最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 第三者の争議対抗行為への加担は違法か 下関ジーゼル事件 2 突発的集団暴行において共謀を認め得るか 第三ゲート事件 3 車輌確保戦術と不法領得の意思 第一新地事件 4 争議参加組合員の立入禁止と住居侵入罪の成否 山陽自動車学校事件 5 労働法と市民法との関係 6 争議と操業の自由 車輌分散と車輌確保
会館使用許可の取消処分に対する執行停止の申立てが回復困難な損害を避けるため緊急の必要があると認められないとされた事例
1 政治ストの使用者に対する関係での違法性を肯定した事例 2 時間外就労拒否が争議行為にあたるにされた事例 3 違法争議の幹部責任を肯定した事例 4 団体交渉を申入れずにした争議行為の違法性
1 北海道海面漁業調整規則36条が適用される漁業の範囲 2 北海道海面漁業調査規則55条の趣旨 3 国後島ノッテット崎西方約3海里付近の海域において日本国民が北海道海面漁業調整規則36条所掲の漁業を営むことと同規則36条、55条の適用
1 北海道地先海面において漁業法66条1項が適用される漁業の範囲 2 漁業法138条6号の趣旨 3 国後島ハッチャウス鼻西沖合約2.5海里付近の海域において日本国民が漁業法66条1項所掲の漁業を営むことと同法66条1項、138条6号の適用
貸付元帳・預金元帳等の一連の帳簿によれば甲が貸付を受けて乙の口座に振込入金したものである旨の記載がある場合に乙の代理人として甲が貸付を受けたものであると認定された事例
債権者に対する関係では主債務者であるが内部関係においては実質上の連帯保証人にすぎない者に対する他の連帯保証人の求償権
債務者が弁済期に債務の弁済をしないときは弁済に加えて確定的に目的不動産の所有権を債権者に帰せしめる旨の譲渡担保契約における債権者の清算義務および右清算義務と債務者の不動産引渡義務との関係
1 取り毀された建物が仮りに存続していたとすれば未だ朽廃していないと認められた事例 2 占有移転禁止仮処分に違反してなされた占有移転が本案訴訟に与える影響 3 改築途上の建物を取り毀された場合の損害額
1 公労法と公労委規則所定の救済命令申立却下事由との関係 2 救済命令申立人が申立てを維持する意思を失ったときは、これを却下事由とする旨の明文がなくても申立てを却下できるとされた事例 3 申立人が申立てを維持する意思を失ったとは認められないとされた事例
1 特許庁の審判手続における審理終結通知の効力 2 拒絶理由の異同と理由通知手続の要旨 3 学会における講演による発明の開示と拒絶理由 4 発明の属する技術分野と当業者との関係 5 「ドライクリーニング用組成物」という用途発明の新規性が否定された事例 6 特定発明が特許性ありとの主張と審決取消訴訟における審理の対象
1 交通事故による傷害後、併発された肋膜炎に対する事故の寄与率が5割と認定された事例 2 横断禁止場所における横断事故につき、歩行者の過失割合が5割と判断された事例
1 年少者の逸失利益算定につき、養育費が稼働能力形成のための必要経費として控除された事例 2 過失相殺前の逸失利益についても原告主張額以上を認めるべきではないとされた事例
いわゆる闘争手段としてのビラ貼り行為について、暴力行為等処罰に関する法律1条(刑法261条)の罪が成立するとされた事例
道路交通法68条に違反して時速80キロメートルの速度で車両を運転していた自動車運転者にいわゆる信頼の原則が適用された事例
1 いわゆるキスマークが強姦致傷罪にいう傷害にあたるとされた事例 2 強姦の被害者にキスマークをつける行為が強姦致傷罪にいう致傷行為にあたるとされた事例
愛知県公安委員会が、行進又は集団示威運動に関する条例(昭和24年7月2日愛知県条例30号、改正昭和36年10月3日同条例43号)4条3項によって集団行動に付する条件の意味、内容ならびに、同条例5条1項にいう条件の内容
自白調書の信憑性について詳しく検討し、且つ自白通りの放火方法を鑑定した結果、発火の可能性及び発火時間について疑問があることを理由として無罪の言渡をした事例
砂利の採取販売を業とする株式会社の代表者が個人商店名義でなした右会社のそれと同種の取引において、その相手方(第三債務者)が右代表者個人の債権者からなされた債権差押転付命令に対してなした右取引代金の弁済が有効とされた事例
高校1年生が先生の指導のもとに入学試験場の準備作業中、同僚の落した机によって受傷したとき、その損害賠償請求が否定された事例
鉄筋高層建築請負人が工事震動により第三者に与えた損害につき、注文者の注文または指図に関し過失が認められないとされた事例
甲が所有権移転請求権保全の仮登記に基づく所有権移転登記をした建物につき、右登記におくれる所有権移転登記をした乙は、その所有権取得を甲に対抗できないが、これを時効取得したことを理由として、甲の右各登記の抹消を求めることができるとした事例
