に関与せず、終始同乗していたにすぎないとして斥けた事例 2 飲酒運転の情を知りつつ同乗した被害者の過失斟酌割合を50%とした事例
第一追突事故があった直後、第一追突車に第二追突車が追突し、その衝撃で第一追突車が被害車に再度追突したために被害車の運転手が傷害をうけた事案につき、民法719条1項後段によって第一・第二両追突車の保有者は連帯して責任を負うとした事例
1 前後5米の間隔で併進中、前車が後車の前方に割り込んだために接触した事案につき、過失割合を前車6、後車4とした事例 2 被害タクシーを廃車し、新車を登録する等の休車期間を1週間とした事例
1 言語及び咀しゃくの機能障害および下唇下に長さ約7糎と同2糎巾0.2糎の傷跡2本の醜状などの後遺症につき、8級とした事例 2 右後遺症は家事労働に影響を及ぼすものとは認められないとして、将来の逸失利益を認めず、慰藉料斟酌事情とした事例
会社社長が追突事故によって、頚・腰部捻挫の傷害をうけ、通院治療した事案につき、「会社代表者としての事務処理を遂行しえない状態に陥ったものと認めるのは困難である」として休業損害を認めなかった事例
1 修理代金の支払がないため、被害車輌をモータープールに預けた事案につき、その保管の一部を損害と認めた事例 2 医師に対する謝礼を否定した事例
むちうち後遺症12級の症状固定時を事故後約4年後、症状固定時より3年間労働能力の15%喪失とし、後遺症固定までの期間を3分し、事故日より約10ヶ月間は労働能力の20%、その後3ヶ月間(入院2ヶ月したため)は100%、その後36ヶ月間は60%各喪失とした事例
1 家事に従事する傍ら、内職をしていた主婦の逸失利益の算定につき、内職収入から生活費を控除した事例 2 主婦内職による労働能力喪失期間を65才までとした事例
逸失利益の請求を明確になさず、慰藉料算定の事由として考慮を求める原告の請求に対し、逸失利益額の算定が可能である場合は、その論証につとめるべきで、それをなさず安易に慰藉料に含めることはできる限り避けるべきであるとし、これを排斥した事例
路面電車軌道敷内における電車と、対向進行し近距離で軌道敷内に入り停車した乗用車の衝突事故につき、右は、自動車が、電車の適法な速度での進行中、急停車しても及ばない相互距離で軌道敷内に入り停車したことに原因があるとし、電車運転手は無過失であると判示した事例
1 交通の危険弁識能力が存することも前提に、6才6月の幼児の交差点における小走の道路横断中車と接触した事故につき、10%の過失相殺を認めた事例 2 慰藉料請求権の相続性否定例
株式会社の取締役と会社の間に締結された退職金支給の契約につき、右会社が実質上個人企業にすぎないとして、取締役会ならびに株主総会の承認がなくても無効ではないとされた事例
営業主の交替があったにもかかわらずその営業に関する手形行為について自己の名義の使用を黙認した前営業主に対し、商法23条により手形責任を認めた事例
1 商品仲買人の先物取引委託者に対する売買差損金及び委託手数料支払請求の私法上の性質 2 時期において委任の本旨及び善管注意義務に違背する仲買人の建玉処分権限行使と売買差損金及び委託手数料支払請求の当否
「動力耕耘機の車輪移動自動停止装置」に関する特許無効審判につき、審判講求人の挙げる二つの米国特許明細書はいずれもクラッチの滑りにより車輪移動を自動的に停止する構造を示唆するものではないとし、無効理由にはならないとした事例
「サーモスタチックスチームトラップ」に関する特許を無効とした審決について、無効理由とされた引用例には「弁と弁座との間隙を流れる復水と蒸気の速度差による圧力差」を利用する記載はなくとも技術者の当然理解しうる事項であるから、特許を無効とするを相当とした事例
「水中コンロ」に関する実用新案登録願について、拒絶理由とされた引用例との相違点が何れも格別の考案力を要しないとして拒絶相当の結論を是認した事例
「半導体単結晶の製造方法」に関する特許出願につき、拒絶理由とされた引用発明が「台産法」に属するのに対し、本願発明が「浮遊帯域溶融法」に属するから同一発明ではないとし、拒絶相当とした審決を取り消した事例
「接着された複合組織体及びその成形方法及び装置」に関する特許出願について、出願発明と拒絶理由とされた引用例がともにポリウレタンフォームと織物などの板状材料とを接着剤を用いないで加熱融着することその他格別の相違なしとし拒絶相当の結論を是認した事例
せっけん、歯みがきを指定商品とする「セフロン」という商標登録出願について、既登録「SEFLOR」をもって拒絶理由とするのが相当であるとした事例
「ビニル重合停止法」に関する特許出願について、水溶性蓚酸を、通常の重合温度条件下において添加することを必須の条件とする出願人の主張が却けられ拒絶相当の結論を是認した事例
「包装紙類の熱熔着装置」という特許権に関する特許を無効とした審決につき先細りになった加熱体においては何の措置もとらなければ構成上自然に温度差が生ずるという経験に照らし、3つの引用例から容易に考えられるとして、その結論を是認した事例
「ルチル型チタン顔料の製法」に関する特許出願について、出願の発明内容は五酸化りんの存在を要件とする点において、在来技術と格別の相違なしとして拒絶相当との結論を是認した事例
「手袋」に関する実用新案登録願について、その技術手段は同種のメリヤス製品に用いられているところであるから拒絶相当であるとした事例
「麦粒切断装置」に関する権利範囲確認審判の審決取消訴訟の係属中、問題の実用新案権に関する登録無効の審決が確定したときは訴の利益なく却下されるべきである
「収穫機などにおける収穫物など自動集積装置」に関する特許出願について、出願人が拒絶理由である引例と相違すると主張する、収穫物が一定量蓄積したとき篩線が自動下降する点は、引例から容易に考えられるとして拒絶相当の結論を是認した事例
化粧シートの製造法に関する特許を無効とする審決に対し、特許権者が引例との相違点を主張する6層からなる点、および第5、6層に接着のための層を設けた点は、いずれも公知技術か層を設けた点は、いずれも公知技術から容易に考えられるとして、審決の結論を是認した事例
「合成樹脂チューブの被嵌装置」に関する特許権に基づく差止請求において、対象物件には、本件特許発明の必須要件である、摺動すべき載置台を具えていないとして、権利侵害の成立を否定した事例