最も長い歴史をもつ判例実務誌
商法494条1項1号及び2項の株主総会に於ける発言又は議決権の行使に関し不正の請託を受け財産上の利益を収受し又は供与することを禁止する立法趣旨
未完成仕事部分に関する請負報酬金債権の譲渡後に生じた仕事完成義務不履行を事由とする請負契約の解除をもって右債権の譲受人に対抗することができるとされた事例
1 他人の債務のため自己の所有物をいわゆる弱い譲渡担保に供した者は右債務の消滅時効を援用することができるか 2 債務者の時効の利益の放棄は当該債務のため自己の所有物をいわゆる弱い譲渡担保に供した者に影響を及ぼすか
土地区画整理法に基づく仮換地の指定によって従前の土地上の建物を仮換地上に移転すべき場合と該建物についての賃借権の消長
権利範囲に属しない旨の特許庁の判定があったこと、および差止の対象とされた方法が特許出願の結果、出願公告の段階に至ったことは、すでにされた差止めの仮処分を取消すべき事情変更の事由に該当する
勾留請求を却下する裁判に対し,準抗告を申立て、執行停止を申請したまま、準抗告裁判所の裁判があるまでの間、被疑者の身柄拘束を継続した検察官の措置を違法とし、国家賠償を命じた事例
1 夫の運転する車に同乗中の妻は自賠法3条の他人にあたるとされた事例 2 夫の過失による妻に対する傷害行為が、違法性を阻却される場合にあたらないとされた事例 3 保険会社は、夫の車による事故を理由に妻の自賠責保険金の支払を拒絶できない
1 主婦の家事労働の金銭的評価の可否(積極) 2 主婦である女性の労働能力喪失による損害の算定 3 未婚の女性の労働能力喪失による損害の算定 4 結婚適令時の退職を予定されていた職業婦人の労働能力喪失による損害算定の事例
1 交通事故で死亡した夫婦の遺族に総額金2、198万円余の損害賠償が認められた事例 2 前方に靄がかかって見透しのきかない時の注意義務 3 客の運転手に対する左折の指示に過失がないとされた事例
合名会社の代表社員および他の業務執行社員につき、商法第86条第1項第5号に該当する事由があるとして、代表権および業務執行の喪失が宣告された事例
1 在日アメリカ合衆国軍当局の裁判と憲法第39条 2 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第17条の規定に従わないでなされた裁判と同条第8項の一事不再理の規定の適用の有無
輸出貨物につき関税法第118条第2項にいう「その没収することができないもの又は没収しないものの犯罪が行われた時の価格」の意義
1 国税犯則取締法第2条に基く差押の裁判及び処分に対する準抗告の許否 2 国税法第2条の令状に犯則事実の記載のなかった場合の効力
旧監獄法施行規則86条2項が違憲であるとしても、右規定にもとづく雑誌閲読禁止処分に故意又は過失あるものとは認められないとされた事例
抵当権実行のため競売事件において、さきに競売の目的物件の所有者から委任を受けその代理人として右物件に関する訴訟活動を行なって来た弁護士が、第三者の委任をその代理人として最高競買の申出をし競落許可決定を受けた場合、右競買申出の行為は弁護士法25条3号に該当する
第三債務者は、債務者が強制執行、仮差押等を受けたときはその第三債務者に対する債務は当然期限の利益を失う旨の特約をもって差押債権者に対抗できるか
横浜市の文書課係員が同市宛の債権譲渡の通知書に受付印を押捺しても右文書は民法467条2項の確定日附ある証書にあたらない
1 国税徴収法127条の法定地上権が発生するためには、土地およびその地上建物が公売時まで同一所有者に属することを要せず、差押時においてともに滞納者の所有に属すれば足りる 2 国税徴収法(昭和34年4月20日法律第145号昭和35年1月1日施行)施行前に差押がなされ同法施行後に換価されるべき土地については同法127条の適用はない
