最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 証拠の発見が上告審係属中になされた場合と再審の要件としての証拠の新規性 2 鑑定人による鑑定内容の相異と証拠の新規性
国家公務員法102条1項、110条1項19号、人事院規則14‐7、5項1号、6項13号と憲法21条・41条・28条・13条・14条・73条6号但書・31条
1 一通の控訴状をもって第一審被告の控訴の提起ならびに参加人の当事者参加の申出および控訴の提起がされた場合と印紙の貼用 2 所有権に関する仮登記の抹消登記手続請求の訴額
1 法人格のない財団として設立中の財団法人に訴訟上の当事者能力が認められた事例 2 遺言による寄附行為の寄附財産について遺言執行者のした処分が有効とされた事例
1 弁護士法64条にいう「懲戒の手続を開始する」との意義 2 日本弁護士連合会からその懲戒委員会に対してされた審査請求によって特定の追加的懲戒事由について懲戒の手続が開始されたものといえないとされた事例
1 特許法における「同一の事実、同一の証拠」の適用が問題とされた事例 2 公知文献に技術の開示があるかどうか問題になった事例
1 別訴の不法行為訴訟に要した弁護士費用の賠償請求と右別訴の不当抗争性の要否 2 不当抗争による慰謝料と予見可能性の要否
1 組合休暇の付与拒絶が支配介入と認められた事例 2 団交申入に対し苦情処理によるべしと返事したことが不当拒否と認められなかった事例 3 合意成立しても労働協約を締結する意思なくして「話合には応ずるが団交に応じない」と返事することが団交不当拒否と認められた事例
麻薬所持罪の犯人である被告人から麻薬を没収するについてあらかじめ麻薬の所有者(その麻薬に関する別罪の被告人)に対し手続に参加する機会を与える必要がないとされた事例
捜索・差押え処分につき全体を違法として取消すべき事由はないが、差押えた一部の物件については、被疑事件との関連性がないとして当該物件の差押え処分を取消した事例
罹災都市借地借家臨時処理法2条による借地権において同法5条の期間内に地上建物が朽廃以外の事由により滅失した場合の効果
会社が従業員に特別賞与金の引当として取得させた自社株式につき、従業員が定年退職する場合は会社においてその譲渡を受け時価相当の金員を支払うが、定年前任意退職する場合は右株式は原権利者に返還される旨の約定の効力
1 国家賠償法施行以前における公務員の不法行為に基づく国又は公共団体の不法行為責任 2 上告審で取消された第1 二審の判決は国家賠償法1条にいう公権力の違法な職務の執行にあたるか
分割して賃貸したため公路に接しなくなった土地の賃借人は、民法212条2項の準用により、他に分割譲渡された隣接地につき囲繞地通行権を主張しうるか
土地転借権譲渡許可に伴う付随処分として転借人に対し、賃貸人・転貸人のそれぞれに、転借地権価格の7.5%に当る金銭の支払を命じた事例
賃金仮払の仮処分において解雇時から本案の第一審判決言渡までの間の賃金支払を命じ、その後の分につき必要性なしとして却下した事例
「波力応用圧縮空気発生気泡防波堤自動装置」に関する実用新案登録出願につき二つの引用例からきわめて容易に想到できるものとして拒絶相当とした審決を是認した事例
無効審判請求当時実施していた営業をその後廃止したため、利害関係を有しなくなったとして「合成樹脂製造花」に関する実用新案登録を無効とした審決を取り消した事例
「開口及び子翼つき推進器翼」に関する実用新案登録出願につき拒絶査定不服審判の手続中、共同出願人の1人が死亡したのを看過した審決を違法として他の1人から提起した審決取消訴訟において、これを取消した事例
職務発明に関し、企業の業務範囲に属するものであっても、職務に属するものではないとして、職務発明であることが否定された事例
「中空塑性製品を形成する方法」に関する特許出願につき、出願人の主張する作用効果が出願明細書からは導き出すことはできないとして拒絶相当とした審決の結論を是認した事例
1 特許庁長官に対し、特許登録を命ずる判決を求める訴は不適法として却下すべきである 2 出願人が特許庁に書類を差出した受付日の変更を命ずる判決を求める訴も不適法として却下すべきである
