最も長い歴史をもつ判例実務誌
大阪国税局直税部所得税課作成の所得標準率表および所得業種目別効率表は、国家公務員法100条1項にいわゆる「秘密」に当るか
1 地方議会の議事進行に関連する議員の刑事犯罪と議会または議長の告訴告発 2 地方議会の議事進行に関する議長の措置が会議規則に違反していたとしても刑法第95条第1項にいう公務員の職務の執行にあたるとされた事例
1 起訴されていない犯罪事実を量刑の資料として考慮したことが憲法第31条第38条第3項に違反するとされた事例 2 原判決の憲法違反が判決に影響を及ぼさないとして上告が棄却された事例
1 不正競争防止法第1条による行為の差止請求と不正競争目的の要否 2 不正競争防止法第1条による行為の差止請求をなしうる事項
1 賃借権譲渡の承諾があった場合と賃借条件に関する特約の効力 2 借地上の建物を増改築するには地主の書面による承諾を要する旨の特約効力 いわゆる証拠制限契約の有効性
1 刑訴法第361条の趣旨 2 第一審判決に対し被告人および検察官の双方から控訴の申立があり被告人のみこれを取り下げた場合において控訴棄却の判決に対し被告人から上告を申し立てることは許されるか
神社の行事に参集した群集の雑踏により多数の死者を生じた事故についてその行事を企画施行した当該神社の職員に右事故の発生を予見しこれを未然に防止するための措置をとるべき注意義務があるとされた事例
郵便局の区分係が郵便物の受取人名義を自宅宛に配達されるように書き変えその一部は既に配達され他の一部は局舎に残っていた場合の擬律
昭和39年法律第91号による改正前の道路交通法第91条により二輪限定軽免許を受けていた者が、昭和40年法律第96号による同法の改正及び同年総理府令第41号による同法施行規則の改正の後において軽自動車を運転した場合の罰条
1 証券会社に預託されたいわゆる保証金代用証券を会社の第三者に対する債務の担保に差入れる行為が業務上横領罪にあたるとされた一事例 2 いわゆる保護預り株券を一旦自己の債務の担保に流用したのち、これを受戻して再度別に担保に流用することが、前の流用行為とは別個の犯罪を構成するか。
1 株式会社清算結了の登記と法人格の消滅 2 商法14条による不実の登記に対抗し得ない第三者の意義 3 供託金取戻請求権の特定承継人は担保取消の申立権を有するか
同一所有者に属する土地およびその地上の建物のうち建物のみにつき代物弁済の予約が締結され、予約完結権行使によってその所有権が移転した場合と建物敷地の使用関係
控訴審での新たな主張の追加が時機に遅れた攻撃方法として却下された事例 第一審で明瞭に除外した事項を控訴審にいたって特段の事情もなくして事実上の主張に加えた場合
被用者の行為が、使用者の業務の執行としてなされるものであると、第三者が認識していたと認められない場合における民法715条適用の有無
賃借人が、自分の個人企業を会社組織に改めて設立した会社に、賃借土地を転貸したことが背信行為に当たらない場合において、会社の実権が第三者に移行したことと民法612条適用の有無
当事者(本人)が口頭弁論期日において裁判所の釈明に応えてした陳述について後に錯誤による無効を主張することが許されないとされた事例 2 課税処分取消訴訟において、該請求が、無効確認の請求であるのか、取消の請求であるのかについてした裁判所の釈明処分に違法がないと認められた事例 3 課税処分取消請求の理由に処分が無効であることを掲げている場合であっても、その請求自体が取消請求であるかぎり、国税通則法第87条第1項、第79条第3項の適用を免れない
仮処分の目的物たる建物につき収去することを得る旨の授権決定を有するにすぎない者は、仮処分債権者に対し第三者異議の訴を提起し得ない
仮執行宣言付判決に基づく強制執行により取得された金員につき、別訴で不法行為による損害賠償または不当利得の返還を請求する訴の利益はない
手形判決で敗訴した被告が異議申立に伴い保証を立てて執行停止を得たのち、一審の終局判決でも敗訴し、控訴提起に際し再び保証を立てて執行停止を得た場合において前者の保証を取り消すべきものと認めた事例
1 会社所有の車について、その取締役を運行供用者と認めた事例 2 従業員の私用運転について右取締役に運行供用者責任を認めた事例
1 小学校上級生が登校する学童に対し青旗赤旗をもって自主的に交通整理をしている学童横断歩道を通過する自動車運転者の注意義務 2 右横断歩道を横断登校する学童の注意義務
1 会社の従業員が友人と飲酒のため会社所有の自動車を無断で持出し、深夜無免許運転して事故を生じたときの会社の責任 2 自転車を飲酒運転した被害者の過失と比較して自動車を無免許で飲酒運転した加害者の過失が大きいとして過失相殺の主張を認めなかった事例