1 いわゆる織機登録権を執行の対象として仮差押決定をすることができるか 2 仮差押決定の執行の対象が権利でなく事実上の利益にすぎない場合と第三者異議の訴えの許否
1 相隣者の一方甲が隣地との境界上に設けた板塀が許された限度を超える規模構造のものであると認められた事例 2 甲が右のような板塀を設置したのは相隣者の他方乙が甲の宅地を観望すべき窓に目隠しをつけないためである場合における乙の請求
土地賃貸人が賃借人との間の土地賃貸借契約終了による土地明渡請求権(賃借物返還請求権)に基いて地上建物の占有者に対し直接その妨害排除を求めることができるか
宅地建物取引業法17条に基づく報酬規定の解釈 建物賃借保証金は建物売買代金ではなく、報酬算定の基礎とすることはできないとされた事例
1 満6才11ケ月の女児の過失を損害の算定に斟酌した事例 2 子の負傷により母親が退職するに至ったことは、子の慰藉料の算定につき考慮すれば足り、母親に慰藉料を認める事由とはならない
1 車から積載物を下すことが運送業者の業務範囲であるが荷主の業務でもあると認められた事例 2 その際の現場監督の注意義務
支払人と記載された者以外の者が為替手形の引受をした場合においても、支払人として引受人の氏名を記載すべきものを振出人が誤記したと認められるときは、右引受は無効でないとされた事例
法人税の課税について売買契約が要素の錯誤があって無効であるとしても、その売買契約によって生じた経済的成果が残存する以上譲渡所得が存在するものと認定された事例
「釣糸」の考案に関し、拒絶理由として挙げられた引例記載の「絃」と対比し、材料、構造及び作用効果の点において大きな差異ありとして、実用新案としての考案の存在を認めるのを相当とした事例
特許発明の要旨とする二つの要件を個別に取り上げ、その関連性を看過した点において判断が誤っているとして、無効理由ありとした審決を取り消した事例
耕耘爪に関し、その形状が公知であっても、特定の装置に組み込まれた場合、独特の機能を営むようになるときに、実用新案としての考案の存在を否定することはできないとした事例
会社重役が、入社の条件とした将来の独立開業に備え、従前個人事業に使用していた商標を個人名で登録出願をしたことは、会社にその商標を使用させていたからといって、 「悪意ヲ以テ登録ヲ受ケタ」場合には該当しないとされた事例
「東京ロープ」という表示が、これを商標として登録出願をした当時、すでに出願人のものとして周知著名になっているとの事実を認定し、特別顕著性がないことを理由としてその登録を無効とした審決を取り消した事例
実用新案法上の先使用権の抗弁につき、考案を実用化するための試験と改良に協力したにすぎないときは、先使用の要件を欠くとされた事例
調停条項において、「ケロリン」という商標の使用を逐次縮少し、他の商標へ移行すべき旨を約し、その間の使用許諾を得たが、とくに期間を定めなかった場合に、10年以上も経過したのちにおいてもなお、使用許諾の抗弁を主張できるかについて消極に解した事例
1 被告人に殴りかかった被害者の行為は急迫不正の侵害に当るが、これを果物ナイフで突き刺した被告人の行為は専ら防衛の意思に出たものと認められないとして、正当防衛の成立を否定した事例 2 被告人に未必的殺意があったものと認定して殺人罪の成立を認めた原判決を破棄して傷害致死罪の成立を認めた事例
屋外から、屋内にある家人を「殺すぞ、火をつけるぞ」等脅迫して金員を屋外に投げ出させようとする意図は、強盗の犯意に該当するとされた事例
1 旧物品税法(昭和15年法律40号)6条3項の移出に当る一事例 2 同法1条別表丙類16号の課税物件に当るか否かの判断基準
当直助役として勤務中の国鉄職員に対する暴行が、刑法95条1項にいう「職務の執行に当り」加えられたものにはあたらないとされた事例