「滑り止片付靴底」に関する登録実用新案の登録を無効とした審決の取消請求訴訟において、引用例に関する審決の認定に誤りありとしながら、審決が登山家の常識に属する事項として例証に挙げた文献の記載から容易に推認しうるとして審決の結論を是認した事例
「池田物産株式会社」という商標登録の出願につき他人の名称を含む商標であるとして登録を拒絶するのが相当であるとした事例
神職にある者において選挙運動者から神せんとして渡された清酒を受領した行為が公職選挙法221条1項4号の受供与罪にあたるとされた事例
1 人を押して転倒させた行為が刑法上の暴行とは認められないとされた事例 2 傷害致死の訴因で起訴された場合に、地方裁判所が過失致死を認定し罰金刑を言渡した事例
業務上過失致死被告事件において、起訴状の訴因に掲げられた過失の態様と異なる態様の過失を訴因変更の手続を経由することなく認定した措置が訴訟手続の法令違反にあたるとされた事例
1 道路が直角に交わっているが、一方の道路が直線でなく、巾員にも差がある場合の交差点の地域的範囲 2 優先通行権のある右折車の左方道路に対する注意義務につき信頼の原則の適用を否定した事例
婚姻関係が破たんにひんしている夫婦の一方に職場を放棄させてまで同居を強いることは相当でないとして、夫の妻に対する同居申立を却下した事例
物心両面みちたり幸福な家庭生活を営んでいる事件本人の現在の生活環境を今にわかに一変することが事件本人にとって幸福であるとは到底即断できないとして、母からなされた親権者変更の申立を却下した事例
事件本人(親権者母)の行為は不行跡であるがその期間は比載的短期間であり、以後事件本人が子に対する愛情を欠く仕打ちをした事実は認められず、過去の不行跡をもって親権を喪失させることは、他の親権者たる父を失なった子にとりその福祉上決して望ましいことではないとして申立を却下した事例
両親が離婚に際し、子の扶養は母の負担において行う旨協議したが、その後母が自らの責に帰すべき事由により扶養困難な事態を早期に生ぜしめた場合、これをもって直ちに父をして扶養料を負担せしむべき特別の事情が発生したものと解することはできないとして未成熟子の父に対する扶養の申立を却下した事例
民法892条にいう虐待、重大な侮辱その他著しい非行とは、被相続人に対して故意になされた場合をいうのであって、精神分裂病による心神喪失の常況にあるときの行為は、相手方の責に帰すべきものではないから、相続人廃除の原因にあたらない。
遺言の内容が、事件本人の著しい非行を理由とする推定相続人廃除の意思を表示したものであることが推認されるとして、民法893条による申立を認め廃除の審判をした事例
遺産の評価の方法について当事者間に合意があるときは、それが当事者間に著しい不公平をもたらすと認められる場合のほか、裁判所においてその内容を変更することは相当でないとした事例
1 乙類事件の性質上それが調停手続係属中においても審判前の保全処分を命じ得るものと解すべきである 2 審判前の仮の処分には執行力を認めるのが正当な解釈というべく不動産の仮の処分については準用条文の有無にかかわらず民訴法751条所定の方法によって執行すべきものと解すべきである
1 子から嫡出否認の申出があった場合でも、父子間にその旨の審判をうけることの合意が成立しその合意が正当であれば、嫡出否認の審判をすることができる 2 中国法上嫡出子と推定される子につき、子の受胎期間内に父母間に同棲交渉のなかったことが明らかであるとして、家審法23条により嫡出否認の審判をした事例
僧侶となる場合には改名の正当事由の存在が肯定される事例が多いとしても、入僧籍の一事をもって当然に改名の正当事由があるとするわけにはいかないとして、申立を却下した事例
1 既に完了した戸籍記載の取消を求めるのは、戸籍法118条による市町村長の処分の取消ではなく戸籍訂正でなければならないとして、申立の趣旨を転換したうえ判断した事例 2 嫡出子が父母の氏を称するとは、子が準正により嫡出子の身分を取得した場合をも含み、子が一旦自己の意思に基づいてその氏を母(又は父)の氏に変更していたとしても例外となるものではない
婚姻当事者の各本国法において婚姻の成否につき差異のある場合は、国際私法の原則により婚姻の効力をより否定する法によつて決すべきであるとした事例