最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 代理行為の相手方の悪意または過失と民法第109条の責任の有無 2 民法第109条の表見代理行為の相手方に過失があるとされた事例
1 交通事故による労働能力の一部喪失の場合につき、労働能力喪失の統計表によって逸失利益を算定した事例 2 弁護士費用と事故による損害
1 住職を寺院の機関としてその地位確認を求める訴えの適否 2 寺院(宗教法人)の代表役員を定めるについての寺院と宗派(包括宗教法人)との相互規定が有効と認められた事例 3 住職退職願いの効力が宗派管長の受理によって生ずるものとされている場合における民法93条但書適用の基準日 4 住職退職願いが非真意の故に無効であるときは、すでにこれに基づいて後任住職が任命されている場合でも、その無効を主張することができるか 5 宗派管長は被包括法人たる寺院住職の罷免権を有するか
1 賃貸人が、賃貸家屋を無断転借人に売渡後なした無断転貸理由解除の効力 2 賃貸家屋の売買および右売買解除による所有権の移転と賃貸人の地位の承継
国家公務員災害補償法に規定する障害補償の支給を受けた交通事故の被害者につき、労働能力の減少による逸失利益が認められなかった事例
1 欺罔による不法利得を騙取と誤認した場合と判決への影響 2 偽造小切手を自己の預金口座に振り込んだ場合と詐欺罪の成否
1 株式会社の取締役または監査役の退任によりその法定員数を欠くに至ったときは右退任による変更登記はなすべきでないとした事例 2 右の場合退任の登記をなすべき確定判決があっても、登記官はその登記申請を却下すべきものとした事例
競落により将来所有権を取得すべき不動産の売買ののち、売主の責に帰すべき事由により右所有権取得が不能になったため買主が再競売において右不動産を競落した場合と売主の担保責任の有無(積極)
未だ独立した建物としての形態構造を備えていない建築中の建物についてなされた保存登記は右建物が完成した場合に有効となるか(積極)
1 被用者の、使用者の保有する自動車の無断私用運転による事故につき、使用者に使用者責任及び運行供用者責任を認めた事例 2 自動車の、衝突事故のための破損によって生じた損害の算定例
いわゆるトルコ風呂の営業許可申請を、公衆浴場法2条2項により却下した処分が、憲法22条1項に違反したものとして無効とされた事例
1 公益事業における抜打ちストの適否 2 航空会社の乗務員組合が飛行機の出発直前になした乗務員の指名ストが争議権の乱用にわたる違法な争議行為とはいえないとされた事例
小型貨物自動車のボンネット上に腹這いとなり、僅かにワイパーを掴んで身を保っている被害者を眼前にしながら、これを振り落すべく蛇行運転に及んだ者の所為につき、未必的殺意の存在を認定した事例
交叉点における普通自動車(被告人)と原動機付自転車(被害者)との接触事故につき、被害者の注意義務違反が事故の決定的原因であるとして、被告人の不注意と事故との因果関係を否定し、業務上過失傷害につき無罪を言渡した事例
刑事訴訟法第8条第2項による審判併合請求事件について、それぞれ現に係属する裁判所で各別に審理するのを相当と認めた事例
助役収入役から町議会議員に対し選任同意決議後の新任披露宴に際し土産品代として現金を贈ったことが贈賄罪に該るとされた一事例
斡旋贈収賄罪成立の要件 単に公務員たる身分を有すればたり、斡旋公務員が、その地位を利用すること、又は、公務員としての地位において行動することは必要でない
破綻した夫婦間においては、有責配偶者から同居請求および自身の生活費としての婚姻費用の分担請求は認められないが、未成年の子の養育費を婚姻費用として請求することは、仮に子の監譲につき相手方に対し不当な点があっても可能である。
1 内縁解消の場合も財産分与の審判を求めることができる 2 財産分与の法的性質と右審判確定後の慰藉料請求の可否(消極)
1 可分な相続債務は、相続開始と同時に当然に各相続人に相続分に応じて分割承継されるものであり、遺産の対象とならない 2 遺産の主要部分が狭い農地であり、かつ相続人が多数の場合における分割審判の一事例
1 長男名義に単独相続登記がなされているとき、登記原因を証する他の相続人の「相続分なきことの証明書」が事実に反し虚偽である場合には、かかる単独相続登記を許す相続人全員の合意があっても、あらためて遺産分割ができる 2 遺産の一部についてその分割協議が有効とされるための要件 3 相続人合意の上、遺産を他に売却した場合は、その売却代金が遺産分割の対象となる
保護義務者が被保護者(精神障害者)との利害衝突により訴訟を提起した場合には、保護義務者の選任を取り消すまでもなく、該訴訟の提起と同時に法律上当然に保護義務者たる地位を喪失する
原決定が罪となるべき事実として摘示した事実のうち傷害の非行は、少年が14歳未満時の行為であり、右は少年法第3条第2項の手続を経ていないので審判に付することができないというべきであるが、これを除いてみても少年に対する処分に変動をきたさない
抗告申立人は、審判期日に適法な呼出しを受け、かつ、右期日に出頭することを通知しながら出頭しなかったのであるから、審判廷に在席し、意見を述べる機会を失ったとしても、審判手続になんらの違法も認められない
法人を処罰すべき場合においては法人の代表者をもって被告人とする旨の明治33年法律第52号第2条は、すでに死文化しているとして、未成年者飲酒禁止法第1条第3項違反の罪に問われた株式会社代表取締役たる被告人に対し無罪の判決を宣告した事例
未成年者喫煙禁止法第4条の法意は、20歳未満の者に、その自用に供することを知りながら煙草を販売したるものである以上、営業者であると、その代理人、同居者、雇人その他いずれの者であるとを問わず、刑事責任能力がある限り、処罰の対象としていると解するとし、無罪を言い渡した原判決を破棄、自判した事例