最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 労働者に対する配置転換命令の効力は民事訴訟の対象となるか 2 配置転換命令に内在する合理的制約の内容 3 夫婦別居を余儀なくする配置転換命令が無効とされた事例
1 いわゆる一般的指定の取消をもとめうるか 2 一般的指定の適否 1(1) 一般的指定は弁護人の秘密交通権を実質的に制限するものであり、指定書の謄本が弁護人にも交付されるから刑訴法39条3項による指定と解すべきである (2) 秘密交通権は憲法34条により保障せられたもので特段の事情のない限り制限できないものであるのに一般的指定により事実上秘密交通権が制限せられるから違法な措置である 2(1) 一般的指定は被疑者に謄本が交付され、しかも具体的指定がない限り接見を拒否する取扱であるから刑訴39条3項の処分と解すべきである (2) 検察官の面接指定は具体的になすべきであり、一般的に予め接見を禁止する措置をとることは刑訴法39条3項の権限を逸脱するもので違法である
1 超短波放送実用化試験局の再免許をしない旨の通告が免許の撤回行為に当るとされた事例 2 右試験局の免許に付された有効期間の趣旨 3 右試験局の免許撤回処分の取消訴訟と電波法第96条の2、第97条の適用の有無
1 甲不動産につき抵当権設定契約および代物弁済予約形式の合意がされるとともに乙不動産につき同一債権の担保を目的とする所有名義移転の合意がされた場合と債権者の清算義務 2 右契約関係のもとで債権者が清算義務を負う場合において債務者が債務を弁済して甲乙両不動産を取り戻すことのできる時期
1 商号の使用を許諾した者の営業とその許諾を受けた者の営業との業種が異なる場合と商法第23条の責任 2 右の場合において商法第23条の責任があるとされた事例
1 診療担当者の社会保険診療報酬支払基金に対する診療報酬債権はいわゆる継続収入の債権か 2 継続収入の債権に対する差押に対して配当要求がなされた場合は差押の範囲が拡張されるか
1 供託官の供託金還付請求却下決定処分の取消しを求めることなく、直接国に対してなされた供託金還付請求の当否 2 弁済供託金還付請求権の消滅時効の起算点
1 盗犯等の防止及び処分に関す法律第3条所定の常習累犯者と憲法第14条 2 盗犯等の防止及び処分に関する法律第3条と憲法第39条
保釈請求却下決定に対する準抗告申立棄却決定謄本が被告人と弁護人との双方に日を異にして送達された場合と抗告申立期間の起算日
漁業協同組合参事が上司の決裁を受けることなく組合長振出名義の融通手形を作成した行為につき有価証券偽造罪が成立するとされた事例
控訴審が事実の取調として職権により公判期日外において証人を尋問する場合あらかじめ被告人に証人の氏名、立証趣旨を知る機会を与えることの要否
1 刑法第193条の法意 2 保護観察期間経過後の者は、犯罪者予防更生法第19条第2項に規定する保護観察官の職務の対象となるか
1 古物営業法第6条違反罪に関する自白と補強証拠 2 古物営業法第6条違反罪の中間に確定裁判が介在する場合と刑法第45条後段
1 土地区画整理事業による保留地の売渡処分の取消および無効確認を求める訴の適否 2 右保留地の払下げ決定の取消および無効確認を求める訴の適否 3 不作為の違法行為確認の訴えの許されない事例
戦災家屋を借用して金1,200円位(昭和21年当時)を出費してこれを修復し、期間を8年とし、家屋の公租公課と敷地(借地)部分の地代だけを負担する契約を、家屋の賃貸借契約と認めた事例
1 土地工作物の瑕疵による火災と民法717条及び「失火ノ責任ニ関スル法律」の適用 2 民法第717条と第716条の関係
集金債務に従事する被傭者が、その集金して保管中の現金を紛失したことに対し、善管義務違反による債務不履行及び不法行為の成立をいずれも否定した事例
1 無断転貸が賃貸人に対する背信行為と認めるに足らない特段の事情あるものとして、契約解除が認められなかった事例 2 右の場合における転借人の地位(賃貸人との関係)