1 接続する甲建物の内部を通らなければ外部と交通できない位置・構造関係にある乙建物を1個の独立の不動産と認定した事例 2 不動産登記法上の附属建物の意義、及び甲乙両建物に抵当権設定を約した所有者に対し、抵当権者から、未登記の乙建物を既登記の甲建物の附属建物とする合併登記手続請求をすることの可否
1 交差点において広路を進行する車が徐行しなかったとしても、これのみで過失あるとすることはできないが、安全確認義務まで否定されるわけではないと判示した事例 2 子の死亡に伴ない父が支出した葬儀費等の積極損害も被害者たる子に過失がある以上、父に過失なくも過失相殺の対象となる所以を判示した事例
1 事故で死亡の未婚女性が結婚適令期後家事労働に従事すると認めるに足りる証拠はなく、共稼ぎや内職に従事する主婦が増加していることは顕著な事実であるとし、右適令期後の稼動収入を肯定した事例 2 好意同乗を慰藉料算定事由にとどめた事例
食堂再開に際してのタオルの配布、挨拶状、世話人への馳走等の費用は社会的儀礼として行なわれたもので事故との因果関係は認められないとされた事例
1 右折車(バス)に優先通行権を認め、直進二輪車の運転者に7割の過失相殺をした事例 2 逸失利益算定に際し、給与の他に3食付の現物支給による利益を金銭に評価して年収を定めた事例
工場内において積荷に施縄した後、漫然と荷台から飛び降りて側方通過車の後輪に轢過された被害者に7割の過失相殺をした事例
自車の通行帯幅員一杯に2台の車が駐停車しているのを認め、追越のため対向車線に入ったところ、右駐・停車の前を横切って右折しようとしている原付自転車と衝突するに至った普通貨物車の過失割合を95%とした事例
1 サイドブレーキをひき、エンジンは切らずヒーターをたいたまゝ、傾斜地に駐車中、ブレーキがゆるみ車が動き出し、海中に転落し、人身事故となった場合も、右事故は運行によって生じたものとした事例 2 共同相続された債務は債権者の不利益を防ぐため不可分債務とみるべきであるとした事例
幅員17米の国道でUターン中のバス側面に直進の二輪車が衝突した事故において、Uターンを始めた時の両車の距離125.3米よりして、事故原因は、二輪車の速度超過にあるとし、バス側に免責を認めた事例
1 代表取締役の事故受傷による会社のうべかりし利益逸失損害賠償請求を、会社が全くの個人会社であることを認定したうえ、さらに右代表者個人は逸失利益を請求していないことを判示して、会社の右損害請求を認めて差支えないとした事例 2 歩行者の横断歩道外横断中の事故において、過失相殺を認めなかった事例
道交法36条3項の「幅員が広い道路から当該交差点に入ろうとする車両等があるとき」とは、狭路進入車が交差点に入り、交差点内に在る間に、広路進入車が交差点に進入することになる場合も含まれるとした事例
近親者が付添看護し、勤務を休業したため逸した利益のうち、一日1、000円をこえる部分を、特別損害として請求を斥けた事例
生活保護による医療扶助をうけた治療費も、交通事故被害者としては、保護支弁者に対し返還義務を負うものとして、なお加害者に対し、損害賠償請求しうるとした事例
欠席判決において原告主張の損害額は自白の対象とならないとし、逸失利益の算定に当り、就労可能年数を主張より短期とし、慰藉料も当然減額したほか、弁護士費用は損害となしえないとした事例
1 融通手形(為替手形)の引受人の支払いと法定代位 2 第三者弁済と弁済代位による根抵当権移転附記登記手続とは同時履行の関係にない 3 根抵当権者が極度額を超える被担保権を有する場合、第三者の弁済によって債権額が限度額以下にならない時は、弁済者は根抵当権につき代位しない
従前出勤停止3回、譴責1回の懲戒処分を受けたにかかわらず悔悟の見込みがないとして就業規則に基きなされた懲戒解雇が取り消された事例
1 忌避の原因について疎明を要するのは、事件について請求又は陳述をした後忌避の原因を知らなかったこと又は忌避の原因がその後に生じたことを理由として忌避の申立をする場合に限るか 2 忌避の申立自体により忌避の原因事実について疎明がなされたものと認められる事例
被害者の侵害に急迫性、被告人に防衛意思がいずれも認められないのに、被告人の行為を過剰防衛行為と認定したのは誤りであるとした事例
1 牛胆、平胆およびエキス(固型)は薬事法2条1項の「医薬品」にあたる 2 自己製造にかかる前項の物品を一部販売し、その余を販売目的で貯蔵した場合の罪数
賭博場で押収された場銭の中から、開張者が両替及び賭客への貸付のために用意したいわゆる回銭を特定できないときと、右回銭に当る金額を刑法19条1項2号で没収することの可否
殺人事件につき、被告人が犯行当時心神耗弱の状態にあったことを認定した一審判決を破棄し、心神喪失を認定して無罪を言い渡した事例
「昭和クラブ」という名称でマッサージ業を営んでいた被告人が、客の求めに応じて派遣する女子従業員と売春させることを内容とする契約を結んでいたとの訴因に対し、犯罪の証明がないとして無罪の言渡をした事例