児童福祉法34条1項9号にいう「児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的をもって、これを自己の支配下に置く行為」にあたるとされた事例 トルコ風呂経営者とミス・トルコの関係
交通整理の行われていない十字路交差点において直角方向に衝突した自動車相互間の交通事故につき「信頼の原則」を適用した事例
1 いわゆる両罰規定に基づき業務主たる法人が負担する責任の性質 2 従業者の児童福祉法第34条第1項第9号、第60条第2項にあたる違反行為に基づき業務主たる法人について成立する同法第60条第4項の罪の罪数
営業名義人であるが、事業経営の実態には関与していないものについて労働基準法第121条1項本文にいわゆる事業主に該当するとした事例
交通事故の当事者の一方が救護報告の措置をとりつつある場合であっても、他方の当事者もこの義務を負うべきものとされた事例
1 関税法112条1項のいわゆる運搬の意義 2 密輸品であることを認定するには、それが「何時、何処で、何人により」密輸入されたものであるかを具体的に明確にすることを要するか
背任罪の成立を否定した事例 取引に際し任務違背の認識と、自己若くは第三者の利益を図り又は本人(生活協同組合連合会)に損害を加える目的があったものと認められない
病院事務長が業務上保管する金銭を、雑誌社の設立に要する株式払込金として第三者に貸与した行為につき、業務上横領罪の成立を否定した事例
幼児が小走りに横断歩道を渡り、あわてて歩道上の電柱に抱きつくようにしたものの手が滑って電柱からはずれたため転倒し、折柄同所を発車進行した乗合自動車の左側後輪にひかれ負傷した事故につき、右運転手に過失がないとした事例
禁治産宣告と後見人選任とが同時になされた審判に対する即時抗告に対しては、禁治産宣告が不当のときに限り、後見人選任をも含めた原審判全部の取消が可能なのであり、前者が相当であればもはや後者につきその当否を審査とすることは許されない
法律上夫婦関係が存続している限り、別居責任がいずれにあったかということは、婚姻費用の支給を受くべき側が故なく同居を拒む等の行為によって右権利を喪失又は放棄したと認められる場合等は別として、原則として婚姻費用分担の権利義務の存否および数額に影響を及ぼすものではないとした事例
親権者からなされた他方の親に対する子の引渡請求が「子の監護に関する処分」に含まれるものとして乙類審判事項にあたるとした事例
離婚に至った原因が夫婦双方にあり、かつ妻は生活力旺盛で離婚後扶養の必要もないから、本件財産分与は純然たる共有財産清算の性質のみを有するものであるとして、妻の潜在的持分の割合を4割と判定し分与額を定めた事例
財産分離をしなくとも相続債権の弁済につき何ら影響を与える虞れのない場合にまで、相続債権者の恣意により相続財産の分離をなすことは許されない
婚姻の無効による婚姻事項の消除、父の変更等の訂正は、身分法上重要な影響があるから、原則として戸籍法第113条、第114条による訂正は許されず、同法第116条所定の確定判決又は審判により消除又は訂正すべきものと解するのが相当である
準婚的法律関係の解消は形成的身分行為に該当しこれには代理は許されないとして、隔地当事者間に代理による意思の合致ある場合に、家事審判法第24条によりその解消と慰藉料額を定める審判をした事例
1 執行判決訴訟においても請求異議訴訟において提出できる事由を抗弁として主張できる 2 別居中の妻が子を州外に連れ出さないことを条件として夫に妻および未成年の子に対する扶養料の支払を命じたカリフォルニヤ州上級裁判所の判決がある場合に、妻が子とともに州外に移転しても、それが子の利益のためである場合は夫の扶養料支払義務に消長がないと認めた事例
相続人父(米国人)と同子(日本人)との間の遺産分割協議は、相続をめぐる父と子の利益相反の問題として、父が子を適法に代理して遺産分割の協議に関与し得る資格を有するかどうかが問われるのであるから、その準拠法は法例第20条ではなく相続に関する法例第25条によるべきであるとして特別代理人審判をした事例
北海道青少年保護育成条例、12条の3の構成要件は、誘惑、威迫、立場利用、欺罔あるいは困惑、自棄につけこむ等の手段を講じて青少年を自己の性的行為の相手方とせしめたような場合のみを指すものと解すべきである。
児童福祉法第34条第1項第9号にいう正当な雇用関係は、児童の福祉を保障し、児童の心身の健全な育成の精神に副うものでなければこれに該当しないものとしなければならない