債務名義に基づき差押中の物件に対し第三者異議の訴が提起された場合と追加差押の可否(執行官の追加差押拒否に対する異議申立を却下した事例)
1 法律上別個の会社であるが(実質は同一であるとして)両会社とも運行供用者と認められた事例 2 中心線をこえて来た車との衝突に過失を認められた事例 3 右上腕切断により労働能力の8割を失ったと認めた事例 4 弁護士費用のうち手数料金額と認容額の1割を相当因果関係の損害とした事例 5 弁護士費用と消滅時効の起算点
判示事情の下においては、タクシー運転者は乗客が勝手にドアを開けたために発生した事故についても注意義務違反の過失があるとされた事例
所有権留保付月賦販売契約の売主が、その実質関係からして買主の従業員の運転する自動車につき運行供用者責任を認められた事例
1 転借人の賃貸人・転貸人に対する改築許可申立を認容した事例 2 右許可に伴う付随処分として、転借人に対し、賃貸人・転貸人にそれぞれ財産上の給付ならびに賃貸借・転貸借契約の借地条件(地代増額)の変更を命じた事例
増改築許可に伴う付随処分として、借地条件(地代増額・期間延長)の変更と、更地価格の約2%にあたる金銭の給付を命じた事例
賃借権の譲渡許可に伴う付随処分として、借地条件の変更(地代増額)と、借地権設定後における借地権価格上昇分の10%にあたる金銭の給付を命じた事例
地下鉄敷設を目的とする地上権設定契約に基づく土地使用補償金について旧租税特別措置法(昭和37年法律第46号による改正前のもの)による課税の特例が適用されるか
1 所得税の再更正決定等通知書において、内容につき一定期間内に不服申立のできる旨の教示を欠く場合と右決定の効力 2 国税通則法第87条第1項第4号にいう「正当な理由」があるものと認められた事例
タクシー会社の労働争議において、組合が占有する自動車に対する会社側からの執行官保管、使用許可の仮処分申請を認容した原決定を認可した事例
「台はかり」についての登録意匠が、引用意匠と共通するところがあっても、これらはすでに在来品に見られるところであるとし、その他の明白な相違点を指摘し、無効理由なしとした事例
特許出願にかかる「剪断ピン安全装置を有する採炭ホーベルおよび切羽コンベヤの駆動装置」に関する発明について、引用例とは石炭採掘装置であるか送炭機であるかの点のみが相違するだけでなく、剪断安全接手が内方に設けられた装置はすでに公知であるから、これを外方に設けた本願発明は、引用例から容易に推考しうる程度のものであるとして拒絶相当とした事例
登録出願にかかる商標(欧文字ペン書筆記体で「Winner」を横書したもの)は引用の既登録商標(筆記体で「Pennant Winner」の欧文字及び小さく片仮名で「ペナント・ウインナー」の文字を2段に横書したもの)と「優勝者」の観念を共通し、類似の商標として拒絶するのを相当とした事例
1 「鑿岩機駆動装置」に関する発明について、その調節弁は審決が挙げた引用例におけるエア・レッグ・コントロール・ノブの構造とその営む作用と同様ということはできないとして拒絶相当とした審決を取り消した事例 2 一の引用例をもって拒絶相当とした以上さらに同一構造のものの記載ある他の公知例を挙げることは法律的に意味がないとした事例
「もなか」に関する登録意匠について、これに類似する意匠が、すでに出願前、百貨店における宣伝頒布会に出品されていた事実によってその登録を無効とするのを相当とした事例
特許出願にかかる「調帯伝導機構」に関する発明が、審決の挙げる引例に示された公知技術に慣用の技術を応用することによって、当事者が容易に実施できる技術内容にすぎないとして拒絶相当とした審決を維持した事例
特許出願にかかる「薄膜アーチ屋根」に関する発明が、構造上生ずることあるべき亀裂を、特定の凹窪部に誘導集約するとともに、防水手段を講じた点において、公知例に見られない新知見ありとして、拒絶相当とした審決を取り消した事例